歯並びを整える歯列矯正は、治療を終えるまでに年単位での時間がかかるというデメリットがあります。
治療に時間がかかるため、ためらう人も少なくありませんが、プレシジョン矯正治療であれば治療期間を短縮できます。
プレシジョン矯正治療(光加速矯正)について、解説します。
目次
プレシジョン矯正治療(光加速矯正)とは?
通常の歯並びを整える矯正治療は、短くても1年、長ければ3年以上かかります。
あまりに長すぎると、治療を受けるのにためらいが生じるかもしれません。
矯正治療にかかる期間を短くしたい場合には、プレシジョン矯正治療がおすすめです。
プレシジョン矯正治療は光加速矯正ともいわれ、光加速矯正装置を用いることで治療期間を短縮するという矯正治療です。
プレシジョン矯正治療であれば、治療期間は従来の矯正治療の半分ほどに短縮できます。
光加速矯正装置によって歯周組織に光や振動などの刺激を与え、細胞活動を活発にして歯の動きを加速し、矯正機関を大幅に短縮することができるのです。
口にくわえて光や振動を与えるだけなので、痛みはなくマウスピース矯正のように目立たない矯正治療にも対応しています。
ただし、効果には個人差があるという点に注意してください。
また、矯正装置の種類や治療する範囲、年齢や歯の状態によっても効果は大きく異なります。
矯正治療を受ける理由は?
矯正治療を受ける人は、歯並びが気になるという見た目の問題から希望する人が多いのですが、他にも、矯正治療を昔受けていて移動させた歯が元の位置に戻ってきたのが気になるという人もいます。
また、肩こりがひどくなった、歯ぎしりやいびきがあるといわれたので噛み合わせをチェックしてほしいといった悩みなど、健康面を改善するために矯正治療を検討している人も増えています。
歯並びが悪いと、見た目にも悪影響があるのはもちろんのこと、健康面にも悪影響を及ぼすのです。
特にわかりやすいのが、虫歯や歯周病のリスクが高まるという点です。
歯並びが悪ければ、歯を磨く際に隅々まで磨くのが難しくなります。
例えば、歯が重なり合うように生えている場合、重なり合った歯は間の部分を磨くことができず、汚れが溜まって歯垢や歯石ができやすくなるのです。
また、歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなってしまうため、噛む力が均等にかからなくなります。
噛む力のバランスが悪いと、肩こりや頭痛の原因にもなるのです。
なぜ矯正期間が短縮できるのか
プレシジョン矯正治療は、どのようにして矯正治療の治療期間を短縮するのでしょうか?
光加速矯正装置がどのようなはたらきをするのか、結果としてどのような効果があり、矯正治療の期間が短くなるのか、解説します。
プレシジョン矯正治療で使用する光加速矯正装置からは、波長850mmの赤外線が発射されます。
歯周組織は赤外線を浴びると血流が増加するため、細胞もそれぞれ活性化するのです。
細胞を活性化させることで、歯が移動する速度も速くなります。
また、硬い骨に埋まっている歯は、動かすために歯を支える歯根膜や歯槽骨のリモデリングが必須です。
リモデリングとは、新たに作り変えられるという意味です。
矯正治療では、歯を動かすために移動方向の歯槽骨を破壊し、通り過ぎた後に新たな歯が出来上がります。
繰り返していくことで、硬い骨に埋まっている歯でも少しずつ動かしていくことができるのです。
光加速矯正装置を使用することで、歯槽骨を破壊して再生する速度が速くなります。
プレシジョン矯正治療のメリットは?
プレシジョン矯正治療は、具体的にどのようなもので、どんななメリットがあるのか知らない人も多いでしょう。
プレシジョン矯正治療のメリットについて、解説します。
プレシジョン矯正治療の主なメリット
プレシジョン矯正治療の最も大きなメリットとして挙げられるのは、矯正期間を最大で半分の日数に短縮することができるということです。
矯正治療は、全体的な矯正であれば1年から3年ほどかかりますが、光加速矯正装置を使用することで大幅な短縮が可能です。
矯正治療を嫌がる人の理由として、矯正装置が目立つという内容がよくみられます。
特に矯正治療の期間が長いほど矯正装置を装着する期間も長くなるため、人目にさらされる機会が増えるでしょう。
しかし、期間が短くなれば、矯正装置を着けた口元をみられる機会が少なくなります。
矯正治療の際は、歯槽骨を破壊して再生させながら歯を動かしていきますが、途中で炎症が起きて痛むことがあります。
光加速矯正装置の光には炎症を抑制する効果があるため、痛みを軽減できます。
矯正治療の中でも、特に人気があるのが目立ちにくいマウスピース矯正です。
マウスピース矯正は1つのマウスピースを1週間前後使用するため、しっかりと手入れしなければ清潔に保つことができません。
光加速装置を使用すると、1つのマウスピースを使用する期間も短くなるため、マウスピースを清潔に保ちやすくなります。
汚れたマウスピースは虫歯のリスクを高めるため、使用期間を短くすることで虫歯の予防にもなるでしょう。
プレシジョン矯正治療のデメリット
メリットの多い光加速矯正装置ですが、メリットだけではなくデメリットもいくつかあります。
光加速装置の主なデメリットについて、解説します。
プレシジョン矯正治療の主なデメリット
デメリットとしてまず挙げられるのが、費用が余分にかかるという点です。
プレシジョン矯正治療は通常の矯正治療に加えて光加速矯正装置も使用するため、その分費用が加算されます。
プレシジョン矯正治療で光加速矯正装置を使用するのは1日数分なので、簡単に思えるでしょう。
しかし、3日連続で使用しないと効果が出にくいともいわれています。
途中で忘れてしまい、使わなくなったという方も少なくありません。
光加速矯正装置は、途中で故障してしまうケースも珍しくありません。
また、故障してしまった場合は修理の必要がありますが、アメリカなどに送らなければなりません。
海外へ送付するため、修理と配送にかかる期間を考慮すると予想以上に長くなってしまうでしょう。
矯正治療がどれくらい進んでいるかということは目に見えるものではないため、光加速矯正装置を使用しても治療期間が短くなったという実感を得られにくい可能性があります。
歯科医院で受ける治療とは違い、効果を信用しにくいかもしれません。
使い始めたばかりの頃は、特に不安でしょう。
また、歯を早く動かすことができるため、ズレが生じた場合も大きくなりやすいというデメリットがあります。
ズレが生じたまま矯正治療を続けていくと、修正するのに時間がかかるため、通院する頻度を増やしてチェックしてもらう必要があります。
また、使用する光加速矯正装置は2種類がありますが、どちらの機器も日本では医療機器としての認可が下りていません。
ただし、アメリカやカナダ、EUなどでは安全性が認められているため、使用方法を誤らない限りは副作用のない安全な装置ですが、不安になる人もいるでしょう。
まとめ
歯並びが悪いとき、歯を正しい位置へと動かすためには矯正治療を受ける必要があるのですが、矯正治療のための治療期間はかなり長いのです。
矯正治療の治療期間を短縮したい場合は、プレシジョン矯正治療がおすすめです。
プレシジョン矯正治療には、歯周組織に赤外線を照射することで血流を増やし、歯を動かす際に破壊されて再生される歯槽骨のサイクルを早めるはたらきがあるのです。
治療が可能かどうかは、事前に確認してください。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。