歯を失ったときの治療方法として、インプラントは選択肢の1つになります。
ただし、全部の歯がなくなった場合に、すべてインプラントにするのは難しいでしょう。
総入れ歯が選択肢となりますが、インプラントとは違い、しっかりと噛めません。
そんな総入れ歯の欠点をカバーするのが、インプラントオーバーデンチャーです。
インプラントオーバーデンチャーとはどのような治療か、解説します。
インプラントオーバーデンチャーとは?
失った歯を補うための治療であるインプラントは、独立した状態であり、他の歯に影響を及ぼすことは基本的にありません。
天然歯のような見た目を実現でき、しっかりと噛めることが魅力ですが、歯が1本もない場合に全てインプラントにするのは非現実的です。
不可能ではありませんが、膨大な時間と治療費がかかってしまいます。
そのため、歯が全くなくなった場合には、総入れ歯を選ぶケースが多いでしょう。
ただし、総入れ歯にするとしっかりと噛むことができず、ふとした拍子に外れてしまうこともあります。
このような総入れ歯の欠点をカバーするのが、インプラントオーバーデンチャーです。
インプラントオーバーデンチャーとはインプラントと入れ歯を組み合わせた治療方法で、数本のインプラントで全体を支えるという方法です。
顎の骨にインプラント体を2~6本埋入して、アタッチメントと呼ばれるパーツを装着します。
入れ歯も用意してアタッチメントに対応したパーツを埋め込むことで、インプラントで入れ歯を支えるのです。
こうすることで、外れやすい、噛みにくいなど、入れ歯の抱えるさまざまな問題が解消され、快適に使用できるようになります。
また、全てインプラントにする治療と比べると治療費も抑えられ、手術による体への負担も軽減できます。
さらに、総入れ歯だけでなく、部分入れ歯でも適用可能です。
特徴とメリット、デメリット

インプラントオーバーデンチャーは数本のインプラントで入れ歯全体を固定できますが、どのようなメリットがあるのでしょうか?
まず挙げられるのが、安定性の高さです。
インプラントを土台にするため、歯茎を土台にする通常の入れ歯よりもしっかりと固定されます。
安定性が高いため、食事の際にしっかりと噛めて、唇や舌の動きを邪魔することもなく、スムーズな会話が可能です。
したがって、インプラントオーバーデンチャーにすることで、入れ歯の「力を入れて噛むことが難しい」「話しづらい」といった問題が解消されるでしょう。
メンテナンスしやすいのも、メリットです。
インプラントオーバーデンチャーのお手入れ方法は、通常の入れ歯と同じで問題ありません。
入れ歯と同様に取り外しが容易なので、しっかりと清掃できます。
そのため、清潔な状態を維持できるのです。
コストが抑えられるのもメリットといえます。
インプラントオーバーデンチャーはわずか数本のインプラントだけで歯並び全体を支えるため、手術や費用などを抑えられるでしょう。
例えば、通常のインプラントで全体の歯を補う場合、上下どちらかだけでも14本、両方となると28本のインプラントが必要です。
その点、インプラントオーバーデンチャーは、上下どちらかであれば4本前後、上下両方でも10本前後のインプラントで全体をカバーできます。
さらに、顎の骨の状態を維持できるのも、インプラントオーバーデンチャーのメリットです。
インプラントオーバーデンチャーは顎の骨にインプラントを挿入します。
そのため、インプラントと同様に、噛んだときの刺激を顎に伝えられるのです。
顎の骨は刺激を受けなくなると少しずつ吸収されて痩せてしまいます。
しかし、インプラントであれば顎の骨が痩せるのを抑制する効果が期待できるのです。
一方、インプラントオーバーデンチャーのデメリットとして、通常の入れ歯よりも高額になる点が挙げられます。
確かに、インプラントオーバーデンチャーはインプラントよりも安価です。
しかし、インプラントの一種であることから、基本的には保険が適用されない自由診療に分類されます。
治療費は全額自己負担で、保険診療の入れ歯よりも高額になってしまうのです。
ただし、医療費控除の対象となるため、申請すれば治療費を軽減できます。
外科手術が必要なのも、インプラントオーバーデンチャーのデメリットです。
インプラントを固定するためには、顎の骨に穴を開けてインプラントを埋入する必要があり、必ず外科手術が伴います。
ただし、高血圧や心臓病、糖尿病などいくつかの病気があると外科手術ができないこともあるため、注意が必要です。
事前に持病があると伝え、手術が可能かどうかも含めて検討しましょう。
インプラントオーバーデンチャーが適した人
インプラントオーバーデンチャーは万人に適した治療法というわけではありません。
果たしてどのような人に適しているのでしょうか?
まず挙げられるのは、総入れ歯になってしまっている人です。
入れ歯は総入れ歯と部分入れ歯のどちらにも適応する治療ですが、特に総入れ歯の方で今の状態に不満があるという場合に、インプラントオーバーデンチャーは適しています。
総入れ歯になると、部分入れ歯以上に「噛みにくい」などの不満が出やすい傾向があります。
インプラントオーバーデンチャーにすることで、不満の多くが解消されるでしょう。
特に、総入れ歯になってから咀嚼に関して不満を抱いていた場合には、しっかりと力を込めて噛めることから、快適に過ごせるようになります。
また、治療費や手術の負担がネックとなり、インプラント治療をためらっている場合にも、インプラントオーバーデンチャーは向いています。
全ての歯をインプラントにするのと比べて、必要な本数がかなり少なくなるため、治療費も手術の負担も大きく抑えることが可能です。
さらに、部分入れ歯にしたものの、安定性の面で不安がある、という人にも適しています。
インプラントオーバーデンチャーすることで、部分入れ歯の安定性を高めることが可能です。
全体でしっかりと噛めるようになるうえに、部分入れ歯であれば必要なインプラントの本数がより少なくなるため、治療費も安くなるでしょう。
加えて、顎の骨が痩せて、すわりの悪い状態にならないようにしたい場合にも、インプラントオーバーデンチャーは適しています。
なぜなら、顎の骨が痩せるのを防止できるからです。
総入れ歯の場合、顎の骨が痩せると歯茎にフィットしなくなってしまいます。
総入れ歯は歯茎と密着させることで安定しますが、入れ歯の作製時より顎の骨が痩せると隙間ができてしまうのです。
隙間ができるとぐらつくだけでなく、細かい食べかすなどが入り込みやすくなります。
歯茎と入れ歯の隙間に挟まった食べかすが硬いと、噛むたびに痛みが生じて不快になるでしょう。
インプラントオーバーデンチャーは顎の骨にインプラントを挿入します。
顎に刺激を伝えることができるため、顎の骨が痩せにくいのが特徴です。
入れ歯が抱える「合わなくなって隙間ができる」といった問題はなくなります。
まとめ
インプラントオーバーデンチャーは、数本のインプラントを埋入してアタッチメントをつけ、入れ歯をアタッチメントで固定するという治療です。
入れ歯と比べて噛む力が強く、顎の骨に刺激を伝えて吸収を抑制できるのがメリットといます。
一方、自由診療であることから、入れ歯よりも治療費が高額であるのが難点です。
それでもインプラント治療よりは安価にできます。
入れ歯になってからあまり噛めなくなったケースや、費用を抑えてインプラント治療を受けたいケースに向いているでしょう。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。


