歯並びが乱れていたり、噛み合わせがずれたりしている状態を、不正咬合といいます。
不正咬合にはいくつかの種類があり、中にはあまりなじみがないものもあります。
オープンバイトという不正咬合も、あまりなじみがない人が多いのではないでしょうか？
オープンバイトがどのような不正咬合であるのか解説します。
オープンバイトとは？
オープンバイトとは、開咬とも呼ばれる不正咬合です。
奥歯をしっかり噛み合わせた時、上下の前歯が噛み合わずしっかりとくっつかない状態をいいます。
奥歯が噛み合っていても前歯に隙間ができてしまうため、上手く噛み切ることができません。
隙間が小さければある程度噛み切れますが、重度の場合は食べ物を大きい状態で飲み込むこととなり、胃腸にかかる負担が大きくなります。
口が常に空いていることとなるため、無意識に口呼吸をすることも多くなり、口内が乾燥しやすくなります。
口内の乾燥は唾液の分泌を妨げ、口内の菌を繁殖させる原因となってしまいます。
また、歯の隙間から息が漏れ出ることが多くなるため、一部の音を発音しづらくなってしまうでしょう。
滑舌にも悪影響があるので、注意が必要です。
オープンバイトは、基本的に前歯で起こる不正咬合ですが、ごくまれに奥歯でも同様の不正咬合が起こることがあります。
奥歯に発生した場合は、見た目ではわかりにくいものの食事に大きな影響があります。
オープンバイトの原因として、口呼吸が挙げられます。
オープンバイト自体も口呼吸の原因になりますが、口呼吸もオープンバイトの原因になるのです。
小さい頃から指しゃぶりの癖があったり、舌を歯の隙間から出す癖があったりすると歯の位置がずれてしまい、オープンバイトの原因になることがあります。
舌で歯を押すと、歯が徐々にずれていってしまうのです。
また、遺伝が原因のケースもあります。
骨格的に、下顎の成長方向が通常と異なる場合などは、オープンバイトになることが多いのです。
以前は問題なく前歯で噛むことができていたのに、顎関節頭が変形して下顎枝が短くなったことで、オープンバイトになるケースもあります。
下顎枝が短くなるのは、10代後半から20代の女性によく見られます。
また、舌の筋力不足などで正しい飲み込み方を覚えられなかったケースや、歯と顎の大きさが合わず、歯が顎にきちんと収まらなかった場合なども、オープンバイトになってしまうことがあります。
オープンバイトの治療方法
オープンバイトは、歯列矯正で治すことができます。
しかし、中には歯列矯正をせずに放置している人もいるでしょう。
オープンバイトを放置していると、どのようなリスクがあるのでしょうか？
不正咬合は、どんな症状でも放置しているとリスクがあるのですが、オープンバイトは不正咬合の中でも放置していると歯を失うリスクが高いものです。
なぜなら、歯の噛み合わせがずれているために、特定の歯に負担がかかりやすくなるからです。
同じ歯に長期間負担がかかり続けると、歯が劣化しやすくなります。
気が付いたときには、治療ができないほどボロボロになってしまう恐れもあります。
歯が劣化する前に、対策をして健康な歯を保ちましょう。
オープンバイトは、早急に治療が必要な不正咬合です。
放置していると胃腸に大きな負担がかかり、歯を失う可能性も高くなるため、なるべく早く矯正治療を受けることをおすすめします。
オープンバイトの矯正方法は、歯の状態によって異なります。
歯が傾いているためオープンバイトになっている場合には、マルチブラケット装置によるワイヤー矯正で治療することが多いでしょう。
マルチブラケット装置を装着していると目立つから嫌だという人も多いのですが、目立たないようにしたい場合は、セラミックブラケットなどを用いることも可能です。
また、歯の裏側に装着するリンガルブラケットで治療できるケースもあります。
インビザラインなどの、マウスピース型矯正装置で対応可能なケースもあるでしょう。
インビザラインは、透明なプラスチックでできているため見えにくく、食事や歯磨きのときは自分で外すことができます。
骨格が主な原因であれば、矯正治療で歯を動かすのではなく、顎変形症の治療をすることもあります。
顎変形症は保険診療に含まれ、手術を行って骨格を改善し、オープンバイトを治します。
オープンバイトを自力で治そうと試みる人もいるのですが、危険なので避けた方がいいでしょう。
自力で治そうとした場合は、歯や歯茎が損傷したり、顎関節症が悪化したりすることがあるため注意が必要です。
まとめ
歯の位置などが正常ではないせいで、噛み合わせが悪くなったり歯並びが乱れたりしている状態が不正咬合ですが、その中でも珍しいのがオープンバイトです。
オープンバイトは、奥歯を咬み合わせた時、上下の前歯の間に隙間ができている状態であり、放っておくと特定の歯に負担がかかって歯を失うこともあります。
オープンバイトは、歯列矯正や顎変形症の治療を受けることで改善できます。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。