虫歯や歯周病、事故などで歯を失った場合にそれを補う治療にはいくつかの種類があります。
特にインプラント治療は人気がありますが、セルフケアを丁寧に行う必要があることを知っておかなければなりません。
セルフケアに必要となる、インプラントに合う歯ブラシについて解説します。
インプラントに合う歯ブラシの選び方
インプラントの治療をした後は、人工歯であるインプラントが口内に存在することになります。
人工歯を天然歯と同じように磨いていいのか疑問に思うかもしれません。
実は、インプラントを磨く際には歯ブラシの選び方が重要になります。
インプラントに合う歯ブラシはどのように選べばいいのでしょうか？
インプラントに合う歯ブラシの特徴として、まずは毛先が細いという点が挙げられます。
なぜなら、細い毛先の歯ブラシであれば、狭いところまで入り込むことができるからです。
その分、しっかりと汚れを落とすことができるため、インプラントに合っています。
インプラント治療においては、義歯と歯茎が密着するように治療を行うため、隙間が非常に狭いのです。
毛先が細い歯ブラシでなければ、隙間に入り込んで汚れを落とすことはできないため、細かいところまで届く歯ブラシが適しています。
また、タフトブラシという毛束が密集しているヘッドの小さい歯ブラシも、インプラントに合うでしょう。
ワンタフトブラシともいい、通常の歯ブラシは届かない狭い隙間まで入りこんで汚れを落とすことが可能です。
使用する際は、最初に歯やインプラントの表面をブラシの先端でそっとなぞるようにて磨きます。
全体的に当てたら、歯の境目部分にブラシを当て、汚れを掻き出すように動かしながら磨きましょう。
強い力でこすって汚れを落とす必要はないため、あまり力を入れすぎないように注意して磨かなければなりません。
タフトブラシは天然歯の隙間の汚れも落とすことができますが、インプラントの隙間の汚れを落とすのにも適しています。
電動歯ブラシのメリット
インプラント治療を受けた後の歯ブラシとして特に適しているのが電動歯ブラシです。
なぜ適しているのでしょうか？
電動歯ブラシは、ブラシの回転や振動が一定に制御された状態で動き、主導の歯ブラシよりも効率的に汚れを除去できます。
操作方法を間違えない限りは、歯にかかる圧力が大きくなりすぎることはないため、安心して使うことができるでしょう。
しかし、歯列全体をきれいにするにはコツがあり、使用方法を間違えると歯や歯茎が傷つくこともあります。
そのため、電動歯ブラシでインプラントを磨く際は、事前に歯科医院で磨き方について指導を受けることをおすすめします。
電動歯ブラシにはいくつかの種類がありますが、中でもおすすめするのが音波を使用して汚れを落とす、音波歯ブラシです。
音波歯ブラシは、歯科医師が推奨している製品もあるほど効果が高い電動歯ブラシで、音波で振動させることで汚れを落としていきます。
音波歯ブラシの場合、毛先から数ミリ先の汚れまで振動が届くため、直接ブラシが当たらない部分の汚れも落とすことが可能です。
ただし、使い方にはコツが必要です。
そのため、慣れるまで練習する必要がありますが、一般的な電動歯ブラシよりは使いやすく、歯や歯茎を傷つけにくい特徴があります。
さらに、超音波歯ブラシという、音波歯ブラシよりも強力な電動歯ブラシもあります。
音波歯ブラシとはどのように違うのでしょうか？
超音波歯ブラシの場合、汚れを落とすために使用するのは超音波で、歯の表面に付着しているプラークなどを砕いて磨いていきます。
音波歯ブラシよりもさらに振動数が多い超音波歯ブラシであるため、音波歯ブラシでは落とすことができない汚れも落とすことが可能です。
また、歯周ポケットの中にある歯石やプラークに潜む細菌にも効果があり、活動を抑える働きがあります。
一般的な電動歯ブラシでは落とし切れない汚れがあるなど扱いが難しい点もあるため、インプラントを磨くには音波歯ブラシや超音波歯ブラシがおすすめです。
さらに、インプラントを磨く場合には、歯ブラシの硬さにも注目しましょう。
インプラントに合う電動歯ブラシの特徴として、ソフトブラシヘッドという柔らかい毛先の歯ブラシという点が挙げられます。
インプラントの周囲は優しく、あまり力を入れずに磨く必要があるため、柔らかい方が向いているのです。
また、無意識に歯ブラシを歯に強く押し付けることがあるため、圧力センサー機能がついているものを選ぶと歯を傷めずに済みます。
強い力をかけると、インプラントの周囲の歯肉にもダメージを与えてインプラント周囲炎のきっかけになることがあるため、注意が必要です。
インプラントに合う歯磨き粉の選び方
インプラント治療の後で歯を磨く際は、歯ブラシだけではなく歯磨き粉の選び方にも気を配る必要があります。
インプラントに合う歯磨き粉としてまず挙げられるのは、インプラント専用の歯磨き粉です。
インプラント専用の歯磨き粉はあまり見かけることがないため、知らないという人も少なくありません。
いくつかの種類がありますが、特にジェルコートIPという歯磨き粉は使われることが多いでしょう。
フッ素や研磨剤、発泡剤などが含まれていない歯磨き剤で、ジェルタイプになっていてインプラントに影響を与えにくいという特徴があります。
塩酸クロルヘキシジンという殺菌作用がある成分が配合されていて、歯茎が退縮しないよう予防する働きもあるのです。
研磨剤が配合されているものも少なくありませんが、インプラントには悪影響を与えるため配合されていないものを選びましょう。
顆粒タイプの研磨剤が含まれる歯磨き粉が多いのですが、顆粒が炎症の原因になってしまうリスクがあるのです。
歯ブラシで歯やインプラントをこする時に、隙間に顆粒が挟まりなかなか取れなくなることもあります。
それだけでなく、プラークコントロールが不十分だと、顆粒によって炎症が起こることもあります。
インプラント治療を受けた後は、通常の口腔トラブルに加えてインプラント周囲炎に気を付けなければなりません。
インプラント周囲粘膜炎という研磨剤が原因で発症するトラブルは、悪化するとインプラント周囲炎になってしまう恐れがあるため、注意が必要です。
歯肉炎に似た症状で、悪化するとインプラントが抜け落ちてしまう可能性もあります。
セルフケアのブラッシングではすべての歯垢を除去することが難しいため、研磨剤入りの歯磨き粉は避けるべきでしょう。
また、マウスウォッシュについても心配される方もいるかもしれません。
一般的なマウスウォッシュや液体歯磨き剤などは、仕上げに適しています。
しかし、マウスウォッシュには歯垢を除去する働きはないため、歯磨きもしっかりと行う必要があります。
歯石が付着したままだと虫歯や歯周病の原因となってしまうため、できるだけ除去する必要があるのです。
歯垢が固まって歯石になると、いくら丁寧に歯を磨いても除去できないため、歯科医院でクリーニングを受けて除去してもらいましょう。
まとめ
インプラントは天然歯とは異なる点が多いため、歯磨きをする際も歯ブラシの選び方には注意して、合う歯ブラシを選ばなくてはいけません。
毛先がなるべく細いものやタフトブラシなど、隙間に入り込むものが適しています。
また、音波歯ブラシや超音波歯ブラシなどの電動歯ブラシは効果的に汚れを除去できるためおすすめですが、強く歯に押し付けないように気を付けて使ってください。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。