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【五反田で矯正治療】舌小帯短縮症について

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口内にある組織の中には、舌小帯というものがあります。
この舌小帯が元々短い舌小帯短縮症という病気があるのをご存じでしょうか。
舌の動きを制限してしまうことになりますが、具体的にどのような病気なのでしょうか?
舌小帯短縮症について解説します。

舌小帯短縮症とは?

舌の裏側には、ヒダのような舌小帯というものがついています。
人によっては、舌小帯が生まれつき短かったり、ヒダが舌の先に近いところについていたりすることがあり、舌小帯短縮症と呼ばれています。
舌小帯短縮症は、舌強直症、舌小帯癒着症、舌癒着症などの名称で呼ばれることもあります。

舌小帯短縮症になると、舌を前に突き出したときに特徴的な症状が出ます。
それは、先端がくびれ、ハートのような形に見えることです。

どのように診断するのか

舌小帯の短縮の程度は舌の先を動かすことのできる状態で、軽度・中等度・重度に分類することが可能です。

分類の方法は意外にも簡単です。
口を大きく開けた状態で舌を動かしてみて、上顎につけたときの状態がどのようになっているのかで、判断します。

軽度であれば口の大きさの半分程度、舌を上げることができます。
半分まで届かない場合には、中度に分類されるでしょう。
もしも舌が下顎の歯を超えることができないくらいにしか上がらないようであれば、重度の可能性が高いと判断することが可能です。

軽度の状態の場合、舌小帯が細いひものようになってはいても、舌を比較的自由に動かすことができます。
早口言葉でラ行を言おうとしたときに、舌が回らないことがあるかもしれません。
しかし、日常生活の中では特に支障となることはないでしょう。

中等度になると、舌を前に出したときに先がハート型にくびれてしまいます。
舌小帯がヒダに見えたり、白い紐のように見えたりすることもあります。
人によっては、膜状に見えることもあるでしょう。
中程度になると、舌先は上顎まで届きません。
しかし、口の開き方を小さくすれば、なんとか上顎に届くような状態となります。

舌小帯の短縮が中程度の場合、唇をゆっくりなめることが困難です。
人によっては、口の横に先端をつけることもできないケースもあるでしょう。
発音は一部が不明瞭になってしまいます。
特に早口で言葉を発すると、舌がうまく回らないことがあるでしょう。

また、唇についた食べものを舌でなめることができない、ソフトクリームをなめられないといった悩みを持っている人もいます。

重度になると、舌をほぼ上にあげることができません。
それだけでなく、前に突き出すこともほぼできなくなるのです。

舌小帯が短縮した状態が軽度のケースであれば、発音や飲食などに特段の問題が生じることはないため、治療の対象にはなりにくいでしょう。
しかし、中等度や重度の場合は発音や哺乳、摂食などさまざまな点で障害があるため治療が必要です。
治療を受けることで、改善される可能性が高くなります。

発音にはどのような障害がある?

舌小帯短縮小になると、多くの場合、活舌が悪い、早口ことばが言えない、長時間動かしていると舌が疲れる、早く話そうとすると舌が回らないといった悩みを持っています。
発音障害が起こるとしても比較的軽度となることが多いのですが、舌の運動に制限があるために、話しにくさを感じている方がほとんどです。

具体的な症状としてまず挙げられるのは、タ行音やサ行音を発音するときに、舌を上下の前歯の間に挟んで発音する歯間音化が起こることです。
また、ラ行音が歪んでしまい、「~られる」などラ行音がつづく言葉やスピードの速い会話だと、発音が不明瞭になってしまうことがあります。

口を開けにくいため、口をあまり開けずに小さな声で話してしまい、発音がしづらいというケースも見られます。

舌小帯短縮症の治療方法は?

舌小帯短縮症に対する治療には手術の他に機能訓練もあります。
軽度の場合は舌の動かし方をトレーニングするだけでも症状の軽減が望めるのです。

しかし、トレーニングだけでは舌を動かしやすくするのが難しいという場合には、舌小帯を切除して動きを阻害する原因を取り除く施術を行います。
手術を行った後は舌が動かしやすくなりますが、きちんと動かすことができるように機能訓練を行う必要があるでしょう。

舌小帯短縮症は幼児にも表れることが多い病気であるため、さまざまな不安を抱える人も数多くいます。
例えば、「手術は何歳くらいからできるのか」という疑問を抱く人もいるかもしれません。
うまく母乳を飲めなければ、新生児でも治療の必要があるでしょう。

具体的な手術の期間は症状によって異なり、短縮の程度や、機能にどのくらい障害があるかによって決まります。

手術をするのに入院は必要なのか疑問に思う人もいるでしょう。
舌小帯短縮症は外来で治療を行うケースが多いのですが、局所麻酔で治療するのが難しい場合のみ、入院を検討します。

「手術の時には全身麻酔をするの?」と不安に思う人もいますが、ほとんどの場合、舌に局所麻酔をするだけで全身麻酔は必要ありません。
ただし、局所麻酔だとじっとしていられない低年齢の方の治療であれば、全身麻酔による手術を検討することもあるでしょう。

また、生まれたばかりの子どもであれば麻酔をせずに切除するという処置のみを行う場合もあり、症状や患者様の状態によって対応は異なります。

手術中や術後の痛みについては、局所麻酔時に多少痛むものの、術中に痛くなることはありません。
麻酔が切れると痛みがあるかもしれませんが、手術の次の日には痛みが引くことがほとんどで痛み止めも処方されます。

手術した当日の食事については、痛みの状態にもよりますが、麻酔がきれれば食事をしても問題ありません。
ただし、なるべく柔らかいものを選んで食べると、負担がかかりにくくなります。

「手術の費用について保険が適用されるか?」という疑問を抱く人もいるでしょう。
舌小帯短縮症の手術には保険が適応されます。
ただし、手術前後に行われる舌の機能訓練については保険が適応されないことが多いです。

なお、舌の機能訓練のタイミングは、手術後に抜糸をしてからです。
訓練の状態や、発音障害がどの程度なのかにもよりますが、おおよそ1ヶ月に1回か2回、術後3ヶ月間程度トレーニングを行います。

また、舌小帯短縮症には先天性のものと後天性のものがあり、後天性の場合は舌から口唇における手術や外傷などの原因で、舌の運動が妨げられてしまうことがあります。
一方、先天性の原因は、胎生早期における舌発育過程の残遺像として考えられているのです。
さらに、出生後における舌の発育と舌小帯の退縮との不調和が加わることで、病気として成立するものと考えられています。
もともと舌小帯が短い場合は、なるべく早く治療をしなくてはなりません。
しかし、小さな子供の治療は困難なこともあるでしょう。
治療をしなければうまく母乳が飲めない可能性もあるため、医師と相談しながら手術が必要になるかどうかを相談してみてください。

まとめ

口内にある舌小帯が短くなっていることを舌小帯短縮症といいます。
舌の動きが妨げられる原因になり、口をうまく動かせないことがあるでしょう。
舌小帯短縮症には3つの段階があり、軽度の場合、特に治療の必要はありませんが、重度になるとさまざまな支障が出てしまいます。
原因には先天性のものと後天性のものがあり、生まれたときは問題なくても、後から問題が発生する可能性があるということを覚えておきましょう。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。