インプラント治療では、インプラント体という人工歯根を骨に結合させる必要があります。
人工歯根はチタンという金属でできていますが、チタンにはどのような特徴があるのでしょうか？
また、インプラント体が骨と結合するには、どのくらいの期間が必要なのでしょうか？
インプラントと骨結合について解説します。
インプラントの材質
歯を失った時の治療はいくつかあり、中でも天然歯と最も近い感覚で使用できるのがインプラントです。
インプラント治療は、インプラントを歯の代わりに埋め込む治療です。
歯は、歯茎の中にある歯根部と、歯茎から上に出ている歯冠部に分けられます。
歯冠部がなくなっても、歯根部があれば上に歯冠の代わりを付けると歯の代わりにすることが可能です。
しかし、歯根部までなくなっている場合には、歯根の代わりが必要となります。
歯根がない場合には、ブリッジ治療や部分入れ歯などの治療もできます。
ただし、どちらも歯根の代わりとなる部分はなく、空洞になった状態です。
一方、インプラントであれば歯根の代わりになる部分もしっかりとあります。
インプラントは、インプラント体と上部構造、2つをつなぐアバットメントという3つのパーツに分かれているケースが一般的です。
ただし、中にはインプラント体とアバットメントが一体になった、2つのパーツに分かれているものもあります。
治療の際は、まず歯茎の下にある歯を支えている歯槽骨に穴を空けなければなりません。
空いた穴にインプラント体を埋入します。
インプラント体は人工歯根とも呼ばれ、歯の支えの役割を持っています。
インプラントの中でも、インプラント体の主な成分はチタンです。
チタンは生体親和性に優れた金属であり、インプラント体の表面は酸化チタンで覆われているため、金属が溶けだすことがありません。
アレルギー反応が出にくい金属であり、人工関節の材料にもなっています。
また、インプラント体にチタンが使用されているほかの理由として、骨との結合性が挙げられます。
インプラント体はあごの骨に埋入して固定しますが、どんな金属でも骨と結合するというわけではありません。
チタンが骨と結合すると判明していなかった頃は、インプラントにはさまざまな素材が使われていました。
しかし、きちんと結合するものはなく、体が異物と判断して炎症が起こることもあったのです。
骨と結合する性質がある金属としてチタンが発見されたのは、1965年になってからです。
現在まで50年以上経過していますが、未だに骨と結合する性質を持つ他の金属は見つかっていません。
金属アレルギーの人であっても、チタンなら問題ないことが多いのですが、絶対にアレルギーが起こらないというわけではありません。
ごくわずかですが、アレルギー反応が起こる人もいます。
ただし、チタンによって金属アレルギーが発症するケースは非常に稀です。
したがって、今まで金属アレルギーを発症していない人であれば、まず問題はないでしょう。
不安がある人は、治療を受ける前に検査を受けてください。
金属アレルギーの症状が出てきた場合には、いったん様子を見ます。
治まる様子がなく症状が悪くなった場合には、治療を中止することになります。
すでにインプラントを埋入している場合は、除去することになるため気をつけましょう。
インプラントが結合する期間は？
インプラント体を埋入してしばらくすると、インプラント体と歯槽骨が一体化して固定されます。
結合するまでにかかる期間はどのくらいでしょうか？
結論からいうと、結合までにかかる期間は3か月から6ヶ月程度です。
ただし、それ以上かかるケースもあります。
なぜなら、インプラント治療は、インプラント体を埋入する前に口内の状態を改善する必要があるからです。
例えば、歯周病になっている場合には歯周病を先に治療する必要があり、上記期間に歯周病の治療期間がプラスされます。
特に、重度の歯周病であれば歯槽骨が溶けていて、そのままではインプラント体を支えることができないかもしれません。
骨が足りない場合には、骨造成や人工骨の埋入手術などが必要となるでしょう。
口内の状態に特段の問題がなければ、すぐにインプラント体を埋入できます。
インプラント体の埋入手術は基本1日で終わりますが、埋入後はインプラント体と歯槽骨が結合するまで待たなければなりません。
1回法という治療方法の場合には、インプラント体とアバットメントを最初から結合した状態で埋入します。
2回法であれば一度インプラント体を埋入し、固定された後で歯茎をもう一度切開し、インプラント体にアバットメントを結合させることになるため、3カ月から7カ月ほどかかるでしょう。
アバットメントを結合させて切開した歯茎がふさがり、インプラント体と歯槽骨が結合してしっかりと固定されるまでは、3カ月から6カ月ほどかかります。
期間に差があるのは、口内の状態によるものです。
口の中が健康なら、短い期間で結合します。
アバットメントに、歯茎から出ている歯の代わりとなる人工歯根を装着し、しっかりと固定したら治療完了です。
まとめ
インプラント体に使用されているチタンという金属は、生体親和性が高いことが特徴です。
骨の中に埋入しておくと骨と結合し、しっかりと固定されます。
金属アレルギーなどの反応も出にくいので、ほとんどの人は問題無く装着できるでしょう。
インプラント体が歯槽骨と癒合するまでの期間は、口内の状態によって異なりますがおおよそ3カ月から6カ月ほどでしょう。
口内の環境が悪ければ、もっと時間がかかります。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。