事故や病気で歯を失ってしまった人に人気の治療が、インプラント治療です。
インプラント治療は失った歯を補う治療ですが、治療に使用するインプラントにはアバットメントが「1ピース」と「2ピース」の2つのタイプがあります。
アバットメント1ピースタイプにはどのような特徴があるのか解説します。
アバットメント「1ピースタイプ」とは？
インプラント治療では、インプラントという人工の歯を失った歯の代わりにします。
インプラントは、人工歯根のインプラント体、人工歯冠の上部構造（義歯）と、2つのパーツをつなぐアバットメントというパーツに分けられます。
アバットメント「1ピースタイプ」とは、インプラント体とアバットメントが一体になっていて、取り外しができないタイプのインプラントです。
インプラント治療には、手術を1回だけ行う一回法と、2回に分けて行う二回法がありますが、1ピースタイプは一回法にだけ使用できます。
インプラント治療の一回法とは、歯槽骨という歯を支える骨に穴を開けてインプラント体を埋入する時、一緒にアバットメントも固定してしまう治療方法です。
インプラント体だけを埋入していると、アバットメントを装着する時に歯肉の中に埋まっているため、再び歯茎を切開する手術が必要になるのです。
その点、一回法なら手術を1回で済ませることができます。
歯茎の手術は、開腹手術などと比べると多少なりとも軽いものに思えるかもしれません。
しかし、手術であることには変わりがないため、身体に少なくない負担がかかります。
体力に自信がない人や貧血気味な人などは、一回法を希望することも多いでしょう。
アバットメント1ピースタイプの特徴
アバットメント1ピースタイプは、外科手術を一度に終わらせる一回法専用のインプラントなので、なるべく身体への負担を軽くしたいという人に向いています。
また、手術に何回も時間を取られるのが嫌だという人にもおすすめです。
さらに、アバットメント1ピースタイプは、2ピースタイプよりパーツが少なくて済む分、費用が安くなります。
費用を抑えて治療したいという方には、向いているでしょう。
加えて、アバットメント1ピースタイプは、2ピースタイプと比べて治療にかかる期間が短くなります。
工程がシンプルになる分、治療も早く終わるのです。
インプラントとアバットメントが分かれている場合はネジで固定しますが、アバットメント1ピースタイプは一体化しているため、ネジが緩むことはありません。
強度面でも優れていて、アバットメントが緩むことがないのです。
ただし、アバットメント1ピースタイプは治療に用いるケースが限られていて、インプラント治療の中でも特に歯槽骨が厚いケースでしか用いることができません。
インプラント治療ができるだけの骨の厚みがあっても、アバットメント1ピースタイプでの治療はできないことがあることに注意が必要です。
インプラント体は、歯槽骨の状態によっては真っすぐではなく、若干傾いた状態で埋入することもあります。
傾きについては、アバットメント2ピースタイプであればアバットメントで角度を調整できますが、アバットメント1ピースタイプの場合は一体化しているため、角度の調整ができません。
もし、アバットメント1ピースタイプを使用するインプラント治療で、若干傾いてインプラント体を埋入した場合は、上部構造の形状で調整しなくてはならないのです。
上部構造の形態が限定されてしまうことになるため、細かい調整ができないかもしれません。
また、インプラントには問題が発生することがあります。
特に問題が起こりやすいのはインプラント体と上部構造をつなぐ働きを持つ、アバットメントです。
アバットメント1ピースタイプの場合、アバットメントに問題が生じた時はインプラント体ごと除去する必要があります。
アバットメントとインプラント体が一体化しているアバットメント1ピースタイプは、アバットメントだけ交換することができません。
もし不具合が出てしまった時は、全体的に交換することになります。
とはいえ、アバットメント1ピースタイプは強度が高い分、不具合などが起こる可能性はかなり低いでしょう。
シンプルな構造になっているため、問題が起こりにくい点がメリットです。
あくまでも、万が一何かが起こった時に交換するのが大変というだけなので、それほど気にしなくてもいいかもしれません。
それでも、万が一の時を想定するのであれば、アバットメント2ピースタイプの方が向いているでしょう。
まとめ
インプラントには、アバットメントがインプラント体と分かれている2ピースタイプと、アバットメントとインプラント体が
一体になっている1ピースタイプがあります。
アバットメント1ピースタイプは、インプラント体を埋入する時にアバットメントも装着する、一回法という治療方法でしか使用することができません。
強度が高く、費用を抑えることができるという特徴があるものの、デメリットもあるため注意してください。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。