インプラント治療を受けるときは、どこか1本だけ治療するイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし、実はインプラントは部分入れ歯やブリッジと同じように、複数の歯が抜けている場合でも治療することが可能です。
複数の歯が失われた場合はどのように治療するのか、解説します。
2本の歯が失われている場合の治療
奥歯を1本だけ失った場合、インプラント治療が可能ですが、もしも、隣り合った2本の歯が両方抜けた場合にはどうなのでしょうか?
結論から言うと、もちろんインプラント治療は可能です。
奥歯が2本隣り合って失われた場合の治療法として、まずは人工歯をつなげた状態で作製する方法があります。
ブリッジのように歯がくっついた状態で作製し、装着することでお互いが支えになることができるのです。
インプラント体を両方の歯があった場所に埋入し、2本がくっついた状態の上部構造を装着することで、両方の歯を補うことができます。
なぜ連結させる必要があるのかというと、インプラントは縦方向の力には強いのですが、横向きにかかる力には弱いからです。
上部構造を連結させることで、横向きにかかる力に対する耐久力を向上させることができ、安定性が増すのです。
ただし、連なった上部構造が破損したときは両方治療する必要があるため、その点が気になる人もいるかもしれません。
連なっている状態が気になる場合には、それぞれ1本ずつ分けて治療を行うという方法もあるでしょう。
1本ずつの治療と同じように、失われた歯の代わりとなるよう1本ずつ装着していくことで、お互いに影響を受けなくなります。
2本連なった状態よりも感覚や機能が天然歯に近くなるのですが、連結されていないため横向きにかかる力にはあまり強くありません。
治療方法は、口腔内の状態や審美的な希望、予算などで異なりますが、最終的には希望した治療法が中心となるでしょう。
3本の歯が抜けたときはインプラント治療ができる?
前述したとおり、隣接した歯が2本とも主なわれた場合にはインプラント治療が可能ですが、失われた歯が3本の場合でも、もちろんできます。
3本の歯が抜けてしまったときの治療方法として、まずはつながった3本分の人工歯を2本のインプラント体で支えとする方法が挙げられます。
上部構造は3本分となりますが、支えとなる側は2本あれば十分に支えることが可能です。
ブリッジ治療に似ている点もありますが、ブリッジとは違い、健康な歯を削る必要がありません。
削られた歯はダメージを受けるため、削らずに治療できれば、健康な歯を守れます。
2本のインプラントでブリッジのようにする場合のメリットは、3本分の治療をインプラント2本でできるため、治療費が安くなり手術にかかる時間も短くなるという点です。
両端で3本分の歯を支えるため、安定し、体にかかる負担も少なくなるため、可能であれば選ぶことをおすすめします。
ただし、歯の位置や歯を支える顎の骨の状態などによっては、支えがない真ん中の歯が壊れてしまうことがあるかもしれません。
強く噛み締める癖がある場合には、2本だけでは十分に支えるのが難しいケースもあります。
かかる負担が大きい場合には、1本ずつ独立した状態になるように3本分の治療を行うことになるでしょう。
3本独立した状態でインプラント体を埋入した場合でも、上部構造は連結した状態になることがあります。
独立した状態で治療を行うことで、噛む力が分散されるため、壊れる可能性を低減できるのです。
2本のインプラントで3本分を支える場合には、ブリッジ治療よりも費用が高くなってしまうというデメリットもあります。
しかし、3本それぞれに独立したインプラントを使用する場合には、さらに治療費が高くなってしまうでしょう。
インプラント治療は保険が適用されない分、負担も大きくなってしまいますが、ブリッジ治療の場合は使用できる素材が限られます。
審美的にも、インプラントをブリッジ治療のようにして3本分の歯を支える方がブリッジ治療よりも優れているのです。
ただし、連結して作られた人工歯を装着することになるため、メンテナンスをする際は注意が必要となります。
連結している分、形状が複雑になるため、1本分のインプラントと同じようにメンテナンスをするだけでは虫歯や歯周病になるリスクが高くなるでしょう。
すべての歯をインプラントにできる?
全ての歯が失われている場合は総入れ歯を選ぶケースが多いのですが、すべての歯をインプラントにするという選択肢もあります。
歯が1本も残っていない状態でも治療は可能で、元々歯があった場所にそれぞれ埋入していくことになるでしょう。
しかし、1本ずつ埋入していくと時間も治療費もかかるため、数本で入れ歯を固定する方法がよく使われています。
顎に4本か6本だけ埋入し、土台として連結した義歯を固定することで、安定させるという方法です。
4か所ですべての歯の入れ歯を固定している場合には、オールオン4という治療方法になります。
入れ歯をしっかりと固定できるため、通常の入れ歯治療よりも噛む力が強くなるでしょう。
また、インプラントを通じて顎の骨に刺激が伝わるため、刺激を受けずに骨が痩せてしまうという事態も防ぐことができます。
ただし、1本も歯が残っていない状態での治療方法でえあるため、1本だけでも残っていればオールオン4での治療はできません。
インプラントオーバーデンチャーという、マグネットでインプラントと義歯を固定して脱着も可能な治療方法もあります。
土台によって固定されているため、違和感などは少なく、しっかりと噛むことができるのがメリットです。
インプラント治療は、奥歯を失ったときなどは非常に有効な治療方法で、強く噛むことができるようになります。
奥歯は食べ物を噛み砕いたりすりつぶしたりする役割があるため、なくなると残りの歯にかかる負担が大きくなってしまうでしょう。
その点、インプラント治療であれば、他の歯にかかる負担を軽減して全体的なバランスや噛む力も整えることができます。
奥歯は前歯の健康を守るためにも役立っていて、奥歯でしっかりと噛むことができなければ前歯にも負担がかかります。
インプラントは顎の骨に埋入してしっかりと固定されるため、周囲の組織を刺激して顎の骨が痩せてしまうのを防ぐことも可能です。
耐久性や機能性の高さに注目されて、奨励されることが多いインプラント治療は、失った歯の機能を補うだけではなく、口内全体の健康も守ってくれるでしょう。
インプラント治療は複数の歯が失われたときでも可能ですが、本数によって治療内容は異なります。
事前にどのような治療を行うことになるのか、費用はどのくらいかなどを歯科医と相談したうえで、治療を受けてください。
まとめ
インプラントは1本の歯に対する治療というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、複数の歯が隣り合って失われた場合でも治療できます。
2本の歯が失われた場合と3本の歯が失われた場合では、それぞれ治療方法に若干の差異があるでしょう。
全ての歯が失われた場合は、本ずつ治療していくこともできますが、4本のインプラントで入れ歯を固定するという方法などもあります。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。