歯列矯正の治療には、長い期間がかかります。
年単位でかかるのですが、治療中は装置をつけていなくてはならないため、なるべくならその期間を短くして装置を早く外したいと考える人も多いでしょう。
どうすれば、治療期間を短くしたり矯正の効果を高めたりすることができるのか、解説します。
矯正治療の期間を早める方法
歯列矯正の治療期間を一般的な期間より早める方法は、いくつかあります。
しかし、先進的な矯正方法などは扱っていない歯科医院も多いので注意してください。
ここで紹介するのは、一般的に扱われている方法です。
まず、全体を矯正するのではなく、必要な箇所だけを矯正する部分矯正という方法があります。
問題があるのは前歯だけで、奥歯のかみ合わせは特に問題がないという状態や、奥歯の1本だけが倒れてしまっている状態、一部に隙間がある状態などでは、この方法を選択することで治療期間を短くすることができます。
部分矯正の場合、ワイヤーブラケットの矯正装置を装着する方法や、マウスピースを矯正装置として歯列矯正を行う方法などがあります。
矯正する範囲によって治療期間は異なりますが、目安はおおよそ半年から1年ほどとなります。
不正咬合の場合、その原因の多くは顎が小さいことで歯が生えそろうスペースが足りなくなってしまっていることにあります。
その状態で歯列矯正を行うには、全体的に歯列を大きく移動させる必要があるため、治療期間も長くなってしまいます。
その期間を早めるために、抜歯によってスペースを確保するという方法があります。
そうすることで、前後ではなく横に移動するスペースができるため、歯を移動させる範囲が小さくなり、治療期間を短くすることができるのです。
従来のワイヤーブラケットは、ブラケットにワイヤーを固定して歯を動かすというものです。
しかし、ブラケットにワイヤーを固定せずに動かすことができるようにする、セルフライゲーションブラケットという方法もあります。
この方法では、歯にかかる力は従来の方法の数百分の1です。
その弱い力を断続的に欠けることで、歯の組織を圧迫せずに歯を効果的に動かすことができるのです。
セルフライゲーションブラケットの場合、治療期間が長くなりそうに思えるかもしれませんが、実は早めることができます。
その上、痛みが少なくて済むため、近年注目されている方法なのです。
状況に応じて適宜ブラケット矯正とマウスピース矯正を切り替える、ハイブリッド矯正という方法もあります。
まずは大まかにブラケット矯正で歯列を整え、そこからマウスピース矯正で仕上げをするのです。
この方法は、全体的な矯正治療の期間を早めることはできません。
しかし、ブラケットの装着期間は短くできます。
ワイヤーブラケットが煩わしいという人には、向いているでしょう。
自分でできる矯正期間の短縮方法
歯医者に頼んで、矯正にかかる期間をなるべく短縮してもらうこともできるでしょう。
しかし、自分で短縮するように気を付けることで、さらに効率よく短縮できます。
まずは、日ごろから歯磨きなどのお手入れを欠かさず行いましょう。
矯正治療中に虫歯や歯周病などになってしまうと、そちらを治療するために、矯正治療が中断してしまいます。
その分、矯正治療が完了するまでの期間が長引いてしまいますので、歯磨きはきちんと行い、できるだけ健康な状態の歯を維持することが大切です。
また、歯並びは、日頃の癖によって悪くなります。
うつ伏せ寝や唇、爪を噛む癖、頬杖などは歯並びに悪影響があるので、このような癖を改善することで矯正治療の効果も高まります。
特に気を付けたいのが、舌の癖です。
舌で前歯を押してしまう癖がある人は少なくないのですが、そのせいで出っ歯になることもあるのです。
舌の動きを改善するには、まず何もしていない時の位置を意識してみましょう。
正しい場所は、前歯の根元のやや後ろ部分にした先が触れるのです。
前歯に当たることが多いという人は、少し後ろに固定できるよう意識してみてください。
正しい位置に舌を納めるために、ボスチャーというトレーニング方法があります。
また、舌の筋肉の使い方が悪いという可能性もあるので、それを改善するトレーニングなども試してみましょう。
このような点に日ごろから気を付けることで、矯正治療にかかる期間を早めることができます。
なるべく早く矯正を終わらせたいという人は、できるだけ気を付けて過ごしましょう。
まとめ
歯列矯正は、治療を終えるまで数年かかることも珍しくありません。
治療が完了するまで、矯正装置を装着しなければなりませんが、装着した状態では落ち着かないので、なるべく早く治療を終えたいという人は多いでしょう。
そのためには、治療期間が短くなる方法を選び、そのうえで期間を早めるために自分でできることをしっかりと行う必要があります。
特に舌の位置はこの機会に確かめて、もしも正しい位置にないようなら、それを治すためのトレーニングを行いましょう。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。