顎関節症は、口を開閉する顎の関節に異常が生じ、動かすときに痛みが生じたり音が鳴ったりする病気です。
重症化すると口を開けられなくなり、食事に弊害が出ることもありますが、何が原因でこのような状態になってしまうのでしょうか？
顎関節症の主な原因について解説します。
顎に直接かかる負担
顎関節症は、顎の関節へのダメージの蓄積によってなることがあります。
顎に直接負担をかけることで、顎関節へのダメージが蓄積しやすいでしょう。
どのような場合に直接顎に負担がかかってしまうでしょうか？
まず挙げられるのが、歯ぎしりをしたり歯を食いしばったりする癖があるケースです。
歯ぎしりや食いしばりが起こると、日常では滅多にないほど強い力が歯にかかります。
本来なら意識しないとかからないほど強い力が無意識のうちにかかるため、歯に大きなダメージを与えるだけでなく、顎関節にも大きな負担がかかるのです。
実際、顎関節症を発症する人の多くに歯ぎしりや食いしばりの癖があります。
起きている間、歯を食いしばらないよう気を付けることはできるでしょう。
しかし、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりを意識的に防止するのは無理です。
また、歯ぎしりや食いしばりは無意識に行われるため、備えがない分ダメージも大きくなります。
さらに、負担が日常的にかかるためにダメージも蓄積しやすくなり、顎関節症が発症する可能性が高くなるでしょう。
歯ぎしりを改善するには、歯ぎしりの治療が必要になります。
ナイトガードなどのマウスピースを付けることで防止できるため、一度歯科医院で相談してみましょう。
顎に負担をかける原因は他にもあり、その一つが一部の楽器を演奏する場合です。
例えば、バイオリンやヴィオラといった楽器は、顎で固定して演奏しなければなりません。
その分、顎にかかる負担が大きくなります。
また、トランペットやサックスなどの吹奏楽器を演奏する場合にも注意が必要です。
これらの楽器は、綺麗な音色を出すために、力強く息を吹き出さなくてはなりません。
演奏に際して顎に力が入るため、負担が大きくなります。
他に顎に負担をかける原因として挙げられるのが、スポーツです。
力を入れる時に無意識に歯を食いしばってしまい、顎に負担がかかります。
顎以外の原因
顎に直接負担がかからなくても、顎関節症の原因になることもあります。
原因として挙げられるのが、ストレスです。
なぜなら、ストレスがかかると筋肉が緊張してしまうからです。
極度の緊張状態により、体がガチガチになった経験のある人もいるでしょう。
筋肉が緊張すると、歯ぎしりや食いしばりなども起きてしまいます。
仕事や人間関係などに悩んでストレスがたまるケースは珍しくありません。
実は、ストレスは日常生活でも溜まり、人によってはほんの些細なことでも大きなストレスが生まれることもあります。
ストレスによる顎関節症の改善には、ストレスを解消することが大切です。
大きな声を出す、体を動かす、趣味に没頭することなどが有効といわれています。
ただし、効果は人によって異なるため、自分に合った方法を見つけましょう。
猫背など姿勢が悪い場合も、顎関節症の原因になります。
背筋がまっすぐになっている場合は、下顎に負担がかからない位置に納まります。
しかし、姿勢がよくないと下顎がちょうどいいところに納まりません。
そのため、かかる負担が大きくなってしまいます。
特に、現代社会ではパソコンやスマートフォンを操作することが多いため、姿勢が歪みやすくなっています。
スマホ首と呼ばれるストレートネックや猫背の人が増えているため、意識的に姿勢を正しましょう。
それだけでなく、日ごろからストレッチをして姿勢を正すことが大切です。
姿勢を保つのが難しい人は、体幹トレーニングなどもおすすめします。
噛み合わせの悪さも、顎関節症の原因です。
通常、上下の歯の間にはわずかな隙間が空いていますが、噛み合わせが悪いとどこかの歯がずっと触れている状態になり、顎に負担をかけ続けてしまいます。
噛み合わせが悪い状態を不正咬合といい、さまざまな種類があります。
どのような歯並びの乱れであっても、一部の歯が接しやすくなる点は同じです。
歯並びを整えるには、矯正治療を受けなければなりません。
以上のとおり、顎関節に直接負担をかける原因以外にも、間接的に負担をかける原因はいくつもあります。
顎関節に負担をかけるような心当たりがないのに顎関節症になったという場合は、間接的な原因により顎関節症になった可能性を考えてみてください。
まとめ
顎関節症の原因は、顎関節に負担をかけることだと思っている人も多いでしょう。
確かに、顎関節に負担をかけることは原因の１つとなりますが、直接負担をかけるのではなく、間接的に負担をかけることで原因になることもあります。
特に、「姿勢の悪さが顎関節症の原因になるとは思わなかった」という人は多いかもしれません。
姿勢が悪い人は、なるべく姿勢を正して生活しましょう。
また、ストレスにも注意が必要です。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。