歯列矯正で人気のマウスピース矯正の中でも、特に多くの人が利用しているインビザラインにおいて、2018年に部分矯正が可能なインビザラインGOが登場しました。
インビザラインGOは、どのような症例に対応している治療なのでしょうか？
インビザラインGOで治療が可能な症例は何か、解説します。
インビザラインGOで矯正できる歯並びは？
マウスピース矯正は、矯正装置が目立ちにくく自分で脱着できるため、人気がある矯正治療です。
マウスピース矯正にはいくつかの種類がありますが、中でも世界トップシェアの治療が、インビザラインです。
インビザラインは、全体の歯並びを矯正するもので、部分矯正には不向きでした。
しかし、2018年にインビザラインから、部分矯正に特化したインビザラインGOが登場しています。
インビザラインGOは、どのような症例に対応しているのでしょうか？
インビザラインGOが対応している症例として、叢生が挙げられます。
乱杭歯や八重歯とも呼ばれ、歯がきちんと歯列に沿って生えていない状態になっているときにも、インビザラインGOで治療できるのです。
八重歯は、犬歯が外に飛び出している状態です。
日本では可愛いと言われることが多く、付け八重歯というものもありました。
しかし、海外ではあまり好まれず、可愛いというのは日本独自の文化といえるでしょう。
乱杭歯は、顎と歯の大きさのバランスがズレていることによって、歯並びに支障をきたしている状態です。
歯並びが悪いというと、まず思い浮かぶのがこの乱杭歯ではないでしょうか？
歯が綺麗に並ぶスペースがなく斜めに生えたり、重なって生えたりします。
上顎前突、いわゆる出っ歯も、インビザラインGOで治療できます。
上顎前突は、上の前歯が斜めに生えて、突き出しているように見える状態です。
斜めになっているせいで、口元が膨らんで見えてしまいます。
正面からは、口を開けなければあまり気にならないかもしれません。
しかし、横から見ると口もとが膨らんでいることは一目瞭然です。
口ゴボと呼ばれる状態で、横顔美人の条件と言われるEラインにはまったく収まりません。
いわゆる受け口は、下顎が上顎より前に突き出ている状態で、前歯も上の歯より下の歯の方が前に出ています。
顎がしゃくれてしまい、見た目もあまり良くありません。
下顎前突もインビザラインGOで対応可能な症例です。
歯と歯の間に隙間が目立つ空隙歯列も、インビザラインGOで治療できます。
すきっ歯と呼ばれる状態で、顎の大きさに対して歯が小さい時に起こる症例です。
口を開けた時、歯の間に隙間があるとあまりいい印象を与えないでしょう。
また、歯の間の隙間が大きいと、隙間に汚れが溜まりやすくなります。
溜まった汚れによって虫歯の原因菌や歯周病菌が増殖しやすくなり、虫歯や歯周病の原因になってしまいます。
歯の隙間から空気が漏れてしまうため、発音がおぼつかないこともあるでしょう。
インビザラインGOでは対応できない症例
上記のような症例は、インビザラインGOで治療することができます。
反対に、インビザラインGOでは対応できない症例は、どのようなものがあるでしょうか？
対応できない症例について、解説します。
歯並びで特に重要なのが、奥歯のかみ合わせです。
奥歯のかみ合わせがズレていると顎の骨に大きな負担がかかり、顎関節症になるリスクや、虫歯、歯周病のリスクが高まります。
奥歯のかみ合わせを整えるには歯列矯正をする必要がありますが、インビザラインGOは前歯の部分矯正に特化した治療なので、奥歯の矯正はできません。
また、インビザラインGOではマウスピース（アライナー）が原則20枚までと決まっています。
1枚につき0.25mmずつ動かすので、インビザラインGOで動かすことができるのは原則5mm以下となります。
ただし、保証期間が2年間あり、1年毎に20枚、合計60枚までは増やすことができます。
60枚が限度なので、アライナーを無制限に使用できるインビザラインよりは動かせる範囲が小さくなってしまうのです。
よって、インビザラインGOで対応可能な症例は、動かす距離の短い軽度の歯並びの乱れに限られます。
重度の乱れは、インビザラインで治療しましょう。
目安として、歯の隙間や重なりの移動は7mm程度、歯の垂直方向への移動は5mm程度、前歯の中心である正中線の移動は1mm程度です。
正中離開の治療では、隙間があまり広ければ対応できません。
また、抜歯を伴う矯正治療には、インビザラインGOは対応していません。
インビザラインであれば可能なので、抜歯が必要な場合はインビザラインGOではなく、インビザラインで治療しましょう。
まとめ
インビザラインGOは、前歯に特化した部分矯正です。
乱杭歯や八重歯などの叢生、上顎前突や下顎前突、空隙歯列などはインビザラインGOで治療が可能な症例です。
しかし、奥歯を動かす必要がある矯正治療や抜歯を伴う矯正治療などは、インビザラインGOでは対応できません。
また、歯を動かすことのできる距離に限度があり、限度を超える場合には対応できない点に注意しましょう。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。