インプラント治療は、どの歯に対しても行うことができます。
しかし、場所によっては注意が必要なことがあるのです。
特に注意したいのが、奥歯をインプラントにした場合です。
その場合、どのような点に注意すればいいのでしょうか?
奥歯にインプラント治療をした場合の注意点について、解説します。
奥歯のインプラントに求められる役割とは?
人間の歯は、前歯と奥歯で形状が異なっています。
なぜなら、役割が異なっているからです。
それぞれ、どのような役割を求められているのでしょうか。
まずは前歯の役割について説明します。
前歯には、食べ物を噛み切って食べやすい大きさにする、という役割があります。
それだけでなく、発音においても大きな役割があります。
また、前歯は口を開けた時に真っ先に見える場所にあるので、審美性にも大きく関わってきます。
それに対して、奥歯は口に入れた食べ物をすりつぶして、飲み込みやすくする役割があります。
奥歯をすり合わせてしっかりと食べ物を柔らかくしていかなければ、消化の際、胃腸にかかる負担が大きくなってしまいます。
また、奥歯をしっかりと噛むことで、力を入れやすくなります。
そのため、奥歯のインプラントに求められる機能として最も重要なのは、しっかりと噛むことができる、ということです。
奥歯のインプラント治療を受ける際の注意点
奥歯のインプラント治療を受ける際に、大切なのは手術の前です。
インプラントの埋入手術を受ける前に、しっかりと準備をする必要があります。
手術前の注意点について、解説します。
まず、手術の前には必ずCT撮影を受けましょう。
通常のレントゲンでは、2次元にしか撮影できないので平面的にしか見ることができません。
それに対しCTは、3Dで撮影できるため、歯茎の奥までしっかりと確認できます。
CTで確認するのは、骨の量です。
インプラントを埋入するには、十分な骨の量が必要になります。
骨が足りない場合は、増骨の処置も必要となるでしょう。
そのほかに、CTでは血管や神経の位置なども確認します。
特に下顎管には大きな血管や神経が通っているので、手術中に誤って血管や神経を傷つけないようにする必要があります。
また、持病がないかも調べておきましょう。
インプラントには外科手術が必要なので、全身疾患などがあると手術ができないこともあるのです。
例えば、心臓病や糖尿病、肝臓病、腎疾患、高血圧、骨粗しょう症などがあると、手術ができない可能性が高くなります。
投薬などでコントロールして手術が可能になることもありますが、日常的に服用している薬の種類によっては手術が不可能なこともあるので気を付けましょう。
また、歯周病になると毒素が発生し、歯茎や歯槽骨などが炎症を起こして溶けてしまいます。
天然歯が歯周病になっていると、インプラントにもインプラント周囲炎が起こる可能性が高くなるため、せっかくインプラント治療をしてもそのうち抜けてしまうかもしれません。
そうならないよう、その場合には先に歯周病の治療をしなければならないのです。
喫煙者は、インプラント治療にリスクが生じます。
ニコチンやタール、一酸化炭素などが含まれていて、血流の悪化や免疫力の低下などが生じ、骨とインプラントが結合しにくくなってしまうのです。
奥歯にはしっかりと噛むことができる役割が求められていますが、骨とインプラントの結合が強固でなければそれができません。
喫煙は、奥歯のインプラント治療を困難にさせてしまうのです。
日常生活での注意点
奥歯のインプラント治療では、日常生活においても注意が必要です。
まず、毎日のセルフケアは欠かさないようにしましょう。
インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病になる可能性があるのです。
手術後に、骨とチタンがしっかり結合するまでは、せんべいなどの硬い食べ物を食べたり、奥歯を食いしばったりしないようにしましょう。
強い力をかけすぎると、しっかり結合できずにインプラントがぐらついたり、抜けたりしてしまいます。
歯周病予防として、毎日丁寧に歯磨きをして歯垢を落としましょう。
インプラントの上部構造はセラミックなので汚れは付きにくいのですが、歯茎との間には歯垢が溜まりやすいのです。
歯ブラシだけでは汚れが落としきれないのであれば、デンタルフロスや歯間ブラシなども使い、歯の隙間までしっかりと汚れを落としてください。
放置していると、隙間はさらに広がっていくので注意しましょう。
また、歯垢を放置していると歯石になり、通常のケアでは落とすのが難しくなります。
そうならないうちに、歯垢をしっかりと落としてください。
そのためにも、歯科医院でクリーニングを定期的に受けましょう。
インプラントでしっかりと噛める状態をキープするには、歯科医院でのメンテナンスを受けることも大切です。
インプラント治療後は定期的にメンテナンスを受けるよう案内されるので、忘れずに受けるようにしてください。
メンテナンスでは、歯科衛生士がインプラントの周辺の汚れを専用の機器で除去し、インプラント周囲炎にならないようにしてくれます。
インプラント周囲炎の原因となるのは歯周病菌の感染なので、天然歯が歯周病になることも防ぐことができるのです。
また、歯垢や歯石なども徹底的に除去してくれるので、歯をきれいに保つことができまsう。
メンテナンスは、3~6カ月ごとに受けるようにしましょう。
まとめ
奥歯は、他の歯よりも噛む力が強いため、インプラント治療の際には注意が必要です。
また、インプラント治療を受ける際は、手術の前から様々な点に注意しなくてはいけません。
手術後も定期的にメンテナンスを受け、セルフケアも欠かさないようにする必要があります。
天然歯と同様に違和感なく使えることがインプラントのメリットなので、できるだけ長持ちさせるためにも、日々のセルフケアと定期的なメンテナンスは欠かさないようにしましょう。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。