歯並びを矯正する箇所が前歯だけの場合は、部分矯正で治すことができるかもしれません。
部分矯正の場合、治療をするのに適したタイミングというのはあるのでしょうか？
部分矯正をするのにちょうどいいタイミングはいつか、ライフイベントに合わせて解説します。
部分矯正とは？
歯並びが不ぞろいな場合は、矯正治療を受けて歯を正しい位置に動かしていくことができます。
矯正治療では、歯に矯正装置を装着して歯を動かしていきます。
歯が歯列から飛び出しているなどだけではなく、噛み合わせが悪い場合も矯正治療で治すことが可能です。
動かす必要がある歯が前歯だけの場合は、部分矯正という矯正治療の方法で治すことが可能です。
通常は全体の歯を動かしますが、部分矯正は前歯だけを対象に矯正治療を行います。
部分矯正で動かす歯は、前歯のうち最低2本、最大でも8本までです。
動かす歯が少ない分、全体を対象にした矯正治療と比べると治療にかかる期間も短く、治療費も安く済みます。
全体の矯正の場合には2年以上かかることも多いのですが、部分矯正は2ヶ月～1年ほどで終えることが可能です。
急いで矯正治療をしたい場合は、部分矯正で前歯だけ治療して、残りは後から治療するという方法もあります。
ただし、部分矯正は全ての不正咬合、歯並びの悪さに対応できるわけではありません。
対応しているのは、一部の不正咬合だけです。
対応している不正咬合について、解説します。
まず、代表的な不正咬合が上顎前突、いわゆる出っ歯です。
日本人には特に多く、前歯が出っ張っているために、口元も膨らんで見えます。
前歯の出っ張りが大きい場合、口が閉じにくくなる点が問題です。
そのせいで、唾液が口の端から漏れることもあります。
口がわずかにでも常に空いている状態では、口の中が乾燥しやすくなったり、食べ物を前歯で噛み切ることができなくなったりします。
上の前歯の中心に隙間が空いている状態がすきっ歯で、正式には正中離開といいます。
隙間が中心部のみならず何か所もあると、空隙歯列です。
中でも中心の隙間は目立つため、見た目が気になる人も多いでしょう。
加えて、隙間から息が漏れるため発音にも影響が出ます。
出っ歯とは反対に、下の歯が出っ張っている状態を下顎前突といいます。
いわゆる受け口で、活舌が悪くなったり前歯で食べ物を嚙み切ることができなくなったりする点がデメリットです。
下顎前突の場合、部分矯正で治療できるのは、歯の向きが前になっているケースだけです。
下顎全体が前に出ていると、外科矯正で治療しなければなりません。
犬歯が前に突出していて歯が二重に生えている八重歯の治療は、小臼歯を抜歯しなければならないため、部分矯正では対応していません。
八重歯の治療は、全体の矯正治療を行う必要があります。
部分矯正に適したタイミングは？
部分矯正を行うタイミングとして、いつが適しているでしょうか？
例えば、高校生の場合は在学中よりも、卒業後の進路が決まって新しい生活を始める準備をする際に部分矯正をする人もいます。
20歳前後では、成人式を意識して歯並びを整えようとする人が多くなります。
また、留学などに備えて矯正治療を行う人もいます。
成人年齢は18歳に引き下げられましたが、成人式はまだ20才を対象に行うという自治体が多いようです。
大学生活も後半になると、就職活動に備えて矯正治療を始める人もいます。
履歴書の写真や面接で、少しでも相手にいい印象を与えるために治療する人もいれば、就職が決まってから社会人生活に備えて治療するという人もいます。
社会人1年目は、生活に余裕がなく、矯正治療を始める人は少数派です。
社会人2～3年目には新生活にも慣れてきてお金もためることができるため、治療を始めるという人もいます。
女性の場合、結婚が決まったタイミングで部分矯正を行う人もいます。
結婚式への準備として行い、結婚写真にはなるべくきれいな姿で写りたい、と考えて治療するのです。
部分矯正は治療期間が短いため、結婚が決まってからでも間に合うことが多いでしょう。
出産後も、部分矯正をする女性が増えるタイミングです。
また、子どもが幼稚園や小学校を受験する際に、面接対策として部分矯正をする人もいます。
30代半ばから40代にかけては、アンチエイジングの一環として矯正治療を行う人がいます。
50代、60代になると、子どもの矯正に合わせて自分も行うことがあります。
年代を問わず共通しているのが、すでに一度矯正治療を受けていて、後戻りしてしまったので再治療をしたいという人です。
後戻りは全体の矯正ではなく、部分矯正で対応できることが多いのです。
まとめ
部分矯正とは、前歯を2本から8本だけ矯正治療で動かす治療です。
全体を動かす矯正治療と比べて、対象が前歯だけなので治療にかかる期間が短く、治療費も安くなることがメリットです。
ただし、対応できる不正咬合の種類は限られていて、抜歯が必要な矯正などはできないので、注意してください。
年代ごとに矯正治療を受ける理由は異なりますが、気になった時はいつでも受けましょう。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。