インプラント

インプラントと天然歯の違いについて

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インプラントは、天然歯に近いものとして歯を失った人から人気がある治療方法です。

しかし、いくら天然歯に近いとは言っても、やはり違いはあるのです。

インプラントは、天然歯とどのような違いがあるのでしょうか?

具体的にどのような違いがあるのか、解説します。

構造に違いがある

インプラントと天然歯には、いくつかの違いがあります。

その中でも特に違うのは、構造です。

どのような違いがあるのか、解説します。

天然歯は、骨と歯の間に歯根膜というものがあります。

歯周靭帯とも呼ばれている繊維製結合組織で、この組織によって骨と歯根は結合しているのです。

歯根膜は幅がある組織で、「物を噛む」という動きをしたときに、歯がその幅の分動いてクッションとなっています。

動く幅はおおよそ0.1~0.4ミリ程度なので、普段、あまり意識することはないでしょう。

この歯根膜があることで、歯が抜けにくくなるのです。

歯根膜には知覚神経があるので、無理な力が加わるようなことがあれば痛みが生じて本能的に回避するようになっています。

この機能があるからこそ、クッションとしての働きもできるのです。

また、この歯根膜があることで食べ物によって噛む力を変えることができ、硬いものはしっかりと噛み、柔らかいものは弱く噛むことができます。

噛み応えを感じるのも、歯根膜の役割です。

しかし、インプラントにはこのような組織がありません。

インプラントは骨と直接つながるため、噛む力が加わっても動くことはほとんどないのです。

そのため、インプラントの噛み合わせに問題があったとき、無理な力がかかってしまいインプラントに影響を及ぼすこともあるのです。

しかし、実際に噛んだ時に、ほとんどの人は天然歯との違いを感じません。

なお、歯周病が進行すると歯の周囲の骨が破壊されるのですが、その際は歯根膜も喪失してしまいます。

そのせいで、歯がぐらぐらしてしまうのです。

また、総入れ歯になったときは、歯根膜がその働きをしなくなるので、歯触りを感じることはありません。

歯肉での感触となるため、食べ物に対する感覚が鈍くなってしまいます。

また、他にも違いはあります。

組織学的に歯肉を顕微鏡で見た場合、3つのパーツに分けられます。

上皮と結合組織、歯肉繊維があり、それぞれ異なる働きを持っているのです。

歯肉繊維は、さらに細かく分けられます。

セメント歯肉繊維と歯槽骨歯肉繊維、セメント骨膜繊維があり、それぞれの名前の通りの組織を結合しているのです。

隣あった歯をつなぐ役割を持つ歯間水平繊維や、歯の周りを囲む輸送繊維などもあります。

天然歯は、歯肉繊維によって歯肉とつながっています。

歯肉の中にある結合組織は、セメント質という歯根部分に入り込んで結合し、歯肉繊維は垂直に広がっています。

インプラントの場合、歯肉繊維はインプラント体に対して、水平方向に広がっています。

垂直に広がる繊維と比較するとくっつく力が弱く、密着しているのはインプラントの入り口部分だけになるのです。

そのせいで、歯肉がはがれやすく、炎症が起こった際は進行しやすくなってしまいます。

このような構造上の違いがあるので、インプラントは天然歯と比較して手間をかける必要があるのです。

インプラントは、定期的なメンテナンスを欠かさないように気を付けましょう。

血液供給の違い

歯には、血液が供給されています。

しかし、天然歯とインプラントでは、血液供給量に違いがあるのです。

具体的には、どう違うのでしょうか?

天然歯の場合、血液供給は骨、歯肉、歯根膜の3つからされています。

しかし、インプラントには歯根膜がないため、その分、天然歯と比較して供給される血液が少ないのです。

また、歯周ポケットは、血液内に含まれる細菌と戦う好中球という成分が内部に存在していて、もし内部に細菌が入り込んだ場合は、それを排除するという動きをします。

しかし、供給される血液が減ると、この好中球も減少してしまうのです。

そのせいで、インプラントは天然歯よりも感染防御力が低いのです。

インプラント周囲炎になる可能性も高く、好中球だけに頼るわけにはいきません。

インプラント治療を行った後は、欠かさずにメンテナンスも受けるようにしましょう。

このように、インプラントと天然歯には様々な違いがありますが、歯の欠損に対する治療としては、見た目や噛む力などが天然歯に近いものとして、優秀な治療法と言えます。

インプラント治療を受けた後は、ケアやメンテナンスをしっかりと行いましょう。

まとめ

インプラントは天然歯を失った人にとって、代替品となるものであり人気のある治療方法です。

しかし、人工的なものである以上、どうしても天然歯とは異なるものです。

インプラント治療を受けた場合、天然歯との違いについてしっかりと把握しておきましょう。

そして、治療後はメンテナンスを欠かさず、定期的に診察を受けるようにしてください。

東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。

一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。