これまでに口内炎になった経験があるという人は多いでしょう。
実は歯が原因で口内炎になるケースが多いことをご存じでしょうか?
口内炎は、口内の粘膜が炎症を起こしてしまう病気であるため、歯と関係があるといわれても、ピンとこない人もいるでしょう。
歯と口内炎にはどのような関係があるのか解説します。
歯のトラブルと口内炎の関係
歯の美しさは、外見に大きく影響を与えるものであり、キレイであれば笑顔が魅力的に映ります。
しかし、普段歯のケアをあまりしていないせいで汚れが目立つ歯だと、笑顔に自信が持てなくなるでしょう。
実は、きちんとケアされていない歯はただ見た目に問題が発生するだけではなく、口内炎の原因にもなってしまうのです。
歯の汚れと口内炎には非常に密接な関係性があります。
具体的にどんな関係があるのか解説します。
虫歯になると、歯にダメージを受けるのは当然です。
実はそれだけでなく、口内の粘膜に起こるトラブルの原因にもなります。
虫歯の初期症状は痛みがほとんどないため、気づかずに治療を後回しにしてしまうケースが珍しくありません。
その結果、気がついたときに口内炎になっていることがあります。
虫歯があるにもかかわらず治療しないままだと、口の粘膜に炎症が起こったり痛みが生じたりするのです。
虫歯になると、歯が欠けて尖ってしまうことも多く、尖った歯が口内の粘膜を傷つけてしまいます。
口内の粘膜につけられた傷は最初のうちはごく浅くても、毎日歯が当たっていくうちに深くなり、やがて細菌に感染してしまうのです。
細菌に感染すると粘膜に炎症が起こって口内炎になってしまい、歯を治療しない限り口内炎が治っても繰り返し発症します。
また、直接傷がつけられていなくても、ストレスによってアフタ性口内炎が発症してしまうこともあるため、注意が必要です。
口内炎は、唇の裏側や頬の内側、下、歯茎などにできることが多く、できると痛みが生じ、食べ物がしみてしまいます。
口内炎の見た目は、白や黄色の潰瘍ができて、潰瘍の周囲が赤くなっていることが多いでしょう。
口内炎ができた場合、通常であれば1~2週間ほど経てば完治しますが、再発することもあるため安心できません。
アフタ性口内炎は、疲れやストレス、睡眠不足などによって免疫力が低下することが原因となって発症します。
また、食事の栄養バランスが偏ってビタミンBが不足してしまった場合も、口内炎ができやすくなります。
女性であれば、ホルモンバランスが乱れて体力を消耗することが多い、生理前や妊娠中に発症しやすくなるでしょう。
また、潰瘍性大腸炎やベーチェット病などの全身疾患が原因となって、口内炎ができてしまうこともあります。
口内炎を予防するには、ストレスをためず睡眠を十分にとって、栄養バランスが整った食事を摂った方がいいでしょう。
特に重要なビタミンBは、豆類やレバー、卵、乳製品、ウナギ、緑黄色野菜などに多く含まれています。
ビタミンBは、熱に弱いものの光で分解される水溶性ビタミンの一種です。
水や煮汁に溶け出しているため、煮汁も利用するとよいでしょう。
細菌が増える原因は?
口内炎を引き起こす細菌は虫歯になったときも増えますが、虫歯以外にも増える原因があります。
治療してから合わなくなってしまった詰め物、被せもの、義歯なども、細菌が増殖する原因となるのです。
合わなくなった詰め物、被せ物は、食事の際に頬の内側や舌を傷つけることがあるため、口内炎ができる原因になります。
差し歯の場合も、歯茎との間に隙間ができている場合は、歯科医院でできるだけ早く治療する必要があるでしょう。
細菌が増えるのは歯垢が主な原因で、詰め物や被せもの、義歯などが合わなくなったときは隙間ができ、中に歯垢が溜まりやすくなります。
異常が生じたときに早めに処置しなければ、大切な歯だけではなく、口内の粘膜にもダメージを与えてしまうのです。
タバコも口内炎の原因になり、口内の粘膜に白い斑点ができるニコチン性口内炎が起こってしまいます。
また、タバコは口内炎だけではなく、口腔がんや舌がんなどの原因にもなるため、注意が必要です。
「口内炎ができたと思ったらがんだった」というケースも起こりうるため、喫煙はやめることをおすすめします。
口内炎を予防するために
口内炎を予防するためにはしっかりとブラッシングをする必要がありますが、歯を擦っても黄色いねっとりした歯垢がついてこないようにしましょう。
歯垢は、虫歯や口内炎の原因となる細菌を増殖させる原因となるもので、歯茎に炎症や腫れが続いて起こっている場合は、磨き残しがあることを疑ってください。
歯垢は毎日少しずつ溜まっていき、雑菌が内部で増殖して口内炎が起こる原因となります。
歯を磨くときは、ヘッドがなるべく小さい歯ブラシを使用して、すみずみまでしっかりとブラッシングしましょう。
歯磨きの際は、歯と歯ぐきの間など普段見逃しがちな場所を丁寧に磨くのが、歯垢を溜めない基本のお手入れです。
口内炎が歯にダメージを与えることも
虫歯が口内炎の原因になることがあるのは既述したとおりですが、反対に口内炎が歯にダメージを与えることもあります。
口内炎ができると、歯磨きの際に触れてしまい痛みがあったり、歯磨き粉がしみたりすることがあるため、丁寧に磨けなくなることもあるでしょう。
歯磨きがおろそかになったり、しっかりうがいできなくなったりすると、口内環境は急速に悪化してしまいます。
口内環境が悪化して歯垢が増えると、細菌が増殖して歯にダメージを与え、さらに粘膜にダメージを与えるという悪循環に陥ってしまうのです。
ブラッシングが難しいときは、化粧用のコットンなどでやさしく拭い、刺激の弱いマウスウォッシュでうがいをして清潔な状態をキープしましょう。
また、無意識に頬の内側を噛んでしまい、傷ができて口内炎の原因になることもあります。
噛んで傷ができてしまったときは、口内を清潔に保つようにすることが口内炎を予防するのに最も効果的な方法です。
清潔さを保つためには、丁寧なうがいを何回も行い、細菌が増えないようにすることが重要なポイントです。
また、頬の内側を頻繁に噛んでしまうようなら、歯科医に相談しましょう。
歯の咬み合わせや義歯を調整することで、噛む頻度が少なくなることもあります。
口内を守るためには?
口内を守るためには、歯の治療やケアだけではなく、身体の内側からも口内炎の予防やケアをするとよいでしょう。
栄養バランスを考え、歯と粘膜を健康に保つ習慣を持つことが、口内炎を予防する決め手となります。
歯と歯茎だけではなく、口内の粘膜の健康を保つために役立つのは乳製品です。
牛乳やチーズ、ヨーグルトなどはカルシウムで歯を強くし、ビタミンBが含まれていることから口内炎を予防できます。
口は身体の入口であるため、歯や口内健康を健やかに保つことで、元気な身体を保つことができるのです。
口内のケアは、毎日こまめに続けることを習慣づけるのが重要です。
歯磨きは時間をかけて丁寧に行いましょう。
また、外出先から帰ったときはうがいをするなど、口内を清潔に保つための行動を習慣づけてください。
栄養バランスも考えて、将来的に健康な歯を保つことを心掛けていれば、口内炎の予防にもなります。
まとめ
歯に虫歯などのトラブルが起こっていると、口内の粘膜を傷つけて口内炎になる可能性が高くなります。
また、口内で細菌が増えた場合も、虫歯や歯周病だけではなく口内炎のリスクも高まるため、注意が必要です。
口内炎になると歯にダメージを与えることもあるなど、歯と口内炎には大きな関わりがあるため、口内炎と同時に虫歯も予防しましょう。
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