歯を失った時の治療法の中には歯牙移植があります。
また、インプラントとも歯を失った時の治療法の一つであり、失われた歯の代わりになります。
歯牙移植とインプラントは、どのような違いがあるのでしょうか?
その違いについて解説します。
歯牙移植とインプラントの概要
子どもの頃に生えている乳歯とは違い、生え変わった後の永久歯はもう生え変わることがありません。
したがって、一度失われるとそのままになります。
歯を失った場合は、代わりになるインプラントや入れ歯、ブリッジなどを装着しなければなりません。
しかし、一部のケースでは失われた歯を、別の歯で補うことが可能です。
別の歯で補うことを、歯牙移植といいます。
ただし、歯はそれぞれ生える場所が決まっているため、歯が失われたからといって他の歯を移植すればいいというわけではありません。
歯牙移植とは、親知らずや余分に生えている過剰歯などの通常では不要となる歯を移植する治療です。
抜いても特に影響はないため、移植が可能です。
歯牙移植において重要な意味を持つのが、歯根膜です。
歯根膜には再生機能があるので、移植された後に骨組織を造成し、歯周組織を再生してくれます。
歯根膜があることで、移植先で歯を定着させることが可能になります。
顎の骨とつながって、元々あった歯と変わらずに生えている状態となるため、元々の歯と変わらず使うことができるようになるのです。
インプラントは歯牙移植とは違い、インプラントという人工の歯を埋入する治療です。
自分の歯の中で形状が合うものがなくても、人工的に作製できるため問題ありません。
歯を支える歯槽骨の量が十分にあれば、治療を受けられるでしょう。
歯牙移植のメリットとデメリット
歯牙移植のメリットとしてまず挙げられるのは、感触が本物の歯に近いことです。
インプラントも他の治療方法と比べると本当の歯に近いのですが、歯牙移植はさらに本物の歯に近い感覚で使用できます。
インプラントと歯牙移植の大きな違いが、歯根膜の存在です。
インプラントはクッションとなる歯根膜がないため、噛んだ時の感触がやや鈍くなります。
一方、歯牙移植には十分な歯根膜が必要となり、歯根膜がクッションにもなります。
インプラントの場合は自分の歯の代わりとなる人工歯根や人工歯を作製しなくてはなりません。
しかし、歯牙移植は人工物を作製する必要がなく、治療費も安くなることがメリットです。
また、インプラントの場合、成長に伴い顎の形などが変わっていく成長期には治療を受けられません。
しかし、歯牙移植であれば問題なく治療を受けることが可能です。
ブリッジや部分入れ歯の場合、歯を失った部分の両側にある歯を少し削って固定するため、健康な歯の寿命も短くなってしまいます。
しかし、歯牙移植の場合は自立する歯を移植するため、他の歯を削る必要もありません。
また、条件によっては健康保険が適用されるため、治療費をさらに抑えることが可能です。
条件としては、サイズの合う親知らずであることなどが挙げられます。
ただし、歯牙移植にはデメリットもあります。
デメリットの内容によっては、受け入れられない人もいるかもしれません。
どのようなデメリットがあるのか解説します。
歯牙移植は、インプラントと比べると手術の難易度が高いため、手術を行う歯科医師の技術に成功率が大きく左右される点に注意しなければなりません。
親知らずの場合、抜くことが難しいケースもあります。
移植する歯を抜歯して、植え付けるという2回の手術を行うことになるため、かなり大掛かりになってしまいます。
患者の体力も重要となるため、高齢者の場合は厳しいかもしれません。
また、移植できる余分な歯がなければ治療できないことに注意が必要です。
近年は親知らずが生まれつきない人も増えていて、20代女性の多くは、上下どちらかの親知らずがありません。
歯牙移植もインプラントと同様、歯を固定できるだけの骨の幅が必要です。
歯が抜けてしばらく経ち、歯槽骨少なくなっているようであれば、移植ができないこともあります。
また、必ず治療ができるとは限りません。
治療できるケースが限られていることから、希望してもできないケースが少なくないため、事前に十分な検査が必要となります。
また、失敗するケースも少なくありません。
プラークコントロールが十分にできていなかった場合や、固定できなかった場合などは失敗しやすいでしょう。
歯牙移植には上記のようなデメリットがありますが、治療が可能な場合は十分なメリットもあります。
まずは治療が可能かどうか、相談することをおすすめします。
まとめ
歯を失った時の治療としてインプラント治療は人気がありますが、親知らずなどがあり、歯の形が合う場合には、歯牙移植という治療が可能です。
インプラント治療と歯牙移植にはそれぞれ特徴があり、どちらにも優れている点があります。
また、両方ともデメリットがあるため、どちらの治療も可能な場合には、メリットとデメリットを比較して慎重に決定しましょう。
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