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【五反田の歯医者】口腔機能発達不全症の予防法について

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口腔機能発達不全症は、小児の口周りにおける後天性の機能不全を総称したものです。

主に顎や歯並びなどの問題によって生じるもので、食事や会話など、日常生活のさまざまな行動に悪影響が及びます。

今回は、口腔機能発達不全症の主な予防法について詳しく解説します。

口腔機能発達不全症の主な予防法5選

小児の口腔機能発達不全症を防ぐには、次の予防法が有効です。

・食事指導
・運動指導
・口のトレーニング
・Vキッズ
・スマホやゲームに関する指導

各項目について詳しく説明します。

食事指導

口腔機能発達不全症の予防法としてまず大切なのが、食事指導です。

子どもの年齢に合った食事を与えなければ、口腔発育の抑制や歯並びの悪化などにつながるおそれがあるため、適切な食事を与えることは大切です。

特に幼児の場合は、調理の仕方を工夫し、正しい食べ方ができているかチェックしなければいけません。

年齢に合った調理方法と正しい食べ方は下表の通りです。

 

年齢

調理方法

正しい食べ方

生後5~6ヶ月

滑らかにすり潰した程度にする ・1日1回1さじずつ食べさせる

・母乳やミルクは飲みたいだけ与える

生後7~8ヶ月

舌で潰せる硬さにする

・1日2食で食事のリズムをつけていく

・いろいろな味や舌触りを楽しめるように食品の種類を増やす

生後9~11ヶ月

歯茎で潰せる硬さにする

・1日3食にする

・共食を通じて食の楽しい経験を積み重ねる

生後12~18ヶ月 歯茎で噛める硬さにする

・1日3食の食事リズムを大切に、生活リズムを整える

・手づかみ食べにより自分で食べる楽しみを増やす

 

生後5~6ヶ月の幼児は、口を閉じて取り込み、飲み込みができるようになる程度です。

生後7~8ヶ月程度になると、舌と上顎で食べ物を潰していくことができます。

また生後9~11ヶ月頃には、歯茎で潰せるようになり、生後12~18ヶ月頃からようやく歯を使い始めます。

子どもの口腔機能発達不全症を予防するためには、年齢に合った細かい特徴を掴み、食事指導を行うことが大切です。

食事指導の中には、食事の際のテーブル・椅子の高さや食事をとる際の雰囲気などのチェックも含まれています。

運動指導

子どもの口腔機能発達不全症を予防するには、運動指導も必要です。

運動指導は、「食べる・話す・呼吸する」の3つを正しく行うために必要となる筋肉の発達を促すために行います。

体幹の筋肉を発達させ、姿勢を良くし、鼻で呼吸できるようにしなければいけません。

子どもが楽しみながら体幹を鍛えられるトレーニングとして、次が挙げられます。

・ボールトンネル
・レスリング
・前に進ませない

ボールトンネルは、まず子どもをうつ伏せにし、腕立て伏せの膝だけが付いているような状態にします。

そこに親御さんがボールを転がし、子どもは当たらないように手足で身体を支え、お尻を持ち上げます。

レスリングは、うつ伏せで寝転がった子どもを親御さんがひっくり返す方法です。

子どもはひっくり返されないように、手足を開いて踏ん張ります。

その他、ハイハイで前に進もうとする子どもを、親御さんが後ろから引っ張るトレーニングなども有効です。

口のトレーニング

口のトレーニングも、子どもの口腔機能発達不全症を予防する方法の一つです。

「お口ポカン」など、口周りの異常を改善するために行います。

口腔機能発達不全症を発症している子どもにも推奨するトレーニングで、主に以下のような方法があります。

・ガムトレーニング
・あいうべ体操
・ポッピング
・タオル引きちぎりトレーニング

ガムトレーニングは、舌の力や飲み込む際の正しい舌の動きを身に付けることを目的に行う、ガムを使った口のトレーニングです。

ガムを左右の歯で均等に噛み、ボール状に舌の上で丸めて舌の中央にガムを乗せ、上顎に押し付けて薄く広げます。

最後に、ガムを上顎に押し付けたままゴクンと唾を飲み込みます。

また、あいうべ体操も有名な口のトレーニングの一つです。

口周りの筋肉を鍛えることを目的に行います。

あいうべ体操では、口を大きく「あー」「いー」「うー」「べー(舌を出す)」と動かす体操を行います。

大きくゆっくりと動かすことにより、口周りの筋肉を鍛えることが可能です。

ポッピングは舌の力を強化するために行います。

具体的には、舌を上顎につけて「ポン」と音を立てて離すというものです。

いわゆる舌打ちを繰り返すことで、舌の力が強くなります。

タオル引きちぎりトレーニングは、顎の成長に関わる筋肉を強化するために行う、タオルを噛んで引っ張るトレーニングです。

トレーニングの際は、素足になって肩幅に足を開き、タオルを歯で軽く噛み、唇で強く挟みます。

タオルを引っ張り抜けないように唇に力を入れ、舌は先端でタオルを押します。

タオル引きちぎりトレーニングは、原始人が肉を食いちぎろうとしているようなイメージで行うことがポイントです。

継続して行うことで、顎の成長に関連する筋肉を総合的に鍛えられます。

以上の口のトレーニングのほかに、お菓子やおもちゃを使った次の方法も、口のトレーニングとして採り入れるといいでしょう。

・風船、ビーチボールを膨らます
・フーセンガムを膨らます
・笛ラムネ
・ろうそく消し、風車回し
・ラッパのおもちゃ など

Vキッズ

Vキッズとは、別名で口腔機能育成装置とも呼ばれる装置です。

永久歯に生え変わる前に顎の骨のバランスや大きさ、歯並びを整えることで、身体全体に良い影響を与えることを目的とします。

乳歯列が生え揃う3歳頃から使用でき、取り外しも可能です。

Vキッズは矯正治療ではありません。

使用方法は夜寝るときに装着するだけと、使い方は非常に簡単です。

また、痛みや違和感などの心配が少ないという特徴もあります。

Vキッズには高さがあり、装着するだけで噛み合わせの高さが出て、口内が広がります。

口内が広くなることで得られるメリットは、下記のとおりです。

・呼吸しやすくなる
・酸素がしっかり取れる
・良質な睡眠につながる

さらに寝ている間にVキッズを噛みしめることにより、顎骨には適度な負荷がかかり、身体の基礎的な構造が育ちます。

身体が大きいと中身も大きくなり、内臓の位置や機能も整います。

スマホやゲームに関する指導

口腔機能発達不全症を予防するには、スマホやゲームに関する指導も徹底しなければいけません。

なぜなら、スマホやゲームが姿勢の悪化につながるケースがあるからです。

近年、ほとんどの子どもがスマホやパソコンなどを使用しますが、大抵の場合、スマホやパソコンの位置は顔より下にあるため、使用時には前かがみになります。

前かがみになると、自然と顎を引く形になるため、口が開きやすくなります。

口が開いた状態が続くのは、口腔機能発達不全症予防の観点から好ましい状態とはいえません。

なぜなら、口内が乾燥して虫歯になりやすい、歯並びや顔の形に悪影響が出るといったリスクがあるからです。

またテレビゲームなど顔の正面に画面がある場合でも、いわゆる内股座りが癖になると、頭のバランスを保つために口が開きやすくなります。

子どもの口呼吸は、歯並びや顔貌だけでなく低身長や肥満、場合によっては発達障害にもつながることがあります。

そうならないためにも、幼児の頃からしっかり鼻呼吸ができる生活環境を整えることが大切です。

なお、口を正しく成長させるには離乳食中の姿勢も重要であるため、幼児の成長に合わせて、口をしっかり使えるようにサポートしてください。

例えば離乳初期(生後5~6ヶ月)の場合、少し上半身を後ろへ傾けると飲み込みやすいでしょう。

離乳中期(生後7~8ヶ月)になり、背中が安定した状態で座れるようになれば、食事用のイスに座らせます。

その際、舌にしっかりと力が入るように、足の裏を床もしくは補助版にピッタリとつけることがポイントです。

離乳後期(生後9~11ヶ月)も同様に、足の裏をピッタリ床につけ、しっかり口が動かせるようにします。

まとめ

口腔機能発達不全症は先天的に発症するものではなく、幼い頃からしっかり予防していれば、口周りの機能を大きく損なうことはありません。

実際に発症した場合には、早い段階で歯科医院に行くことが大切です。

歯科医院ではさまざまな治療法で対応してくれます。

中には多少負担のかかる治療もありますが、基本的には口周りのトレーニングを中心に改善を目指します。