矯正治療は子どものうちから始める人が多いのですが、大人になってから始める人もいます。
大人になってから矯正治療を行う場合、治療が完了するまでの期間が気になる人も多いでしょう。
大人の矯正治療は、どのくらいの期間がかかるのでしょうか？
また、時間がかかるのはなぜでしょうか？
大人が矯正治療をする場合にかかる期間は？
矯正治療は、子どものうちに受けた方が効果は出やすいと言われていますが、大人になってから治療をしても問題はありません。
しかし、子どもの時よりも時間がかかることが多いでしょう。
大人になってから矯正治療をする場合にかかる期間は、およそ1年半から2年が目安です。
正確な期間は、歯並びの状態や治療方法によって異なります。
矯正治療には、前歯の歯並びだけを矯正する部分矯正という治療もあります。
前歯だけを対象とするなら、歯を移動させる距離も短いため、治療にかかる期間も半年から１年ほどと短くなります。
ただし、部分矯正は歯列矯正を受けるすべての人に適用できるわけではありません。
前歯だけ矯正しても、全体の歯並びの矯正ができるわけではないからです。
適用できるのは、噛み合わせの問題がなく症状が軽い場合に限られます。
部分矯正にかかる期間は、歯の傾きやねじれの状態によって異なります。
前歯だけの矯正となるため、矯正装置は舌側矯正や表側矯正、マウスピース型矯正などから選ぶことができます。
舌側矯正は、表側矯正と比べて時間がかかるといわれていますが、実は現在ではほとんど違いはありません。
治療の進め方や矯正装置の進化などが進んだことで、差がなくなったのです。
特に、セルフライゲーションブラケットが登場したことで、治療期間は一気に近づきました。
舌側矯正の場合、前歯を引き下げる（引き込む）ことが得意なので、出っ歯などを治療する際は早い段階で効果が出てきます。
マウスピース矯正は、同じ症状の場合には、ワイヤーブラケットなどのワイヤー矯正と比べて治療に時間がかかります。
早く矯正治療を終えたいのであれば、ワイヤー矯正の方がいいでしょう。
マウスピース矯正のメリットは、金属のブラケットやワイヤーを装着する必要がなく、自分で矯正装置を取り外すことができるという点です。
治療期間を短くするよりも、矯正治療の期間をなるべく快適に過ごすことを重視する人に向いています。
ただし、注意したいのは、症状によっては舌側矯正でなければ対応できないものもある点です。
また、マウスピース矯正で対応できたとしても、治療に時間がかかるかもしれないということにも注意する必要があります。
きちんと自分の希望を伝えて、治療方法を決定しましょう。
なぜ時間がかかるのか
矯正治療は、前歯だけが対象となる部分矯正でも半年以上、全体の歯列矯正には年単位で時間がかかります。
なぜ、矯正治療には時間がかかるのでしょうか？
矯正治療は、矯正装置で歯に圧力をかけて、正しい位置へと動かしていく仕組みになっています。
しかし、あまりに強い圧力をかけると、歯が折れてしまうかもしれません。
歯は、歯槽骨に埋まっています。
少しずつ圧力をかけ、歯槽骨を変化させつつ動かしていかなければならないのです。
歯槽骨が変化した結果、歯の位置も動きます。
骨は骨代謝といって、一定期間で新しい骨へと置き換えられていくため、骨代謝に合わせて歯の場所も動いていくのです。
矯正治療によって一定の圧力かかることで、骨代謝が人為的に起こります。
一般的な矯正装置は、歯に装着します。
しかし、動かしたい歯に引っ張る力がかかると、奥歯にも力がかかります。
双方の力が引っ張り合ってしまい、前歯を下げるはずが奥歯が前に出てきた、ということもあり得るのです。
舌側矯正では、歯の裏側に装置を着けることで引っ張り合いを避けられるようになりました。
また、歯槽骨に歯科矯正用アンカースクリューを埋入して固定し、歯を引っ張るとしっかり動かすことができるため、矯正治療の期間短縮にも寄与します。
矯正治療を終えた後は、歯が元の位置に戻ろうとします。
後戻りという現象ですが、防ぐためにはリテーナーという保定装置を一定期間着けて、後戻りを防がなくてはいけません。
保定装置を装着する期間は、矯正治療を行った期間より半年ほど長い期間が理想的です。
矯正治療を１年半で終えた場合には、２年間保定装置を装着することになります。
基本的にマウスピース型なので、きちんと定められた期間、毎日一定時間装着しましょう。
リテーナーは矯正装置とは違い、歯を動かす力はありません。
痛みもなく、終日装着している必要もないのです。
矯正治療を無駄にしないためにも、きちんと装着しましょう。
まとめ
大人になってから歯列矯正を行うと、矯正治療にかかる期間は１年半から２年ほど、前歯だけを矯正する部分矯正でも半年から１年ほどかかります。
また、矯正治療に用いる矯正装置にはいくつかの種類があり、現在はマウスピース型が人気です。
舌側矯正は時間がかかると以前は言われていたものの、現在は表側矯正とほとんど変わりません。
歯列に合わせて、適切な治療方法を選択しましょう。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。