毎日きちんと歯を磨いていても、虫歯になってしまうことは珍しくありません。
歯をきれいに磨いているはずなのに、虫歯になってしまうのはどうしてでしょうか?
実は、虫歯になる原因は1つだけではありません。
複数の原因が絡み合って、虫歯になってしまうのです。
どのような原因があるのか、解説します。
虫歯になってしまう原因は?
気が付いたら歯が痛み出したことで、虫歯に気が付く人が多いでしょう。
しかし、毎日欠かさず丁寧に歯磨きをしている人の場合、虫歯になったことが信じられないかもしれません。
毎日丁寧に歯を磨いていても、虫歯になってしまうことがあるのはなぜでしょうか?
歯磨きを行うのは、虫歯の原因の1つである糖質の除去が主な目的です。
食事をしたり、何かを飲んだりすると、歯には食べ物や飲み物の一部が付着します。
虫歯の主な原因となるのは、付着したものに含まれている糖質という成分です。
糖質は、砂糖などの甘味成分にも含まれていますが、他にもご飯やパン、麺類などの主食にも含まれています。
近年「糖質抜きダイエット」というものが知られるようになり、主食には糖質が含まれていることが広く認知されています。
体を動かすうえで、糖質は非常に重要なエネルギー源です。
完全に糖質を抜くと体調不良になることもあるため、全て避けるというわけにはいきません。
できるだけ糖質の多い食べ物を避けても、口の中には糖質の一部が残ってしまいます。
糖質をなるべく少なくするには、食後すぐに歯を磨くことが大切です。
しかし、歯の隙間などに入り込むことも多いため、歯磨きだけではすべて除去することは不可能です。
残った糖質を取り込むのが、ミュータンス菌をはじめとした虫歯の原因菌と呼ばれる細菌です。
ミュータンス菌は、一般的に口の中にある細菌ですが、実は生まれつき口内に存在しているわけではありません。
子どもの口の中にミュータンス菌が発生するのは、すでにミュータンス菌がいる大人と食器を共有した場合などに、唾液を介して侵入してしまうことが原因です。
3歳までにミュータンス菌が存在していなければ、虫歯になりにくい口腔内環境になるため、子どもと食器を共有しないように気をつけましょう。
歯質も、虫歯になりやすいかどうかを決定づけるポイントです。
歯質は体質と同じく、改善するのは簡単ではありません。
生まれ持った特徴なので、ほとんどの人は生まれ持った状態のまま一生を過ごすことになるでしょう。
口内に虫歯の原因菌となる細菌がいる状態で糖質が口内に存在していると、細菌が糖質を取り込んで増殖していきます。
糖質を取り込んだ細菌は、ねばねばとした不溶性グルカンという物質を生み出して、歯の表面に付着させます。
不溶性グルカンは粘度が高いため、唾液では流されません。
そのうち歯垢になり、多くの細菌が潜んで増殖していきます。
虫歯の原因菌となる細菌は、糖質を取り込むと乳酸をはじめとした多くの種類の酸を吐き出して、歯を溶かしていくのです。
酸によって歯が溶けると、歯からはカルシウムやリンなどの成分が溶けて脱灰といわれる状態になります。
ただし、脱灰が起こったからといってすぐ虫歯になるわけではありません。
脱灰で溶けだしたカルシウムやリンは、唾液に含まれている成分によって補完されるため、歯は再び元の状態に戻ろうとするのです。
唾液によって脱灰が治ることを、再石灰化といいます。
脱灰と再石灰化は必ず釣り合っているわけではありません。
再石灰化をしても脱灰が完全には治らずに再び脱灰が起こることを繰り返したり、唾液が減少して再石灰化が起こらなかったりすると、歯が大きく溶けて虫歯になってしまいます。
虫歯は、歯の表面のエナメル質という層が溶けだした状態です。
脱灰のように自然と塞がることはなく、放っておくとどんどん穴が大きくなっていくため、治療が必要となるのです。
エナメル質が溶けただけならそれほど痛みはありません。
しかし、放っておくとさらに奥の象牙質、歯髄と感染が進行していき、痛みがどんどん強くなっていきます。
さらに放っておくと、歯の原型がほとんどなくなるほどひどい状態になってしまいます。
そうならないようにするためにも、なるべく早く治療する必要があるのです。
虫歯の予防方法は?
虫歯になった場合、耐え難い痛みがあるのはもとより、歯の健康が失われてしまうということも問題です。
歯は再生することがなく、溶けた範囲が大きいほど寿命も短くなります。
歯の健康を守るためにも、虫歯を予防することが非常に重要となります。
虫歯予防に欠かせないのが、唾液です。
唾液には消化酵素が含まれていて、食べ物の消化を助ける働きがありますが、先述したように、脱灰した歯にカルシウムやリンを補完する役割もあります。
再石灰化をすることで、歯の表面のエナメル質は丈夫になり溶けにくくなっていきます。
また、虫歯の原因菌は酸性の環境を好みますが、唾液は酸性になった環境を中性にする働きがあるので、ミュータンス菌などの活動を抑制する働きもあるのです。
唾液量を増やすことで、虫歯の予防になります。
唾液は、水分をしっかりと取って、食事の際にしっかりと噛むことで増やすことが可能です。
また、虫歯予防には、歯へのフッ素塗布も効果的です。
歯医者で治療を受けた後にフッ素を塗られることがありますが、定期検診を受けて塗布してもらうこともできます。
虫歯の初期段階であるC0の場合は、歯が溶けていないためフッ素を塗布することで再石灰化を促し、虫歯を防止できます。
C0の段階で治療すれば、歯にダメージはほとんどありません。
歯磨きでは、デンタルフロスや歯間ブラシを活用して歯の隙間の汚れまで徹底的に落とすことが効果的です。
虫歯を防ぐために、普段から意識して行いましょう。
まとめ
虫歯の原因菌として有名なのが、ミュータンス菌です。
しかし、虫歯の原因は糖質と歯質にもあり、これら3つが揃って初めて虫歯になります。
歯が、カルシウムやリンが溶けだしていく脱灰という状態になると、虫歯に一歩ずつ近づいていくため、要注意です。
虫歯にならないためにも、唾液の量を増やして殺菌作用などが十分に発揮できるようにしておきましょう。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。