不正咬合とは、歯がまっすぐ生えていない状態や噛み合わせがずれている状態のことをいいます。
不正咬合にはさまざまな種類があり、また、症状の種類に応じていくつかの種類があります。
不正咬合の一種である正中不一致とは、どのような症状なのでしょうか?
正中不一致について、解説します。
正中不一致とは?
歯は、上下とも同じ本数であり、奥歯を噛んだ時に触れる歯は基本的に同じペアとなっています。
上下で歯の大きさは異なるものもありますが、前歯の中心部は上下ともに揃っています。
歯の中心部を通る線のことを、正中線といいます。
通常は上下の歯それぞれの真ん中を通る正中線ですが、中には歯の中心が上下でズレている人もいるのです。
正中線がずれている不正咬合を、正中不一致や正中線不一致といいます。
正中線がズレる原因として、上の歯と下の歯それぞれの歯の大きさが左右で異なる、ということがまずは考えられます。
人間の体は、基本的に左右対称にできています。
目や耳、手、足など、左右に同じものがある場合はほぼ同じ大きさでしょう。
しかし、人によっては左右の大きさに違いが生じるケースもあります。
歯も同じで、左右で大きさが異なることがあるのです。
歯の大きさが違うと、中心もずれてしまいます。
その結果、正中線にずれが生じるのです。
また、片側だけに八重歯が生えていたり、先天性欠損で生えてこない歯があったり、反対に過剰歯という通常とは異なる歯が歯茎の中にあることで、歯の位置がずれてしまうこともあります。
さらに、顎の骨が歪んだりずれたりしているせいで、バランスが崩れていることもあります。
頬杖などで、片側にだけ圧力をかけることが多い場合や、遺伝などでも顎の骨格のバランスが崩れることがあります。
顎の骨は、歯の土台であり歯並びを決める大切なものです。
顎の骨のバランスが崩れてしまうと、歯も左右で対象にはならなくなるのです。
歯がずれることで、正中線もずれてしまいます。
正中不一致を放置するリスク
正中不一致になった場合は、治療が必要でしょうか?
また、放置しておくと何らかのリスクがあるのでしょうか?
正中不一致の治療の必要性と、リスクについて解説します。
正中不一致になった場合は、顔や口元が歪んで見えてしまうこともあります。
見た目を気にする人であれば、コンプレックスになるかもしれません。
しかし、問題は見た目だけにとどまりません。
正中線がずれている場合、そのずれ方が大きいと、歯の大きさなどが著しく違う可能性もあります。
放置していると、咀嚼に問題が生じてうまく噛めないこともあるでしょう。
また、発音にも支障が出て、きれいに発音できなくなる可能性もあります。
さらに、顎の骨に大きな負担がかかってしまい、顎関節症の原因となることもあるのです。
噛み合わせや歯並びに問題がなければ、無理に治療する必要はありません。
そもそも、完全な左右対称となるのは難しいので、元々ズレはあるのです。
多少のズレなら、あまり気にする必要はないでしょう。
正中不一致の治療を行う場合は、歯列矯正を行うケースが多いでしょう。
しかし、骨格のゆがみが原因で正中線がズレている場合は、矯正治療だけでは治療できないかもしれません。
顎の骨が曲がっているなど、骨格が対称ではないため正中不一致が起こっている場合には、歯列矯正を行う前に外科手術を行わなくてはならないこともあります。
一度検査を受けて、必要な治療を確認しましょう。
歯列矯正によって歯を移動させることでズレが改善できる場合は、ワイヤー矯正などで治療を行います。
場合によっては、インビザラインでの治療が可能なケースもあるでしょう。
子どもの正中線のずれが気になる時は、なるべく早く専門医で診察を受けることをおすすめします。
早めに対処することで、将来外科手術が必要になるケースを回避できることもあるのです。
子どもの歯列矯正は、大人とは違って顎の成長のサポートもできるため、左右対称になるよう促すことも可能です。
顎の骨が成長するタイミングは身長と同じように決まっているので、ベストなタイミングを逃さないようにしましょう。
正中不一致が気になった場合は、まず歯科医院を受診して原因をはっきりさせましょう。
原因に応じて、適切な治療を提案されます。
治療内容を聞いて、治療を受けるかどうか決定してください。
まとめ
不正咬合の一種が、正中不一致です。
正中不一致は、歯の中心部分がずれている状態のことを指します。
前歯の中心の歯が、左右で大きさが異なる場合や八重歯、過剰歯、片側だけに八重歯がある場合などに、起こりやすい症状です。
正中不一致は、特に噛み合わせなどに問題がなければ、治療をしなくても問題はありません。
しかし、噛みにくいなどの問題がある場合には、矯正治療を受けましょう。
東京都品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。