歯は、一般的に生えてくる歯以外にも親知らずという別の歯が生えてくることがあります。
親知らずは、真っすぐ生えてこないことも多いため、抜歯が必要なケースも少なくありません。
しかし、親知らずの抜歯は他の歯と同じように行うことはできないのです。
親知らずの抜歯はどのように行うのか、解説します。
親知らずは抜歯しなくてはだめ?
人間の歯は、一般的に上下14本ずつ、前歯の中心から数えると奥まで左右7本ずつ生えていて、上下左右の合計で28本になります。
しかし、歯は他にも生えることがあるのです。
他に生えてくる歯は、前歯の中心から数えて8本目に生えてくるものであり、親知らずと呼ばれます。
親知らずは、上下左右に1本ずつ生える可能性がある歯です。
以前は、親知らずが生えてくることは当たり前でした。
そのため、歯は全部で32本生え、親知らずが生えていないところがあると先天的に歯が足りないと考えられていたのです。
しかし、近年は生えない人が増えているため、生えなくても歯が足りないとは考えず、歯は全部で28本と考えるようになっています。
親知らずが生えている人でも、本数は人によって異なります。
最大は4本ですが、1本だけ生えるということもあるのです。
また、生える向きもさまざまです。
親知らずは、全ての歯が永久歯に生え変わってからしばらくして生えてくるもので、親元を離れることが多い20歳前後に生えてくるため、親知らずと呼ばれています。
他に、智歯とも呼ばれます。
親知らずは、生えてきたときに歯肉の中に隠れていることもあるため、歯磨きをしてもきちんと磨けず汚れが溜まってしまうことがあります。
汚れが溜まると虫歯のほかに、智歯周囲炎になることがあるため、注意が必要です。
智歯周囲炎になった場合は、抗菌薬を服用したりうがいをしたりすることで、雑菌を除去して炎症を抑える必要があります。
しかし、繰り返し発症してしまうケースもあるので、原因である親知らずを処置した方がいいでしょう。
親知らずの抜歯の方法は?
親知らずが生えてこなくても、困ることはありません。
むしろ、生えることで虫歯や歯周病などのリスクが高まります。
親知らずは他の歯は異なりまっすぐ生えてこないケースが多いため、歯磨きをしてもなかなか汚れを落とし切ることができません。
そのため、虫歯になる可能性が高くなってしまうのです。
親知らずが虫歯になった場合、奥歯を中心として他の歯にも感染する可能性が高いため、全ての歯に影響を及ぼします。
同じく、歯周病の原因菌も歯に付いているプラークという汚れによって増えるため、歯周病のリスクも高まります。
親知らずをきちんと磨くことができる状態であれば、わざわざ抜歯をする必要はありません。
しかし、磨くのが困難な状態である場合は抜歯をしてしまった方が簡単です。
必要なら、抜歯を考えることになるでしょう。
また、上下とも生える向きがまっすぐなら残すことができるかもしれませんが、上下に揃っていないと、生えていない方の歯茎を傷つけてしまうこともあります。
なお、しっかりと固定された状態で生えていて、周囲に影響を与えにくい場合は抜歯しなくてもいいでしょう。
親知らずの抜歯が必要になるケースとして、虫歯になったケースが挙げられます。
奥歯のさらに奥に生えていることから、他の歯よりも虫歯の治療器具が届きにくいため、治療ではなく抜歯してしまうのがおすすめです。
歯ブラシなどが届きにくい場所に生えていることもあるため、日々のケアも難しいでしょう。
親知らずではなく、隣の歯が虫歯になってしまった場合は、治療する際に親知らずが邪魔になり抜歯が必要になるケースもあります。
生え方が斜めや横向きになっていて、他の歯に干渉している場合も抜歯しなくてはいけません。
なぜなら、干渉を受けている歯にもダメージがあるため、炎症を起こしやすくなるからです。
先述したとおり、歯茎の中に半分以上親知らずが埋まり、歯ブラシがきちんとできないケースもあります。
歯を磨けないと虫歯のリスクが高くなるため、抜歯を考えなくてはいけません。
親知らずの抜歯をする際は、最初にレントゲン撮影をして歯根の形状を確認します。
親知らずの歯根は複雑な形状になっていることが多く、単に歯を引っ張っても素直に抜けることは少ないのです。
最初に歯茎の麻酔をかけたうえで、歯茎を切開して歯冠部分と歯根部分を切り離し、歯冠部分を除去した後で歯根を抜歯するのが一般的です。
歯根の形状によって、歯茎を切開する範囲も異なります。
抜歯にかかる時間は、一般的に1本につき30分未満ですが、歯根の形状が複雑であればもっと時間がかかります。
必ず抜歯しなければならないというわけではないので、まずは必要かどうかを診察で判断しましょう。
まとめ
親知らずは、必ず生えてくる歯というわけではなく、1本も生えてこない人も珍しくはありません。
しかし、生えてきた場合は虫歯になるリスクが他の歯よりも高く、必要に応じて抜歯したほうがいいでしょう。
他の歯に干渉するケースもあるので、生える向きなども重要です。
また、抜歯もシンプルにはできないことが多く、歯茎の切開をするケースもあることに留意してください。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
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