歯には、毎日丁寧に磨いていても着色汚れがついたり黄ばんだりしてしまいます。
しかし、中にはそういった汚れとは別に、縞模様や灰色に着色されてしまうことがあるのです。
このような歯は、テトラサイクリン歯と呼ばれています。
こういった状態になった時、ホワイトニングを行うメリットについて解説します。
テトラサイクリン歯はどのような状態？
テトラサイクリンというのは、かつて風邪薬のシロップなどに使用されていた、テトラサイクリン系抗生物質全般のことです。
これには様々な種類の菌を抑制する働きがあるため、昔は使われることが多かったのです。
しかし、歯に対して副作用があるということが1962年に初めて報告されたことで、その使用には制限がかかるようになりました。
その副作用というのが、歯を変色させてしまう働きがあるということだったのです。
抗生物質によって変色した歯のことを、テトラサイクリン歯といいます。
そのため、現在でもニキビや肺炎の治療には使用されているものの、やむを得ない場合を除いては、妊婦や12歳以下の子どもへの処方はされないようになりました。
近年、テトラサイクリン系の抗生物質がやむを得ない事情によって使用された例が、2012年から2013年にかけてマイコプラズマ肺炎が流行した時でした。
なお、歯が生えそろってから服用した場合には、特に影響がないということも分かっています。
なぜ歯が変色するのかというと、その原因となるのはテトラサイクリンに含まれている蛍光粒子です。
歯がまだ生え終わっていない0歳から12歳の間に体内へと取り込まれてしまうと、歯の中にもそれが取り込まれ、象牙質や骨が変色してしまいます。
最初のうちは目立たなくても、紫外線に反応することで変色してしまうため、後から気になってしまうこともあるでしょう。
唇に遮られているところには紫外線が届きません。
一方で、紫外線に当たった場所は変色の度合いが強くなるため、唇によって隠れているところとそうではない所で色が層になってしまいます。
そのせいで、テトラサイクリン歯は縞模様になっていくのです。
唇から出やすい歯の先端部分ほど色が濃くなりやすく、隠れていることが多い根元部分の方は色が薄くなる傾向があります。
特に変色しやすいのは、外から見えやすい前歯部分です。
服用した抗生物質によって、着色される色にも違いがあります。
変色が少ないものもあれば、黄色や茶色がかった黄色、灰色がかった茶色、青みがかった灰色などがあるのです。
また、服用した年齢によって前歯の変色箇所に違いが生じることもあり、3歳を境にしてその前では先端部、その後は根本側が変色しやすい傾向にあります。
そのため、変色した箇所によって服用した年齢も推測できるのです。
ホワイトニングの効果は？
テトラサイクリン歯に悩む人の多くは、ホワイトニングを検討するでしょう。
しかし、ホワイトニングによってどのくらい歯が白くなるのかは、変色の段階によって異なります。
変色には段階があり、全く影響が見られない第0度から軽度の第1度、中程度の第2度、重度の第3度とかなり重度の第4度に分けられます。
第4度になると、ホワイトニングでは歯を白くするのがかなり難しい状態です。
第1度は歯に縞模様がなく全体的に黄色や灰色になっている状態で、この段階であればホワイトニングで十分に白い歯を取り戻すことが可能です。
歯科医院で受けるホワイトニング以外に、自宅で行うホームホワイトニングでも効果があるでしょう。
歯が茶色くなってきたり灰色が濃くなったりすると第2度になり、この状態ではホワイトニングで歯が白くなるというよりも、色が薄くなっていくという状態になります。
また、黄色で縞模様があると縞部分の色が落ちにくいため、目立ってしまいます。
それでも、長期間ホワイトニングを続けていくことで色はかなり薄くなり、元々の歯とそれほど違いがない状態まで落とすことができます。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用することで、より白くなりやすいでしょう。
第3度の場合は縞模様がはっきりとした状態となり、ホワイトニングを受けたとしても特に色が濃い部分が多少薄くなる程度で、全体を均一に白くすることが難しくなってしまいます。
こうなった場合は、オフィスホワイトニングで強力に歯の色を落として白くするよりも、ホームホワイトニングによって時間をかけてじっくりと歯の色を分解していく方が、より白くなりやすいでしょう。
第4度は変色が強く、ホワイトニングで白くすることが難しい状態なので、色を分解するのではなく、ラミネートベニヤやマニキュア、もしくは被せものによって白い歯にしていくということを考えた方が良いでしょう。
まとめ
テトラサイクリン歯は色が濃くなると対処が難しくなってしまい、ホワイトニングでもきれいに白くすることができなくなっていくため、なるべく早い段階で対処をした方が良いでしょう。
できるだけ第1度の色が薄い状態でホワイトニングを受け、しっかりと歯を白くすることを考えてください。
歯の色が気になったら、歯科医院で相談してみることをおすすめします。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。