歯を失ってしまった場合の治療方法はいくつかありますが、その中でも選択されることが多い治療方法が入れ歯とインプラントです。
特に、すべての歯を失った場合は総入れ歯かインプラントでの治療となるのですが、どちらがいいか悩む人も多いでしょう。
総入れ歯とインプラントを比較した場合の違いについて、解説します。
総入れ歯とインプラントの違い
一部の歯が失われた場合は、インプラントやブリッジ、部分入れ歯などの治療方法があります。
また、歯根が残っている場合は状態によって差し歯での治療も可能です。
しかし、歯がすべて失われてしまった場合の選択肢は、総入れ歯かインプラントに限られます。
その場合、どちらを選ぶべきなのでしょうか？
総入れ歯というのは、上下のすべての歯がセットになっている入れ歯であり、歯と歯茎、口内の粘膜に接する部分まで一緒になっています。
制作する際は口内の型を取って、それぞれの口に合うように作成します。
総入れ歯の種類としては、歯茎の素材をレジンというプラスチックにしたものや、粘膜と接する部分を金属製にして温度が伝わりやすいようにしたものなどがあります。
総入れ歯は基本的に保険診療ですが、素材などによっては自由診療となってしまいます。
インプラント治療は、歯が失われた場所の歯茎を切開して骨に金属製のインプラント体という歯根を埋入し、そこに上部構造やクラウンという人工歯を被せるというものです。
しっかりと固定されていて取り外しはできないものの、天然歯に近い感覚で噛むことができます。
そのため、食事なども歯を失う前と変わらない感覚で楽しむことができます。
しかし、埋入するために十分な顎の骨がない場合や骨粗しょう症、糖尿病などの疾患がある場合などは、インプラント治療ができないこともあります。
インプラント治療は保険が適用されない自由診療となっているため、費用はかなり高くなります。
費用面で比較すると、どのくらい違うのでしょうか？
入れ歯の場合は、保険が適用されるものと自由診療のものがあるのですが、例えば粘膜にあたる部分をチタン製にしたものであれば保険が適用され、3割負担の場合、片顎分で1.2～1.5万円ほどです。
自費診療の場合は素材によって価格も大きく異なり、チタンなら30～40万円、ゴールドなら50～70万円ほどで、コバルトであれば18～22万円ほどです。
また、歯科医院によっても設定されている金額は異なります。
一方、インプラントの場合は歯1本分につき20万円から60万円ほどが相場です。
インプラント治療では精密検査が必要で、外科手術も行われます。
精密なインプラントを装着するため、どうしても費用は高くなるのです。
そのため、歯をすべて失った最、全部の歯をインプラントにすると、数百万円から1千万円以上もかかることになります。
これができるのは、ごく一部の人だけでしょう。
インプラントと総入れ歯の両方を選ぶ
インプラント治療か総入れ歯か、どちらかを選ぶのが難しい場合は、両方を選ぶという方法もあります。
そのための治療方法は、インプラントオーバーデンチャーとオールオン4という2つの方法があります。
インプラントオーバーデンチャーは、2本から6本のインプラント体を埋入し、そのインプラントで総入れ歯を固定するという治療方法です。
インプラント体には人工歯ではなくアタッチメントを装着し、入れ歯部分と噛み合って固定されるようになっています。
総入れ歯と同じく着脱可能になっていて、寝る時などは外しておくことができます。
入れ歯よりも外れにくく、食べ物を噛みやすいのもメリットです。
ただし、入れ歯の装着に伴う違和感があります。
また、人工歯根を埋め込むための外科的手術が必要になります。
また、インプラントの場合は噛む力が天然歯の80％以上と言われていますが、インプラントオーバーデンチャーの場合、入れ歯よりは強い力で噛めるものの、それでも天然歯の60％ほどにしか回復しません。
個人差はありますが、完成までに時間がかかる点にも注意しましょう。
オールオン4は、12本分の歯と歯肉を4本のインプラントで固定するという治療方法で、一度固定すると取り外しはできません。
手術までは仮歯が入り、3カ月から半年ほどの間は本歯が入るまでのトレーニング期間となります。
オールオン4に必要なインプラントの本数は、上顎と下顎それぞれに4本ずつです。
また、装着される人工歯はブリッジといって口蓋部は覆わない形状となっており、インプラントオーバーデンチャーよりも小ぶりであまり違和感がないという人も多いのが特徴です。
噛む力も強く、天然歯に近いといわれています。
まとめ
歯をすべて失ってしまうと、生活をするうえでも不便なので治療をする必要があります。
総入れ歯には不便な点も多く、インプラントにしたいと考える方は多いのですが、インプラント治療には時間がかかり費用も高額となります。
そのため、双方の利点を兼ね備えているインプラントオーバーデンチャーやオールオン4などの治療がおすすめです。
それぞれのメリットやデメリットを把握した上で、治療方法を選択してください。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。