歯列矯正を行って矯正装置を取り外した後は，リテーナーという保定装置を装着することになります。 しかし、このリテーナーという装置はなぜ必要なのでしょうか？ また、これはどのくらいの期間着けておく必要があるのでしょうか？
今回は、リテーナーについて、解説します。
リテーナーとは？
歯列矯正では、歯を正しい位置に移動させていきます。 しかし、歯が正しい位置に矯正されたとしても、それがいつまでも続くとは限りません。 元の場所に戻らないようにするため、固定する装置が必要となるのです。
そのために使われるのが、リテーナーです。 保定装置とも呼ばれるもので、歯を移動先に定着させて歯並びを保つために装着するものです。 矯正治療にはいくつかの方法があるのですが、どの方法であってもリテーナーは必要となります。
実は、歯というのは生涯動き続けているのです。 特に分かりやすいのが加齢による口腔内のへの変化で、歯茎が痩せてしまったり、虫歯治療によって噛み合わせが変化したり、歯ぎしりや食事などで歯が摩耗したりすると、徐々に歯が動いていきます。
そのため、加齢と共に歯並びが気になるようになったと悩みを抱えるケースは決して珍しくありません。 キレイな歯並びを守るためにも、リテーナーが必要とされるのです。
リテーナーには、大きく分けて取り外しができない固定式のものと、取り外しできる可撤式の2つがあります。 そして、その材質や装着方法などでさらに細かく分類されます。
リテーナーを選ぶ際は、なるべく無理なく続けていけると思えるタイプのものを選びましょう。 途中で面倒になって止めてしまう方も少なくないのですが、そうなると後戻りの原因にもなるため、続けることが大切なのです。
固定式のもので、下の歯の歯並びを保ってくれる装置として、フィックスタイプというものがあります。 歯の裏側に細いワイヤーを装着するタイプのもののため、着けていることが分からず審美性に優れています。 ただし、汚れがたまりやすいというデメリットがあるため、歯科医院で定期的なメンテナンスを行わなければなりません。
一方、取り外しができるタイプには、ホーレータイプというものがあります。 食事や歯磨きの際に取り外せるため、清潔な状態を保ちやすいのが特徴です。 このタイプは使用時間や使用方法について、歯科医の指示に従わなくてはいけません。 取り外しができるタイプは、ワイヤーを使用したタイプとマウスピースタイプがあります。
リテーナーの使用について
リテーナーを使うとしても、1日に何時間くらい使えばいいのか分からない、という人もいるでしょう。 使用する時間は一定ではなく、矯正治療が終わってからどの位の期間が経過してるのかで決まります。
矯正治療が終わったばかりの頃であれば、リテーナーは1日中装着しておく必要があります。 装着時間を減らすことができるようになるのは数か月が経過してからです。 装着時間がどれくらいの期間でどの程度まで減るのかはケースバイケースです。 というのも、何日で保定が終了するのか、いつ歯列は安定するかといったことは、予測が難しいのです。
骨が固まる時間の違いや加齢、体質等で、個人差が生じます。 それでも、装着時間が少しずつ減少することで、最終的には夜寝ている間だけ装着していればいい、ということになります。
リテーナーは、たとえ使用時間を過ぎたとしても悪いものではありません。 これは、美しい歯並びをキープするために必要なものなのです。 そのため、毎日使い続けるようにしましょう。
では、使用をサボってしまうようなことがあればどうなるのでしょうか？ 実は、即座に歯並びが悪くなるといったことはありませんが、そのまま使用せずにいると、次第に矯正前の状態に後戻りしてしまいます。 もしそうなってしまったら、もう一回矯正治療をした方がいいのでは？と思う方もいらっしゃるでしょう。 しかし、再治療というのは身体にも負担がかかるため、あまり良い選択とはいえないでしょう。
矯正治療の場合、再治療を繰り返していくと歯根が吸収されていくリスクが生じます。 また、歯を失うケースもあるので、その可能性が高い場合はたとえ希望されても断らざるを得なくなってしまいます。 そうならないようにするためにも、リテーナーの使用は怠らず、歯科医の指導通りに使用した方が良いのです。
リテーナーは、可能な限り清潔に保っておきましょう。 固定式の場合は、フロスなどを用いて隙間の汚れを丁寧に落としていってください。 落としきれない汚れはプラークや歯石を形成するため、歯科医院で時折クリーニングをしてもらいましょう。
可撤式の場合は、食事などで外すたびにぬるま湯、あるいは歯ブラシなどを使用して清掃してください。 取り外してから時間が経てば汚れが固まってしまうかもしれないので、唾液が付いている状態で清掃しましょう。
まとめ
歯列矯正は、歯の位置を動かしていく治療ですが、その移動が終わればそれで完了というわけではありません。 その後、保定が必要となるので、矯正と同じくらいの期間保定装置を装着する必要があるのです。 リテーナーを装着するのをサボってしまうと、後で歯列が戻ってしまうこともあるので、しっかりと決められた期間は装着するようにしてください。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。 一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。