セレック治療という歯科治療が、近年急速に普及しつつあります。
「名前だけなら聞いたことがある」という人もいるかもしれませんが、具体的な治療内容まで知っている人はあまりいないのではないでしょうか。
セレック治療とは、どのような治療なのでしょうか？
セレック治療の内容と特徴について、解説します。
セレック治療とは？
歯科治療で、近年特に人気なのがセレック治療です。
しかし、セレック治療という名前を知っていても、治療内容を知らない人もいるでしょう。
また、セレック治療という名称自体が初耳で、どういう治療なのか知らない人もいると思います。
セレック治療は、虫歯の治療等で削られた歯に被せものなどの補綴物を被せる治療で、セラミック治療法の一種です。
しかし、通常のセラミック治療法とは大きく異なる点があります。
セラミック治療の場合、歯を削った後で型を取り、いったん仮歯を入れておいて補綴物を作成し、後日装着します。
通常は、1～2週間後に仮歯と交換します。
一方、セレック治療は3D光学カメラで歯をスキャンしたら、歯科医院内で最短当日中に作成が可能です。
なぜ、短時間で作成できるのでしょうか？
従来のセラミック補綴物は、歯型を基にして歯科技工士が作成していました。
セラミックの粉を歯形に合わせて形成し、焼成していたのです。
そのため、製作には手間がかかり、簡単にはできませんでした。
しかし、セレック治療の場合はスキャンしたデータをパソコンに取り込み、パソコン上で補綴物の形状を決定します。
そして、セラミックブロックをデザインに合わせて自動切削機で削り出し、補綴物を精密に製作するのです。
機械がセラミックブロックを自動で削り出してくれるため、従来の補綴物よりも高い精度で製作できるうえ、制作に必要な時間も短縮されています。
セレック（CEREC）とは、「CERAMIC RECONSTRUCTION」を略したものです。
日本語にするとセラミック修復という意味になり、コンピュータ制御で歯を修復するための補綴物を作成するCAD/CAMシステムの1つです。
かつて銀歯を被せた人が、白い歯にしたいと考えて治療を受けるケースも増えています。
セラミック治療と同じく金属を使用しない補綴物なので、金属アレルギーの方でも安心して治療を受けられます。
天然歯に近い色調なので、審美性に優れている点もメリットです。
一般的な補綴物との違い
セレックは、一般的な金銀パラジウム合金製の金属の被せものである銀歯と比べて、どのような違いがあるのでしょうか？
特徴を比較して、違いを解説します。
治療期間について比較すると、セレック治療の場合は最短で1回通院するだけで、治療を終えられます。
当日中にできない場合でも、数日中には治療を終えられるでしょう。
一方、銀歯の場合は最初に歯形を取り、歯科技工士に被せものや詰めものを製作してもらわなければなりません。
最短でも数日、長ければ1～2週間ほどかかり、最低でも2回は通院する必要があります。
料金面では、保険が適用される銀歯に軍配が上がります。
保険診療で作成できる銀歯は、自己負担額が1割から3割なので、治療費はかなり抑えられるでしょう。
セレック治療は保険が適用されないため、治療費は10割負担です。
しかし、歯科技工士に製作を依頼する必要がない分費用が抑えられるため、セラミック治療より安く治療できます。
審美性では、セレック治療の方が優勢です。
セラミックで出来た補綴物は天然歯に近い自然な色になるため、天然歯と比較した時に違いが分からないでしょう。
銀歯の場合は、口の中に金属があるということが一目でわかるので、審美性に優れているとは言えません。
また、装着してからしばらくたつと黒く変色することもあります。
補綴物をセラミックにすると、虫歯が再発しにくいという特徴があります。
セレック治療も同様で、被せものが変形しないので歯の間に隙間ができにくく、虫歯の原因菌が内部に入り込むことが無いため虫歯が再発する可能性が低いのです。
一方、銀歯は変形したり割けたりすることがあるため、隙間ができて虫歯の原因菌が侵入しやすいというデメリットがあります。
また、内側に歯垢が溜まることも多く、細菌が増えやすい環境になるというリスクがあるのです。
耐久性においても、違いがあります。
銀歯は歯との接着があまり強くないため、外れることも珍しくありません。
また、変形によって外れることもあるでしょう。
セレック治療の場合は耐久性に優れていて、歯と隙間が無いようにしっかり接着できるため、外れることは滅多にありません。
10年が経過しても、高い割合で残存しています。
セレック治療がおすすめの人は？
セレック治療はどのような方にもおすすめの治療ですが、特に利用した方がいい人はどのような人でしょうか？
おすすめの人の特徴について、解説します。
まず、忙しくて歯医者に行く時間がなかなか取れないが、白い歯になるように治療したいという人におすすめです。
セレック治療は最短1日で治療を終えられるので、時間を作るのも最小限で済みます。
以前銀歯で治療したものの、見た目が気になったり穴が開いていたりする人にも、おすすめです。
セレック治療であれば自然な色合いの白さに変えることができ、耐久性も高いので長く使用できます。
セラミック治療を受けたいけれど、費用が気になるという場合もセレック治療を受けましょう。
セレック治療ではセラミック製の被せものを製作しますが、歯科技工士の手を用いず機械で製作するため、費用を抑えることが可能です。
また、セレック治療で製作される被せものには一切金属を使用していないため、金属アレルギーの方にもおすすめです。
生体親和性も高いので、違和感も少ないでしょう。
変色することが無い被せものであるため、いつまでも白さを維持できるのも、セレック治療の特徴です。
後から一部が変色する、ということもないため、外れるまで使い続けることができます。
虫歯の再発を防止できるため、治療した歯が再び虫歯になるのを防ぎたい方にもおすすめです。
セラミックは金属より歯に接着しやすいので、隙間ができにくいという特徴があります。
隙間がなければ、被せものの奥に虫歯の原因菌が侵入しづらくなり、食べ物のかすや歯垢なども入り込みません。
また、セラミックはプラークが付着しづらい素材なので、細菌が増えるのを防ぎます。
一般的に、被せものを作成する際は歯型を取る必要がありますが、歯型を取るために使用する印象材が苦手という人も少なくありません。
セレック治療は、3D高額カメラを使用して歯型をスキャンするため、歯型の採取は不要です。
以上のとおり、セレック治療はさまざまなメリットがあるため、多くの人におすすめできる治療法です。
上記のような希望がないという人でも、セレック治療には優れた点が多いため、選んで後悔することは少ないでしょう。
まずは、歯科医院でセレック治療が可能かどうかを確認しましょう。
可能な場合は、詳しい治療内容についての説明を受け、問題がなければ治療を受けることをおすすめします。
まとめ
セレック治療は、短時間で治療を終えられるセラミック治療です。
通常、セラミック製の被せものを製作するには1週間以上かかりますが、セレック治療の場合は最短で当日中に被せものを製作できます。
歯科技工士に製作を依頼しなくてもいいため、費用もセラミック治療より安く済みます。
おすすめの人の特徴などに当てはまる場合は、積極的に利用を考えてみてください。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。