歯を失った場合の治療方法は入れ歯などいくつかの種類がありますが、その中でも人気のある治療方法がインプラント治療です。
しかし、歯を失って時間が経ってからインプラント治療をしたいと思っても、骨が吸収されてできなくなることがあります。
後から治療を受ける場合に備えて、ソケットプリザベーションを忘れずに行いましょう。
ソケットプリザベーションとは?
歯が抜ける原因は、いくつかあります。
虫歯や歯周病等もあれば、事故によって抜けてしまうこともあるでしょう。
歯を失った際の治療方法には、インプラントや入れ歯、ブリッジなどがあります。
ブリッジや入れ歯とインプラントでは、治療内容に大きな違いがあります。
ブリッジや入れ歯の支えとなるのは、歯を失った箇所の両側の歯です。
一方、インプラントの場合は本来の歯を支えている歯槽骨という顎の骨が支えとなるのです。
天然歯は、歯槽骨に歯根が埋まった状態で生えています。
歯を支えているのは土台である歯槽骨、さらに歯の周囲にある歯肉や歯根膜などの歯周組織です。
歯が抜けた場合、しばらくすると歯肉で塞がれるものの、塞がるまでの間は抜歯窩という穴が空いた状態になります。
抜歯窩が塞がる頃には骨吸収が起こり、歯槽骨が痩せ始めてしまいます。
歯槽骨は、歯を支える大切な骨です。
しかし、歯を失って刺激を受けなくなった箇所の歯槽骨は役目がなくなったと判断し、薄くなり痩せていってしまうのです。
後からインプラント治療をしようと思っても、すでに歯槽骨が痩せて歯を支えるには幅や高さなどが足りなくなっている可能性もあるでしょう。
インプラント治療を受けるための条件には、歯槽骨の幅や高さが十分であることも含まれているのです。
歯槽骨の幅や高さが十分ではない場合に対応するため、GRB治療という骨を再生させる治療があります。
ただし、再生されるまでには数カ月から1年ほどの時間がかかってしまいます。
骨が再生される期間を待つよりも、歯が抜けた後に骨を吸収する働きを抑制した方がいいでしょう。
骨吸収を最小限に抑えるための治療を、ソケットプリザベーションといいます。
ソケットプリザベーションは抜歯窩に骨補填材を注入してから歯肉でふさぐことで、今ある骨を減少させないための治療であり、放置するよりも多くの骨を残せます。
骨補填材は、骨を再生させるときに使用する材料です。
なくなってから慌てて補填するのではなく、最初に補填しておいて本来の骨の吸収に合わせて使用しておくことで、骨の総量の減少を抑制できます。
ちなみに、ソケットプリザベーションはインプラントだけではなく、ブリッジ治療にもおすすめです。
ブリッジ治療の場合、骨が吸収されてへこんでしまうと、ダミーの歯であるポンティックを大きくしなければなりません。
ポンティックを大きくした場合は、歯肉と被せものの境が他の歯よりも下になり、バランスが悪くなります。
見た目もよくないため、骨が吸収されないようにしておくことが大切です。
治療内容は?
ソケットプリザベーションの治療の第一段階として、丁寧に抜歯をして、抜歯窩をきれいに洗浄します。
抜歯窩には、骨補填材や人工骨などの粉末を入れておきます。
必要な材料を十分に入れた後は、吸収されるコラーゲンで作られている膜を被せ、蓋をします。
蓋をして歯肉か仮歯によって塞ぐことで、歯槽骨が吸収された分を補って減少を最小限に抑えられるのです。
抜歯窩が塞がり、骨ができるまでには3カ月ほどかかります。
保険が適用されない治療であり時間もかかるため、治療費が高額になることに留意しましょう。
しかし、後から骨を再生させるGRB法よりは時間も短く治療費も安いため、初めから対処しておくのがおすすめです。
ちなみに、ソケットプリザベーションの効果は十分に明らかとなっていますが、使用する材料による効果はまだはっきりとわかっていません。
使用される材料にはいくつかの種類があるものの、最も効果的な材料は決められていないのです。
現在、世界中の大学で研究が行われていますが、材料別に比較した場合の効果の優劣はまだはっきりとしていません。
今後、症例の増加によって、最も効果的な材料が決められていくことになるでしょう。
まとめ
歯を失ってそのままにしておくと歯槽骨が吸収されてしまうため、骨吸収を防ぐために行う治療がソケットプリザベーションです。
抜歯窩に骨補填材や人工骨を入れておくことで、吸収された歯槽骨を補えるので、後からインプラント治療をする可能性がある場合には行っておいた方がいいでしょう。
歯槽骨の減少は他の歯にも影響を及ぼすため、さらに歯が抜けるのを防ぐためにも受けておくことをおすすめします。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。