マウスピース矯正には多くの種類がありますが、中でも人気が高いのがインビザラインです。
しかし、アメリカでは近年クリアコレクトを利用する人も増え、インビザラインを追い上げています。
インビザラインとクリアコレクトの違いとは、何でしょうか？
治療面における、インビザラインとクリアコレクトの違いについて解説します。
適応症例の違い
マウスピース矯正の中でも、世界中で最も多く選ばれているのが、アメリカで開発されたインビザラインです。
インビザラインは多くの症例に適していますが、具体的にはどの症例に適応しているマウスピース矯正なのでしょうか？
インビザラインは、開咬や叢生、上顎前突、上下顎前突などの代表的な不正咬合に適応しています。
また、症例はやや少ないものの、反対咬合や過蓋咬合などの不正咬合にも適応しているのです。
空隙歯列という歯の間に隙間ができている症例や、多くの歯の角度を調整したい場合にも対応しています。
以上のとおり、多くの症例に向いていますが、軽度の矯正治療であってもかなりの時間や手間がかかってしまう点が問題です。
一方、クリアコレクトは、2006年にインビザラインの老舗メーカーであるストローマン社が開発したマウスピース矯正です。
クリアコレクトの適応症例もかなり多いのですが、インビザラインとどう違うのでしょうか？
クリアコレクトは、歯並びがガタガタになっている、不正咬合の代表格ともいえる叢生に対応しています。
日本ではチャームポイントと捉えられることの多い八重歯なども、叢生の一種です。
また、前歯が突き出している出っ歯、上顎前突も、クリアコレクトが対応している歯列です。
歯の間に隙間があって目立つ状態、いわゆるすきっ歯と呼ばれる空隙歯列にも、対応しています。
さらに、奥歯で噛んだ時、前歯に隙間ができる開咬も、治療可能です。
上下の前歯の先端が接触してしまう、切端咬合もクリアコレクトが対応している歯列です。
過蓋咬合にも対応していて、軽度な反対咬合も治療可能です。
以上のとおり、クリアコレクトは多くの歯列に対応していますが、治すことのできる範囲が限られています。
治療できる範囲は前から5番目の歯までであり、奥歯には対応していません。
そのため、奥歯を動かさずに部分矯正をしたいという場合には、クリアコレクトが向いているでしょう。
インビザラインとクリアコレクトの適応症例を比べると、同じくらいの症例に適応しているため、症例からどちらにするかを選ぶことは難しいでしょう。
矯正治療にかかる期間
矯正治療は、不正咬合と呼ばれる歯並びの悪さを整えるための治療です。
不正咬合にはさまざまな種類があり、症例によって治療にかかる期間が異なります。
例えば、同じ上顎前突でも、前に出ている幅によって治療期間に違いが出ます。
そのため、症例だけでは、具体的な期間を判断するのは難しいでしょう。
マウスピース矯正に限らず、矯正治療は歯が生えている状態で場所を動かす治療であるため、一度に動かすことのできる幅には制限があります。
1日で1センチも動かすことはできません。
たとえば、インビザラインの場合には、1つのマウスピースにつき歯の位置を0.25mmずつ動かしていきます。
1～2週間おきに0.25mmずつ動いていくことになるため、少し動かしたいだけでもかなり時間がかかるのです。
インビザラインによる矯正治療は、短ければ1年半、長ければ3年ほどかかるといわれていて、具体的な期間は症例によって異なります。
症状が軽度であれば、治療期間も短くなるでしょう。
事前の検査で、おおよその治療期間を把握してから治療を始めるといいでしょう。
クリアコレクトの場合は、治療する症例によって治療期間は大きく異なり、一部だけであれば6カ月ほどです。
ただし、全体的な矯正治療になると1～2年ほどかかります。
しかし、同じ症例ならインビザラインでも、クリアコレクトでも、治療にかかる期間はほとんど変わりません。
つまり、インビザラインより、クリアコレクトの方が一気に歯を動かすことができるわけではない、ということす。
インビザラインの治療期間は長いように思えるかもしれませんが、クリアコレクトでは動かすことができない奥歯も動かすケースがある分、長くなってしまいます。
前歯1～2本などの部分矯正であれば、動かすための時間も短くなるため、全体の矯正治療よりも短い期間で治療を終えられるでしょう。
どちらにも適応している症状の場合は、インビザラインとクリアコレクトのどちらを選んでも治療することは可能です。
しかし、想定外の症状などがある可能性も考えられるため、事前検査で詳しく調べてもらったうえで選びましょう。
まとめ
インビザラインとクリアコレクトには、適応している症例や治療にかかる期間など、さまざまな相違点があります。
インビザラインは多くの不正咬合の治療ができ、また、クアコレクトも同様に多くの症例に適応しています。
また、治療にかかる期間は同じ症状ならほとんど変わらないため、他の要因などを比較したうえでどちらの治療を受けるのかを決めてください。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。
五反田駅前歯医者では、歯科治療に関する知識補完を目的として執筆しています。
従って、扱っていない治療にも触れる場合が御座います。
当院では、今回の記事にあるクリアコネクトを扱っておりません。
当院では、どんな症状にでも適応可能なインビザラインを推奨しております。