歯列矯正を始めた時、カウンセリングや治療の途中などで聞いたことのない言葉が出てくることがあります。
矯正治療の専門用語なので、説明を受けている時にどういう意味か聞けば答えてもらえますが、いちいち説明してもらうのも面倒でしょう。
よく出てくる専門用語の意味について、解説します。
検査と治療の際に聞く言葉は?
検査段階でよく耳にするのが、咬合(こうごう)という言葉です。
咬合とは噛み合わせのことで、歯並びが乱れている場合は不正咬合といいます。
歯の中で正常な位置にない歯や顎の形などが要因となって、噛み合わせがズレてしまうのです。
歯形を取ることを、印象といいます。
印象の際はアルジネートという印象材をよく使用します。
日常生活で印象というと別の意味になるため、混乱しやすい言葉といえるでしょう。
治療段階では、矯正治療の種類について説明されます。
最も基本的な矯正治療がワイヤー矯正で、ブラケット矯正とも呼ばれます。
金属やセラミック製のブラケットを歯に装着して、ワイヤーでつないで歯を動かす治療です。
通常であれば、ブラケットは歯の表面に装着します。
しかし、歯の裏側に装着するリンガルブラケットという矯正治療の方法もあります。
ワイヤー矯正は口を開けたときに矯正装置が目立ってしまいますが、リンガルブラケットはほとんど見えません。
リンガルブラケット矯正には、ハーフリンガル矯正という治療方法もあります。
上の歯だけリンガル矯正にして、下の歯は表側にブラケットを着けてワイヤー矯正にする方法です。
矯正装置が目立ちやすい上の歯だけを裏側にすることで、デメリットをカバーできます。
マウスピース型の矯正装置で歯列矯正をする、マウスピース矯正もあります。
自分で付け外しができるため、歯磨きや食事など邪魔になるときには外しておくことが可能です。
矯正治療には、部分矯正という方法もあります。
1本単位で歯の矯正ができるため、全体を矯正するよりも負担が少なくて済みます。
ただし、対応できない症例も多いので、注意しましょう。
小児矯正では、床矯正という言葉を聞くこともあります。
上頤の床といわれるところを広げる矯正治療で、まだ顎の骨が成長途中の子供の頃にしかできないものであり、歯が並んで生えるスペースが足りない場合などに行われます。
ディスキングという言葉も聞くことがあるかもしれません。
ディスキングとは矯正治療中で行われる治療で、歯をわずかに削って幅の調整をします。
保定などで使用する用語
矯正治療によって歯を正しい位置に動かしても、治療は終わりではありません。
放っておくと歯は後戻りをして元の場所に戻ろうとするため、保定によって固定しなければならないのです。
保定の際に聞く用語について、解説します。
後戻りとは、矯正治療で動かした歯が元の場所に戻り、不正咬合が再び起こってしまうことを指します。
保定は、後戻りを防ぐために行います。
保定をするときに装着する装置を、リテーナーといいます。
総入れ歯の歯がなくなったような装置で、マウスピース型もあります。
固定が必要な場合には、金属プレートやワイヤーなどを使用します。
治療中、歯を示す言葉を耳にすることもあります。
上下とも中心の歯は中切歯といい、隣の歯は側切歯といいます。
さらに犬歯があり、犬歯の奥には臼歯が並びます。
臼歯は、最も手前を第一小臼歯といい、奥に第二小臼歯があります。
さらに奥には、第一から第三までの臼歯があります。
奥の臼歯を大臼歯といいます。
歯科医院では、う蝕という言葉もよく使われています。
う蝕とは虫歯のことで、カリエスといわれることもあります。
虫歯がある場合には、矯正治療を始める前に治療しなければなりません。
口内につく、細菌の塊であるプラークという言葉もよく使われます。
歯垢ともいい、放っておくと固まって歯石になってしまうため、除去が困難になるでしょう。
プラークや歯垢を除去するために、スケーリングという処置が行われることもあります。
スケーリングは、スケーラーという専用の器具を用いて行い、歯の隙間や歯周ポケットの中にできた歯石なども除去します。
歯周病のことを、ペリオということもあります。
歯周病とは、歯周病菌によって歯茎に炎症が起こり、歯を支えることができなくなって歯が抜けてしまう病気です。
抜歯のことを、エキストやエキストラクションということがあります。
歯を抜く処置のことで、抜いた後は入れ歯やブリッジ、あるいはインプラントなどで失った歯を補います。
矯正治療においては、歯が並ぶスペースをするときに抜歯します。
まとめ
歯科医院で矯正治療を受けていると、聞き覚えのない言葉がいろいろと出てくるでしょう。
歯科医院の専門用語が多いのですが、中には矯正治療の種類を指したものなどもあります。
説明の際は、なるべく平易な言葉にしてくれるでしょう。
しかし、中には平易な言葉にしづらいものもあり、専門用語を一切使わず説明するのが難しいこともあるため、自分でもある程度意味を知っておくようにすると、説明の内容がより理解しやすくなるでしょう。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。