歯科医院では、虫歯以外にもさまざまな口の病気の診察、治療を行っています。
その1つが顎関節症ですが、この病気についてよく知らないという人もいるでしょう。
顎関節症がどのような病気なのか、どういった診断や治療を行うのか解説します。
顎関節症とは?
口を開けた時、開く幅は人によってさまざまです。
大きく開けられる人もいれば、限界まで開いてもあまり大きく開けられないという人もいるでしょう。
開く幅に関わらず、大きく口を開けた時に違和感があれば注意が必要です。
口を開けたときに顎が痛む、音がするという症状がある場合は、顎関節症かもしれません。
痛むのは顎関節や筋肉で、音が鳴るのは顎関節です。
また、口を大きく開けられなくなることもあります。
顎関節症は珍しい病気ではなく、2人に1人は一生のうちに経験すると言われています。
口を開閉すると音が鳴るというのは、首や肩を動かしたときに音が鳴るのと同じ原理であり、実害はありません。
しかし、顎関節の場合は首や肩よりも耳に近いため、はっきりと音が聞こえて気になってしまう人が多いのです。
また、バゲットなどの硬い食べ物を噛んだ時は、食べ物の音ではないのにゴリっという音がして痛みが生じることもあります。
一瞬食べ物の音かと疑うかもしれませんが、実は自分の顎から音が出ています。
口をうまく開けられないのも、顎関節症にある症状です。
目安としては、人差し指、中指、薬指の3本の指を縦に並べて口に入るかどうかで、入らないと口が開かないといえます。
顎関節を押したときに痛むのも顎関節症のよくある症状です。
関節部を軽く押しただけでも、痛みを感じます。
また、口を開けたり閉めたりできず、ロッキングされてしまうこともあります。
顎関節症の主な症状は音が鳴ることですが、どうしても音がしないようにしたいのであれば、手術をするしかありません。
手術をして治療するのは大変なので、「音だけなら、手術をせずに治療をする必要もない」と考えるのが一般的です。
しかし、痛みを頻繁に感じ、口の開閉がしにくい状態である場合は、日常生活に支障をきたしてしまうかもしれません。
治療の必要性や治療内容を把握するためにも、歯科医院で一度診察を受けてみましょう。
診断と治療
顎関節症の診断をする際は、痛みや関節の音、口の開けにくさなどから判断します。
症状が始まったのがいつか、どう変化したかなどを問診で確認し、状態を検査して必要ならエックス線やCTなども使用します。
実は、顎関節症に似たような症状は他の病気でも起こる可能性があるため、痛みがある場合は他の病気ではないことを確認しなくてはいけません。
他の病気であれば、治療方法が異なります。
顎関節の治療方法には、薬物療法やマウスピース療法、理学療法などがあります。
日本顎関節学会で発表している診療ガイドラインに従い治療を行い、外科的治療は行われません。
いくつかの治療法の中で可逆的なものを優先して選択することになります。
顎関節症の原因はいくつかあり、特に多くの患者に見られるのが日中に上下の歯を無意識に接触させてしまう、TCHといわれる習慣です。
上下の歯の接触が影響を及ぼすようには思えないかもしれませんが、実は顎関節症には大きな影響があります。
通常、上の歯と下の歯あまり接触することがなく、接触する時間はトータルで20分未満になるといわれています。
しかし、顎関節症の患者の場合、接触する時間は20分を大幅に上回っているのです。
接触する原因は緊張や姿勢の問題といわれ、接触によって顎関節に負担がかかり顎関節症になる、といわれています。
また、ストレスは精神的要因として顎関節症の原因になります。
寝ている間に歯ぎしりをしたり、うつぶせに寝ていたりする場合も、額関節症の原因となります。
日中も、ガムをよく噛んでいたり爪を噛む癖があったり、あるいは噛む際に片側ばかりを使用していたりすることも原因となります。
歯を無意識に強くかみしめてしまうゴルフやサッカー、ラグビー、テニスなどのスポーツや、フルート、サックスなど吹奏楽器は顎関節に大きな負担をかけるため、顎関節症の原因となります。
強い痛みを覚えたり、症状を自覚してすぐの段階であったりすれば、噛み合わせの調整などは行いません。
口の開け閉めは生活するうえで欠かせないものであり、顎関節症は生活の質に関わってくるため適切な対応が求められます。
まとめ
顎関節症は顎の関節に関係する病気です。
その症状は単に音が鳴って気になるというものから、痛みがある、食べたり話したりするときに口を開けにくいなどさまざまです。
音が鳴るだけなら治療の必要はありませんが、痛みがある場合や口が開けにくい場合は一刻も早い治療が求められます。
顎の痛みが気になった場合は、一度歯科医院で診察を受けることをおすすめします。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。