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歯周病と糖尿病にはどのような関係があるか解説します

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歯周病は、口腔内だけではなく全身疾患にも影響があると言われています。
その中でも関連性が明らかなものが糖尿病です。
歯周病と糖尿病には、どのような関係があるのでしょうか?
歯周病と糖尿病の関係と、それぞれに対しての影響について解説します。

歯周病と糖尿病の関係

歯周病は、歯周病菌によって歯茎に炎症を起こす病気です。
一方、糖尿病は血糖値を下げる働きのあるインシュリンというホルモンが十分に作用せず、血液中のブドウ糖濃度が上がり過ぎてしまう病気です。

血糖値は、糖分を摂取したときに上がります。
チョコレートや飴、ケーキなどを食べた時は血糖値が上がります。
ただし、血糖値を上げるのは甘いものだけではないのです。

ご飯やパン、イモなどの炭水化物や果物などは、エネルギーに変わりやすいため、血糖値も上がります。
また、カロリーが高い食べ物は血糖値も上がりやすいと思われがちですが、カロリーと血糖値には直接の関係はありません。

糖尿病患者は、歯周病の発症リスクが高くなってしまいます。
また、歯周病患者が糖尿病になった場合は、重症化するリスクが高いこともわかっているのです。

実は、歯周病と糖尿病には、相関関係があります。
糖尿病患者は、患者ではない人よりも歯周病になりやすく、かかった場合は重症化しやすいのです。
また、糖尿病患者はそうではない人と比べて歯周病の罹患率が高いということもわかっています。

糖尿病患者は血糖をコントロールしなくてはなりません。
しかし、コントロールがうまくできず高血糖状態になってしまう人は、コントロールできている人と比べて、歯周病が重症化しやすい傾向があります。

歯周病が重症化してしまうと血糖のコントロールがうまくできなくなってしまいます。
歯周病患者は、糖尿病の指標であるHbA1Cの値が高くなるという傾向もあるのです。

糖尿病患者が歯周病を治療した場合は、HbA1Cの値が最大で1%改善します。
ちなみに、正常値の上限は約6%となっています。
そのため、1%の変化はかなり大きいと言えるのです。

歯周病と糖尿病の関連リスク

歯周病と糖尿病には、それぞれを悪化させるリスクがあります。
歯周病は糖尿病を、糖尿病は歯周病を悪化させてしまうのです。
また、単純にそれぞれの病気になる可能性も高くなります。

歯周病になると、インシュリンを作るのが難しくなります。
歯周病になると、歯周病菌が毒素を放出して歯茎が腫れます。
その際に、歯茎の毛細血管に毒素が進入し、血液に入り込むことがあるのです。

血液に毒素が入ると、体はその毒素に対抗するためにサイトカインという物質を作り出します。
このサイトカインが、インシュリンの生成を妨害してしまうのです。

インシュリンは血糖値を下げる働きがあるため、生成できないと血糖値が高いまま下がらなくなってしまいます。
血糖値が高いままだと、合併症を引きおこすかもしれません。

また、インシュリンが生成できない状態になると、体はどうにか生成しようとするため、生成する細胞が過剰に働いて分泌機能が低下してしまいます。
その結果、糖尿病が悪化してしまうのです。

糖尿病によって歯周病リスクが高くなるのは、免疫力が低下してしまうからです。
糖尿病に罹患してしまうと、細菌飲み込む働きがある白血球の一種である好中菌の働きが鈍化し、体内の感染防御のための機能が弱ってしまいます。

その状態では、多種多様な感染症に感染しやすくなってしまいます。
歯周病も歯周病菌による細菌感染であるため、歯周病への感染リスクが高まってしまうのです。

通常、細菌が活発に活動していると、人体がそれに抵抗しようと作用しますが、糖尿病になるとその働きが低下してしまいます。

また、高血糖状態では組織を修復しようとする働きも弱くなります。
人体では新陳代謝によって、古くなって死滅した細胞の代わりとなる細胞が作られます。
そうすることで、破壊と修復をバランスよく行っているのです。

しかし、糖尿病になってしまうと組織の修復機能が低下してしまい、破壊が先行して修復が追い付かなくってしまいます。
その結果、歯周病が進行する可能性が高くなるのです。

このように、歯周病と糖尿病には深い関わりがあります。
どちらか一方が悪化するともう一方も悪化してしまうため、両方に気を遣う必要があるのです。

糖尿病は、単に高血糖となるだけではなく、様々な合併症を招いてしまうこともあります。
一方、歯周病を治療すると糖尿病の症状も改善される可能性があるのです。

まとめ

歯周病は糖尿病と関係ないように思えますが、実は相関関係にあり、歯周病は糖尿病を、糖尿病は歯周病を悪化させるリスクがあるのです。
歯周病と糖尿病の両方を同時にケアしなければ、治療は難しいでしょう。
双方のリスクを踏まえたうえで、どちらを優先して治療するべきかを、主治医や歯科医師に相談してみてください。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。