口内が健康な状態であれば、歯は白く、歯茎はピンク色をしていてきちんと境目ができています。
しかし、中には歯と歯茎との境目が白くなるケースがありますが、なぜそのようなことが起こるのでしょうか?
歯と歯茎の境界が白くなる理由について、解説します。
歯と歯茎の境界が白くなるのはなぜ?
健康な口内は、歯が白く歯茎はピンク色というように、明確に色に違いがあります。
しかし、病気の兆候などにより、歯と歯茎との境界が白くなってしまうことがあるのです。
原因となる病気としてまず挙げられるのは、口内炎という粘膜に起こる炎症です。
睡眠不足やビタミン不足、ストレスなどで起こります。
口内炎になったところは表面がへこんで白くなります。
痛みがあったりしみたりすることもありますが、数日で完治することが多いでしょう。
口内が汚れていると虫歯の原因となる細菌が増えて虫歯になりますが、それだけでなく、口内の粘膜にもトラブルを発生させることがあります。
具体的には、虫歯により欠けた歯が粘膜に刺さるケースです。
虫歯になると、歯がもろくなって欠けることがありますが、欠けた歯は鋭くとがるため、口内の粘膜を傷つける原因になるのです。
こうしてできた粘膜の傷に細菌が感染すると、ウイルス性の口内炎になるリスクが高くなってしまいます。
ウイルス性口内炎はウイルスが原因で起こる口内炎のことで、ヘルペスウイルスが原因となるヘルペス性口内炎などが代表的です。
特に、乳幼児はウイルスに対する抵抗力が低いため、ウイルス性口内炎を発症するケースが珍しくありません。
ウイルス性口内炎は、歯茎や頬などの口内の粘膜以外にも、喉の近くや口の外側の唇など、さまざまな場所に症状が出てしまいます。
歯茎に症状が出た場合は、歯茎との境目の色が白くなることがあります。
そうではなく、腫れや強い痛み、発熱といった症状が起こることもあるため、異常が出たら、歯科医院をまずは受診してください。
ウイルス性口内炎は、原因となるウイルスに感染している人や、ウイルスが付着しているものに触れてしまい感染するのが原因となる口内炎です。
特に、感染している人やウイルスが付着しているものが粘膜と接触した際に、感染するリスクが最も高くなってしまいます。
なお、ウイルス性口内炎は、一度感染すると、完治した後でもウイルスや細菌が残っていて、免疫力が低下したときに再発するリスクも高くなる点に注意が必要です。
できるだけ感染しないに越したことはありません。
乳幼児は特に感染するリスクが高く、発症して治ったばかりの大人が近くにいて世話をしていると感染しやすくなってしまいます。
このように、口内炎によって、歯茎が白くなるケースはよくありますが、他にも原因となることがあるため、注意が必要です。
たとえば、歯茎にできる、フィステルという白いニキビのようなものが原因で歯茎が白くなることもあります。
できた場合は、歯周病や根尖性歯周炎のような細菌感染が疑われます。
フィステルは自然治癒することがほとんどありません。
初期の段階ではあまり痛みを感じませんが、症状が悪化するにつれて、痛みや腫れなどの症状が出てくるでしょう。
顎の骨が盛り上がる骨隆起も、歯茎が白くなる原因の1つです。
骨が歯茎の粘膜を押し上げることで内部が透けてしまい、白く見えることがあります。
骨隆起は特に、歯に大きな負荷をかけることが多い人に発症することが多いのですが、日常生活を送るうえで問題がなければ、治療は必要ないでしょう。
ただし、隆起の状態によっては食事や会話にも悪影響を及ぼすことがあるため、支障があるようなら、外科手術で切除することになるかもしれません。
口内に真菌のカンジダ菌が過剰に増えて起こる口腔カンジダ症という感染症も、歯と歯茎の境界を白くする原因の1つです。
カンジダ菌は健康な状態でも体内に存在していますが、免疫力が低下したり体調が悪くなったりすると、異常なほど増えてしまうことがあります。
その結果、口内に白い苔のような膜ができてしまい、歯茎も白くなってしまうのです。
なお、この苔のような膜を無理にはがそうとすると出血してしまうこともあります。
そのため、できるだけはがさず、治療することが大切です。
口内の粘膜に白い膜や斑点ができることで、粘膜が角化して厚くなってしまう白板症という病気も、歯と歯茎の境界が白くなる原因となります。
白くなったところはこすってもはがれません。
初期の段階では自覚症状がないケースも多いのですが、稀にがんとなることもあるため、注意が必要な病気といえるでしょう。
口腔がんの一種である歯肉がんになったときも、歯茎の粘膜が白くなってしまうことがありますが、初期では自覚症状がなく痛みなどもありません。
口内に白いできものができたりしこりがあったりして、だんだんと大きくなっていく場合は、がんの可能性があるでしょう。
歯と歯茎の境界が白いときの対処法
歯と歯茎の境界が白くなっている場合は、放置せずにきちんと対処しなければなりません。
具体的にはどのような対処法があるのかを解説します。
既述したとおり、歯と歯茎の境界が白い場合、細菌が原因となるケースがあります。
そのため、細菌感染を防ぐためにも、正しい口腔ケアの方法を知り、毎日徹底して行うべきです。
歯ブラシで歯を磨くだけでは、細菌感染対策としては不十分といえます。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用して歯の間の汚れを落とし、うがい薬などで殺菌して清潔に保ちましょう。
また、免疫力が低下した状態では口内炎やカンジダ症になる可能性が高くなるため、適度に運動し、栄養バランスにも気を遣った方がよいでしょう。
睡眠不足も原因の1つとなるため、規則正しい生活を送ることも、歯と歯茎の境界が白くなることの予防になります。
ちなみに、歯と歯茎の境界が白くなったとしても、数日で消えることもあります。
そのため、歯科医院を必ず受診しなくてはならないわけではありません。
しかし、すぐに受けた方が良いケースもあるため、放置は禁物です。
例えば、白くなっている部分が痛むケースや、白いところを押したときに膿や液体が出てくるケースは、すぐに受診することをおすすめします。
さらに、白くなってから2週間以上過ぎても消えず、自然に治る様子がみえないケースや、白くなっている場所が他にもある場合も、すぐに受診してください。
過去に口腔がんや免疫疾患などの診断を受けたことがあるという場合も、重症化する可能性が高いため早めに受診しましょう。
歯と歯茎の境界が白くなったとしても、過度に焦る必要はありません。
しかし、一部の特徴にあてはまる場合には、できるだけ早く歯科医院で相談した方がよいのです。
早めに対処することで、早期に完治することが多いため、重症化する前にきちんと対処してください。
「歯茎が白くなっているくらい、大したことではない」と考えず、歯科医院に行き、「異常が起きている」と相談し、診察してもらいましょう。
まとめ
歯と歯茎の境界部分が白くなっているときは、一時的なものである可能性もある一方、何らかの病気の予兆ということもあるため、軽視しないようにしなければなりません。
口腔内のさまざまな病気によって、歯茎が白くなることがありますが、数日で治るケースもよくあります。
そのため、単に白くなっただけで、焦って歯科医院を受診する必要はありません。
しかし、いくつかの特徴にあてはまる場合は完治しづらく重症化する可能性が高いため、なるべく早く歯科医院を受診した方がよいでしょう。
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