イライラしたり、集中力が乱れやすくなったり、気分が悪くなったりする精神的な不調のことを、不定愁訴といいます。
頭痛や肩こり、めまいなどの肉体面での不調が起こることもあり、原因ははっきりとしないのですが症状が続くことが特徴です。
顎関節症と不定愁訴にどのような関係があるのか、解説します。
不定愁訴とは?
原因がはっきりとせず漠然としているものの、精神的な不調や肉体的な不調が続いている症状は、不定愁訴と呼ばれるものです。
不定愁訴には、神経症型や自律神経失調症型、抑うつ型という3つの類型に分けることができます。
身体面で現れることが多いのは頭痛、動機、めまい、吐き気、下痢などの症状です。
精神的な症状には、イライラや無気力、憂鬱、緊張、不安などの症状が現れることがあります。
身体的な不調によって精神面での不調が起こったり、反対に精神面での不調が身体的な不調につながったりすることもあるでしょう。
不定愁訴は世間の認知度がまだ低く、原因が明確ではないせいで症状が出たときに我慢する人もいます。
しかし、我慢し続けるのはよくありません。
なぜなら、現在発生している不調が別の不調の原因になる可能性があるためです。
その結果、症状が悪化することもあるでしょう。
症状が改善されず、長く続くようであれば原因について詳しく調べ、改善するよう努める必要があります。
不定愁訴は女性の方が起こりやすいといわれています。
特に若い女性は2人に1人が悩んでいるといわれているのです。
また、更年期の女性が発症するケースもよくあります。
しかし、ホルモンバランスの乱れや月経不順が原因となるとは限りません。
内臓の異常などの器質性疾患や身体に起こる異常、ストレスなどが原因となって、不定愁訴が起こることもあるのです。
女性は男性よりもストレスを感じることが多く、体の不調にも気づきやすい傾向があります。
特に、精神面でデリケートな女性は複数の悩みを抱えていると不定愁訴になることが多いため、注意しなければなりません。
顎関節症と不定愁訴の関係
不定愁訴になるのは、ストレスや悩みを抱える人や精神的にデリケートな女性が多い傾向があることは前述したとおりですが、実は顎関節症も同様にあてはまります。
顎関節症と不定愁訴に直接的な関係があるように思えないかもしれませんが、実は大きな関わりがあるのです。
顎関節症になると、噛み合わせが悪化して頭痛が起こったり、口が開けにくくなったりします。
また、口周りの筋肉に不調が起こったりします。
さらに、口の周囲の筋肉が圧迫されて頭痛や肩こりが起こり、頚椎がゆがんでめまいがすることもあるのです。
不調は身体面のものに限りません。
イライラや倦怠感、抑うつなどの精神的不調が起こることもあります。
不定愁訴の症状と顎関節症の症状には共通している点が多いため、不定愁訴になった原因が顎関節症だったというケースもあります。
噛み合わせが悪化した場合は、顎関節症だけではなく、不定愁訴においても大きな要因となるのです。
不定愁訴の原因となるものとして、全身の動きに合わせて筋肉が引っ張り合う症状により、下顎の位置にズレが生じ、頚椎や気管などが圧迫されて起こる痛みが挙げられます。
顎関節症によって起こる不定愁訴で代表的なのは、側頭骨の圧迫やゆがみなどで起こる痛みです。
側頭骨によって下顎位が圧迫されたり三半規管が偏ったりした場合には、耳鳴りやめまいが起こることもあります。
ほかに、下顎が後退したことで気道や気管が圧迫されると咳や痰がでることがあります。
睡眠障害が起こると不安やイライラ、頭痛などが起こることもあるでしょう。
下顎骨が後退すると頚椎が圧迫されて手が痺れることがあり、下顎がねじれると舌を噛みやすくなることもあります。
不定愁訴の症状が出て苦しく思っている場合には、顎関節症になっていないか否かも疑ってみた方がいいでしょう。
起床時に顎が痛くなっていたり、口を開けづらくなっていたりする場合は、顎関節症になっているかもしれません。
痛み自体はあまり強くなくても、歯ぎしりをしていたり無意識で噛みしめていたりする場合も考えられます。
その場合、顎や口腔内に違和感があったり、筋肉が張ったりすることもあるでしょう。
なお、親知らずの抜歯や治療のために歯を削った場合などは、噛み合わせのチェックもしておきましょう。
不定愁訴の症状が出て、顎や周辺で痛みや違和感が生じている場合には、まず専門医の診断を受けてください。
痛みや不調を隠し、抱え込んでいても治らないため、きちんと治療を受けなければなりません。
まとめ
不定愁訴は精神面で不安がある時などに起こるケースがよくみられます。
それだけでなく、顎関節症が原因となって起こることもあることに留意しましょう。
顎関節症が不定愁訴の原因となるケースとして、噛み合わせに問題がある場合や全身の骨格のバランスが崩れている場合が挙げられます。
不定愁訴が起きたら、原因となることが何かないか確認したうえで、早急に治療しましょう。
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