歯科医院では、歯の病気だけではなく口腔内の病気を全般的に扱っています。
扱っている診療科目を口腔外科といい、口腔外科を受診する人の多くは口腔粘膜疾患のため受診しています。
口腔粘膜疾患とは、口腔内の粘膜に起こるさまざまな疾患の総称ですが、具体的に歯どのような疾患があるのでしょうか?
口腔粘膜疾患とは?
歯科医院に通院する人の中には、虫歯や歯周病の治療ではなく、口腔外科の診療を受けに来る人もいます。
特に多いのが、口腔粘膜疾患の治療です。
口腔粘膜疾患は、口内の根膜と呼ばれる唇や歯肉、頬の粘膜、口蓋、舌、口底などに、腫瘤や水泡、びらん、潰瘍といった症状が起こる疾患の全体的な呼び方であり、非常に多くの疾患が含まれています。
口の中の粘膜は、分泌される唾液によって潤いがある状態を保って保護されていますが、唾液による保護はどのような場合でも有効というわけではありません。
潤いが保たれていても、疾患にかかることはあるのです。
最も多いのが、食べものや歯によって機械的刺激や温度的刺激などを受けることです。
刺激によって、粘膜に疾患を発症することがあるのです。
また、発症した疾患が刺激によってさらに変化することもあります。
口内に存在する細菌も、口腔粘膜疾患のリスクを高めることがあります。
歯医者で主に治療を行う虫歯や歯周病は、虫歯の原因菌や歯周病菌などの細菌が原因ですが、口内には他にもさまざまな種類の細菌が存在しているのです。
また、すでに発症している疾患が細菌による刺激でさらに変化したのに伴い、治療方法が変わるケースもあります。
口腔粘膜疾患は全体的に変化することが多く、原因の特定や診断が難しいのです。
口腔粘膜疾患の主な症状
口腔内の粘膜で起こる疾患の総称である口腔粘膜疾患には、非常に多くの種類の疾患が含まれています。
しかし、疾患を特定しなければ適切な治療はできません。
主にどのような疾患があるのか、解説します。
特によくみられるのが、口内炎です。
口内炎にはいくつかの種類があり、中でも多いのがアフタ性口内炎と呼ばれる潰瘍性の口内炎です。
アフタ性口内炎は、周囲に紅斑を呈した円形、もしくは楕円形で浅い潰瘍となっている点が特徴です。
中には繰り返し発生するものもあり、再発性アフタと呼ばれて区別されています。
口内炎はストレスや栄養不足による免疫力の低下のほか、口内を噛んだなどの物理的刺激によりかかるケースが多いのですが、中にはウイルス性の口内炎もあります。
ウイルス性口内炎として、単純性ヘルペスウイルスに感染したことでかかるヘルペス性口内炎や帯状疱疹、手足口病、ヘルパンギーナなどが挙げられます。
口内炎以外でよくみられる口腔粘膜疾患には、白板症があります。
口腔内でも、特に頬や舌、歯肉などにみられることが多い疾患で、粘膜が白くなりこすっても落ちない状態になります。
発病する頻度の高い疾患ですが、舌にできた場合は注意しなくてはいけません。
なぜなら、舌の白板症は悪性になることが多いからです。
前がん病変や口腔潜在的悪性疾患とも呼ばれているため、放置せずきちんと治療を受けてください。
他に、口内が赤くなる、紅板症というものもあります。
広い範囲の粘膜に発生し、鮮紅色で表面は平滑ではあるものの、ビロードのようになってしまう病変です。
紅板症は境界がはっきり分かれていることが多く、初期症状で痛みが生じるケースがよくあります。
50代以上の高齢者が全体の疾患の8割を占め、約半数が悪性化するため注意が必要な病変です。
カンジダ・アルビカンスという真菌が起こす、口腔カンジダ病という口腔感染症もあります。
急性型と慢性型があり、急性型の場合は粘膜に付着した白い苔をぬぐって排除できます。
皮膚や粘膜で起こる角化症で、炎症を伴うものを扁平苔癬といい、難治性の病変です。
特に多いのが頬粘膜ですが、唇や舌に出ることもあります。
粘膜上でレース状に角化されていて、周囲は赤くなります。
口内が乾いてしまう口腔乾燥症も、口腔粘膜疾患の一つです。
いわゆるのどが乾いた状態で、水を飲む量が少なかったり多量の水分を急に失ったりした時などに起こります。
水分の摂取量が慢性的に続く場合は、全身疾患などが原因かもしれません。
また、抗ヒスタミン薬や向精神薬、降圧剤、制酸薬などの副作用で唾液量が減少することもあります。
この場合は、唾液の分泌を促すようなものを摂取し、人工的に唾液を増やすなどの対症療法が効果的です。
貧血が原因で唾液量が減少するケースもありますが、原因となる貧血を治療すれば治まりまります。
まとめ
口内にある粘膜では、さまざまな疾患が起こります。
口腔内の粘膜上で発生した疾患を総称して口腔粘膜疾患と呼びますが、本文にも書いたように、非常に多くの種類があります。
治療方法はそれぞれ異なるため、粘膜に異常がある時はきちんと診察をしてもらい、適切な治療を受けてください。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。