気が付いたら、歯にシミができていたという人もいるでしょう。
茶色や白い模様になっていて、歯医者でクリーニングを受けても落ちず、悩んでいるかもしれません。
歯にできる白や茶色のシミは、ブラウンスポットやホワイトスポットといいます。
原因と対処方法について、解説します。
なぜシミができる？
そもそも、歯にブラウンスポットやホワイトスポットなどのシミができるのは、なぜでしょうか？
シミができる原因について、解説します。
シミができる原因は、エナメル質の一部がきちんと出来上がらないことにあります。
エナメル質形成不全になった部分や、先行乳歯の虫歯、病気、けが、栄養障害などで正しい構造にならなかった場合に、光の透過の変化で白や茶色に見えたり、エナメル質の一部が欠損したりするのです。
脱灰と再石灰化、あるいは軽度の虫歯などで穴が開く前の段階になると、菌が産出する酸がエナメル質からカルシウムやリンを流出させて、構造が粗くなってしまいます。
溶けた部分は通常の部分と光の透過が異なるため、白く見えることがあるのです。
また、脱灰した歯は再石灰化によって元に戻ろうとしますが、再石灰化の中で色素が取り込まれることがあります。
茶色い色素を取り込むことで、シミになるのです。
歯を丈夫にするために塗布するフッ素ですが、永久歯の場合、生後6カ月から5歳頃までの歯の形成期に高濃度のフッ素を長期間取り込むと、フッ素症が起こることがあります。
すでに生えている歯には影響がないのですが、形成される途中だと歯にシミができてしまうのです。
なお、歯磨き粉の多くにフッ素が配合されていますが、毎日かなりの量を飲み込まない限り影響はありません。
フッ素症は、軽度なら白いチョークのようになりますが、重度になると茶色くなったり、一部が欠損したりすることがあります。
歯のシミを解消する方法は？
歯にシミができた場合は、どのように解消するべきでしょうか？
解消する方法は、いくつかあります。
状況に応じて、適切な方法を選択しなければなりません。
最も基本的な対処方法は、ホワイトニングです。
ホワイトニングは、専用の薬剤を歯に塗布して浸透させ、歯を白くするという施術です。
ホワイトスポットの場合は、周囲の歯も白くなるため、目立たなくなるでしょう。
ブラウンスポットの場合も、茶色くなった部分を漂白して、白くできます。
最も多くのケースで対応できる方法ですが、ホワイトニングを受けたばかりのときはホワイトスポットが強調されることもあるので、注意しましょう。
脱灰によってホワイトスポットになった歯を治療する場合は、エナメル質に特殊な樹脂を流し込むことで光の透過を周囲に合わせる、Icon（アイコン）という方法もあります。
先天的なホワイトスポットを改善するのに向いていますが、導入している歯科医はあまりありません。
石灰化不全になっている場合は、MIペーストという牛乳由来のカルシウムやリンを歯に塗布する治療もあります。
ただし、修復にはかなりの時間がかかるうえ、必ず改善できるというわけではありません。
歯の表面を薄く削り、シミになっているところを除去するエナメルマイクロアブレーションという治療もありますが、表面的なものしか対応できません。
歯質の深いところにシミがある場合には、除去するのは困難です。
歯の表面に色を塗ってシミを消す、マニキュアという方法もあります。
マニキュアのメリットは、すぐに治療が終わることです。
しかし、一時的な対処方法であり、すぐにはがれてしまうのが欠点です。
削ってコンポジットレジンを詰める、CR充填という治療もあります。
虫歯治療の時と同じように行う治療で、確実に改善されるのですが、虫歯になっていない健康な歯を削ることになります。
歯の表面をわずかに削り、表面にセラミック製のチップを張り付けていくラミネートベニアという治療方法もあります。
健康な歯を多く削る必要があるため、歯の寿命は短くなります。
以上のように、さまざまな方法がある中で、最も選びやすいのがホワイトニングです。
ホワイトニングには、歯科医院で施術を受けるオフィスホワイトニングと、自宅で薬剤を塗布するオフィスホワイトニングがありますが、どちらでも一定の効果は得られるでしょう。
特に効果が高いのはオフィスホワイトニングですが、ホームホワイトニングは自分でマウスピースを使用して薬剤を浸透させるため、歯科医院に通う必要がないというメリットがあります。
お勧めの方法は、オフィスホワイトニングで歯を希望の白さにして、ホームホワイトニングで効果を持続させるデュアルホワイトニングという方法です。
まずはシミの原因をはっきりさせて、適切な治療をしましょう。
まとめ
歯には、白や茶色のシミができることがあります。
ホワイトスポットやブラウンスポットといい、さまざまな原因によって生じます。
シミができた時の対処方法としては、シミの部分を削る、表面に白いチップやマニキュアをつける、削ってコンポジットレジンを詰めるなどの方法がありますが、最もシンプルな対処方法はホワイトニングでしょう。
特に、デュアルホワイトニングをおすすめします。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。