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【五反田で矯正歯科】小児矯正で使用する急速拡大装置について解説します

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歯列矯正をする際は、矯正装置を使用します。
矯正装置にはいくつかの種類がありますが、その中で子どもの矯正に使用される装置の1つとして、急速拡大装置というものがあります。
急速拡大装置というのは、どのような装置でしょうか?
特徴やメリット、デメリットについて解説します。

急速拡大装置とは?

歯並びを整える歯列矯正では、基本的に歯を押して正しい位置へと移動させます。
代表的な矯正装置の金属ブラケットの場合は、金属板にワイヤーを通して歯に圧力をかけているのです。

しかし、歯並びが乱れている原因は生え方が悪いというだけではありません。
中には、歯の大きさと顎の大きさが合わずに歯の生えるスペースが足りないせいで、正しく生えることができなかったということもあるのです。

顎を広げたい場合に使用される矯正装置が、急速拡大装置です。
急速拡大装置は上顎専用の装置で、上顎に装着して900g~数kgの強い力をかけて、幅を広げていきます。

似たような装置に床矯正という装置もあるのですが、床矯正は自分でつけたり外したりできるのに対して、急速拡大装置の脱着は歯科医院でやってもらう必要がある、という違いがあります。
また、急速拡大装置の方が短時間で効果を得られます。

装置は、支えとなる太いワイヤーと金属製のバンド、調整しながら歯列弓を押し広げる拡大ネジによって構成されています。
矯正にかかる期間は、1~3カ月と短いのが特徴です。

拡大するペースは、1日につき拡大ネジを4分の1回転、約0.2mmずつ広げていき、30日で約6mm広げることができます。
矯正期間が終わった後も、装置は固定したまま約半年装着し続けます。

上顎は、上顎正面の正中口蓋縫合から左右に分かれているため、急速拡大装置によってつなぎ目を広げることで、幅を広げることができます。
急速拡大装置によって広げることができるのは原則10代までで、人によっては25歳くらいまで効果があります。

急速拡大装置のメリット

急速拡大装置の役割は、床矯正にも似ています。
床矯正ではなく急速拡大装置を使用するのは、メリットがあるからでしょう。
急速拡大装置を使用するメリットとは、どのような点でしょうか?

最大のメリットは、上顎の骨が成長するのを促すことになるため、歯列や骨格がアンバランスになっているのを改善することもできるという点です。
将来的に成長するかもしれない部分を、子どもの頃から確実に成長させることができます。

また、乳歯から永久歯に生え変わる途中の、乳歯と永久歯が混在している混合歯列期に治療を始めることで、永久歯がきれいに生えそろうことができるスペースを確保できます。
スペースが足りないと、健康な歯を抜歯することもあるため、スペースを確保しておけば抜歯を回避できるのです。

上顎を広げることによって、鼻腔が広がって鼻呼吸がしやすくなるため、口呼吸の癖がある子どもの鼻呼吸への切り替えを促すことができる可能性もあります。
上顎が狭いと、空気が通る鼻腔も狭くなるため、鼻呼吸がしにくいのです。

口呼吸は、口内が乾燥しやすいため口臭の原因となるだけではなく、虫歯の原因にもなるため、できるだけ改善した方がいいのです。
急速拡大装置による矯正が、鼻呼吸への切り替えのきっかけになるかもしれません。

急速拡大装置のデメリット

急速拡大装置による矯正には、どのようなデメリットがあるでしょうか?
矯正装置のほとんどに共通するのが、着けていると邪魔に感じるという点です。
特に子どもの場合は、嫌がることも多いでしょう。

急速拡大装置は、特に違和感を強く感じる人が多い装置です。
装置は歯に接着して固定するため、どんなに邪魔に感じても、自分で外すことはできません。
慣れるまで、1週間ほどはストレスを覚える人もいるでしょう。

また、着けていると、発音がしづらくなります。
上顎についているため、食べ物を飲み込むときなどに邪魔に思うかもしれません。
鼻などに、ツンとした痛みを感じるという人もいます。

装置はワイヤーなどがついているため、食べ物のかすが装置に付着してしまい、歯磨きをしづらくなることもあります。
汚れが付いたまま放置されると、腐敗して悪臭がする可能性があることに注意が必要です。

特に汚れやすいのが、ネジの部分です。
小さい子どもの場合は、仕上げ磨きをする際に汚れを落としてあげるなど、家族がサポートしてあげる必要があります。

急速拡大装置は、適応する年齢が限られています。
また、上顎にしか使用できないため、下顎は床矯正などで広げる必要があるでしょう。
他の矯正装置も併用することが多いので、歯科医に相談して適切な治療を受けましょう。

まとめ

急速拡大装置は、上顎の幅を広げるための装置であり、強い力で押し広げるため1~3カ月ほどで矯正が完了します。
ただし、矯正が終わった後は後戻りを防ぐために、6カ月ほど装置を装着したままにする必要がある点に留意しましょう。
上顎の骨の成長を促すことになるため、骨格や歯列にアンバランスな点がある場合は同時に改善できます。
歯の汚れが落ちにくいことがあるため、特に小さい子どもの場合には、家族のサポートが必要でしょう。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。