歯列矯正をする際、抜歯が必要になるケースは少なくありません。
そうなると歯の本数が少なくなってしまうことから、矯正治療に抵抗を覚える人もいるでしょう。
しかし、噛み合わせが改善されることで残った歯の寿命が延びることもあります。
歯列矯正で抜歯をした場合の老後への影響について、解説します。
歯列矯正で、老後の歯の健康が守られる
皆さんは、「8020運動」というものを聞いたことがあるでしょうか？
これは、厚生労働省と日本歯科医師会が協力して行っている運動で、80歳を過ぎても20本以上の歯が残ことを目指そうというものです。
20本以上というのは、ある程度固いものを不自由なく食べられる目安となる歯の本数の目安です。
その本数を満たしていれば、外食も問題なく、旅行なども気兼ねなく行くことができ、活発な生活を送っていくことができます。
実は、老後の悩みとして歯に関する問題を挙げる人は多いのです。
特に、現代の日本は高齢化社会となっているため、なるべく多くの歯を健康なまま残しておくことは非常に重要な問題といえます。
しかし、歯列矯正を行う際は抜歯を伴うことも少なくありません。
抜歯をした場合は、歯の本数が確実に減ってしまいます。
その点に不安を抱く人は、少なくありません。
歯を抜いてしまっては、老後に残る歯が少なくなってしまうと不安になるのは当然です。
しかし、実は、歯並びを矯正するために抜歯の必要があるようなら、抜歯してでも歯列を矯正してしまった方が、老後まで健康な歯をより多く残すことができると言われているのです。
80歳で20本の歯を残すことができている人には、歯並びが整っていて噛み合わせもしっかりしている人が多くいます。
健康な歯をより多く残したいのであれば、必要なら抜歯をしてでも歯並びを綺麗にしておくべきなのです。
歯並びや噛み合わせが悪いと、口元に限らず全身に悪影響が及んでしまいます。
近年は、60歳以上でも矯正治療を受けるケースが増えているのですが、それには多くのメリットがあると言われています。
矯正治療を受けることで歯並びが整い、見た目も綺麗になるのはもちろんですが、それだけではなく、虫歯や歯周病の予防にもなり、食べ物もよく噛めるようになるため胃腸にかかる負担も少なくなります。
また、歯の隙間から空気が漏れなくなるため発音が良くなり、顎関節症の予防にも役立ちます。
しっかりと歯を食いしばることができるため、運動能力や体のバランスも改善されるというメリットもあります。
抜歯が必要な歯並びとは？
歯並びがよく、しっかりと噛むことができれば、脳への刺激にもなり、認知症を予防することができます。
特に、高齢になると口内の状態は変化していくため、口腔内のケアが大切になるのです。
歯並びがバラバラの状態では、口の中の細部までしっかりとケアをすることができません。
歯列矯正をしていれば歯並びが綺麗に整っているため、しっかりとケアをして口内の環境を守ることができるのです。
抜歯が必要になる歯並びというのは、顎のスペースが少なく歯が押し合うようにして並んでいる状態です。
この状態では、お互いの歯が邪魔をして歯が前後に移動したり、歯に痛みが生じたりすることもあります。
その状態を改善するには、抜歯をして歯が綺麗に並ぶスペースを確保した方がいいのです。
抜歯をしてから歯列矯正をすることで、無理なく綺麗に歯を並べることができ、後から元の位置に戻ってしまう、ということも起こりにくくなります。
抜歯が嫌でそのまま歯並びを整えようとした場合は、歯が土台から外れてしまうことがあり、それが原因で、歯茎が下がってしまうこともあるのです。
また、スペースが足りず並びきれない歯があった場合は、それが前に押し出されてしまうこともあります。
スペースが足りないせいで奥歯まで押してしまい、ズレていくと、噛み合わせにも悪影響が出て健康状態も悪化するかもしれません。
抜歯は痛みを伴うため、多くの人が不安を感じます。
しかし、歯列矯正をするためには必要な処置なのです。
その結果、キレイな歯並びになれば抜歯をした分のメリットもあるでしょう。
老後の健康を守るために、歯並びを整えておく事は非常に重要なのです。
そのためなら、一部の歯を抜くのは必要な犠牲とも言えるでしょう。
歯並びを整えることと、歯を抜かないことのどちらが大切なのか、よく考えてみてください。
まとめ
歯並びが乱れている場合、それを綺麗に矯正するためには歯を抜かなくてはならないケースがあります。
なるべくなら歯を抜きたくはないというのは当然の考えですが、歯並びを綺麗に整えるためであれば、それも仕方がないことといえます。
抜かないとスペースが足りないようなら、無理に矯正してもいずれまたズレてしまうのです。
抜きたくないという方も、どうするのが一番いい方法なのか、歯科医に一度は相談してみましょう。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。