歯周病は、自覚症状が出る頃にはかなり進行しています。
完治させるのに時間がかかるため、日頃から予防しておくことが大切です。
手軽にできる歯周病予防として、歯磨き粉を変えるという方法がありますが、歯周病を予防するにはどのような成分が有効なのでしょうか?
歯周病予防に有効な成分について解説します。
歯周病は歯磨きで防ぐことができる?
歯周病とは、歯肉炎や歯周炎などのように、歯ぐきに起こる細菌性の炎症のことです。
歯肉炎、中度歯周炎、重度歯周炎と3段階に進行が分けられていて、一度かかると完治するのが難しいといわれています。
歯肉炎になって放置していると歯ぐきが腫れ、悪化すると出血します。
それだけでなく、歯ぐきの中に膿が溜まってしまうのです。
歯周病とは、歯周病菌と呼ばれている細菌が増殖したことで発症する、細菌感染症の一種です。
歯周病菌とは特定の一種類の細菌のことを指しているのではありません。
歯周病が発症する原因となる複数の細菌のことをいいます。
歯周病菌には、慢性的な歯周病の原因菌と進行性歯周病の原因菌があり、原因菌によって若干治療方法が異なるのです。
また、妊娠時の歯周病として妊娠性歯肉炎というものもあります。
妊娠性歯肉炎の場合、原因菌が通常の歯周病とは異なります。
歯周病菌が増える原因は、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊です。
歯の汚れを細菌が分解することで歯に付着します。
歯垢はわずかな量であるにも関わらず、何億もの細菌が棲みついているといわれています。
白っぽい色をしていて、粘度が高いということも特徴です。
歯垢が歯に付着したままの状態を続けていると、やがて固まります。
固まったもののことを歯石といい、歯磨きをしっかり行っても落とすことができません。
歯に付着した歯石を除去する場合は、歯科医院でクリーニングという施術を受ける必要があります。
また、歯周ポケットという溝の中に歯垢や歯石がある場合、深さによっては歯ブラシが届かず、除去できません。
歯周病を歯磨きで予防するためには、歯ブラシが届くほど歯周ポケットが浅い必要があります。
できるだけ歯磨きで歯周病を予防するためにも、歯周ポケットができないよう普段から丁寧に磨きましょう。
歯周病菌はどのように増える?
歯周病菌は栄養をとって増殖します。
増殖に必要となる栄養素は主にアミノ酸で、それ以外にブドウ糖やショ糖などもエサとします。
口の中の温度や湿度は歯周病菌が増える条件がそろっています。
適切な温度や湿度であることから、歯周病菌が増殖しやすいのです。
歯周病が進行すると歯周ポケットは深くなります。
歯ブラシが届かないほど深い場所に歯周病菌がいる場合、除去されずに内部で栄養を摂取可能です。
そのため、さらに増えやすくなりますが、細菌同士で拮抗作用があるうえに、唾液などには免疫物質も含まれていることから、最大で20分ごとに細胞分裂できる歯周病菌も、実際は4~5時間おきに分裂します。
歯周病を予防する歯磨き粉
歯周病を予防するための歯磨き粉を購入する場合、必要となる成分には何があるのか解説します。
まずは、継続して使えるものを選びましょう。
そのために、香りや味を吟味してください。
クセのある味や香りのものは、一時的にはよいと思っても、使い続けるうちに飽きたりくどさを感じたりするかもしれません。
人によって好みに違いがありますが、たとえば、ミントなどさっぱりとした味や香りのものを選ぶと、飽きずに使用し続けることができるでしょう。
また、歯周病を予防するには殺菌作用のある成分が含まれていることも重要です。
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)や、塩酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウムなどの成分が含まれているものは、殺菌作用のある歯磨き粉ということになります。
歯ぐきが腫れている場合には、抗炎症作用のある歯磨き粉を選びましょう。
代表的なものとして、トラネキサム酸やグリチルレチン酸が挙げられます。
購入する場合は、どちらか含まれているものを選んでください。
歯周病を予防したい場合には、歯に付着している歯垢を落とすためにも、研磨剤配合の歯磨き粉を選ぶことをおすすめします。
ただし、歯茎が腫れているのであれば、注意が必要です。
研磨剤が含まれている歯磨き粉は歯茎を傷つける恐れがあります。
出血しやすくなるため、その場合には配合されていないものを選びましょう。
まとめ
歯周病は、細菌によって歯を支える歯周組織に炎症が起こり、歯ぐきをはじめとする歯周組織が破壊されていくという病気です。
歯を失う原因として最も多いとされています。
原因となる歯周病菌は、歯に歯垢が付着していると増殖しやすいため、歯垢を落とすことも予防には重要です。
歯周病を歯磨き粉で予防するためには、殺菌成分が含まれていて長く使い続けることができるものを選びましょう。
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