歯並びを整える歯列矯正では、歯に着ける矯正装置を使用します。
矯正装置にはいくつかの種類があり、マルチブラケット装置もその1つです。
マルチブラケット装置というのは、どのような矯正装置なのでしょうか?
マルチブラケットの特徴やメリットについて、解説します。
マルチブラケットとは?
一般的な歯列矯正では、歯の表面に金属製のブラケットという金属板を着け、ブラケットにワイヤーを通して歯を移動させていきます。
金属製のブラケットを使用する治療を、金属ブラケットといいます。
ブラケットには金属製以外に、白いセラミックや透明なプラスチックなど、目立ちにくいものもあります。
また、ワイヤーにもステンレス製のものやチタン合金製のものなどがあります。
マルチブラケット装置は、ブラケットとワイヤーを使用する矯正装置の総称です。
ブラケットを矯正する歯の表面に1本ずつ歯科用接着剤で貼り付けていき、ワイヤーによって歯を3次元的に動かしていきます。
従来から行われている、金属を使用した矯正装置であるメタルブラケットも、マルチブラケット装置の一種です。
マルチブラケット装置を装着する際は、歯の表面をしっかりと清掃して歯の汚れを落とします。
汚れがあると貼り付きにくくなるため、研磨剤を使用して徹底的にブラシで汚れを落とします。
装置を装着している時は、プラスチック製の器具で唇と歯がくっつかないようにして、歯の表面が唾液で湿らないように注意して行います。
装置の接着力を高めるために、歯面はエッチング剤を塗布して酸処理によって洗浄します。
歯の表面が乾燥したら、ブラケットを1つずつ貼り付けます。
接着したら、接着剤が硬化するまで5分ほど待ち、接着が完了したらワイヤーを通してそれぞれの歯を結んでいきます。
子どもの歯列矯正でマルチブラケット装置を使用するのは、通常であれば永久歯が生えそろってから行う2期治療となります。
また、前歯だけなど部分的に行うことが多いでしょう。
マルチブラケット装置のメリット
マルチブラケットでは、様々な種類のブラケットやワイヤーを使用することになるため、メリットは種類によって異なる点も多いのです。
共通するメリットや、種類によるメリットを解説します。
マルチブラケット装置による歯列矯正は、ほとんどの歯並びの治療に対応できるというのが大きなメリットです。
最も基本的な矯正治療の方法なので、幅広く対応しているのです。
歯の移動を精密に行うことができるため、見た目だけではなく噛み合わせについてもより完ぺきに近い仕上がりにできます。
人気のあるインビザラインでは無理な歯並びも、マルチブラケットなら完璧に近い矯正が可能となるのです。
また、マルチブラケットは多くの矯正医が対応できる点もメリットです。
インビザラインなどマウスピース型矯正装置の場合は、歯科医院によって扱っている種類が異なることも多いため、引っ越しをしたときに治療が最初からとなることもあります。
マルチブラケット装置であれば、どの歯科医院でも治療を引き継ぐことができるのです。
マルチブラケットのうち、金属製のブラケットを使用する場合のメリットは、他の矯正治療よりも治療費が安いというのがメリットです。
また、金属製で丈夫なため、壊れる可能性はほとんどありません。
透明なプラスチックのブラケットを使用する場合は、ワイヤーは金属製となるものの金属ブラケットと比べて目立ちにくくなります。
料金は金属ブラケットよりは高くなるものの、極端な差があるわけではありません。
透明ではなく、歯に近い白となるセラミックのブラケットも選ぶことができます。
前歯だけセラミックにするということも可能で、透明な物よりも目立ちにくいブラケットです。
マルチブラケット装置のデメリット
マルチブラケット装置は多くのメリットがあるのですが、デメリットもあります。
デメリットは、多くのブラケットに共通したものです。
どのようなデメリットがあるのか、解説します。
マルチブラケット装置はどの歯科医院でも扱っているものですが、歯科医の技術力によって治療の結果が変わってきます。
どこでも受けられるからこそ、比較対象が多くなるのです。
マルチブラケット装置は、一度装着した後は基本的に矯正治療が終わるまで着けたままとなります。
装置の隙間に食べ物のかすが挟まって、虫歯の原因になることもあるため、定期的にチェックしてもらう必要があるでしょう。
個人差はあるものの、装置を装着してからしばらくの間は痛みを感じる人もいます。
慣れてくれば痛みは引きますが、最初のうちはつらいと感じるかもしれません。
「痛くて食事ができない」等、日常生活に支障が出るほどの痛みが続く場合には、市販の痛み止めを服用しましょう。
まとめ
マルチブラケット装置とは、ブラケットとワイヤーを使用する歯列矯正装置の総称です。
ブラケットには金属製やプラスチック製、セラミック製などがあり、ワイヤーにもステンレスやチタン合金などのものがあり、太さにも違いがあります。
幅広い症例に対応できる矯正装置であり、どの歯科医院でも治療を受けられます。
装着中は虫歯になりやすいため、注意してください。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。