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【五反田の歯医者】歯周病予防に効果的な栄養素について

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歯周病予防の基本はプラークが付着しないようにすることで、毎日のブラッシングや定期的な歯石除去が有効です。

また、歯周病予防につながる栄養素を摂取することでも、発症しにくい環境を作れます。

今回は、歯周病予防に効果的な栄養素について解説します。

歯周病予防に効果のある主な栄養素

歯周病になりにくい環境をつくるには、日々の食事において、以下の栄養素を摂取することを意識しましょう。

・ビタミンC

・ビタミンB群

・カルシウム

・マグネシウム

・ビタミンD

・ビタミンK

・アミノ酸

・硫黄化合物

各栄養素の詳細を説明します。

ビタミンC

ビタミンCは歯茎の健康を保つのに必要不可欠な栄養素であるため、歯周病予防に効果的です。

皮膚や血管の老化を防止し、免疫力を高める働きを持つ抗酸化ビタミンであり、コラーゲンの合成に働きかけ、骨を丈夫にしたり、肌にハリを持たせたりする効果があります。

ビタミンCは、体内に入ると小腸の上部から吸収されて肝臓に運ばれ、肝臓から血液によって全身に運ばれます。

多くの動物は体内でビタミンCをつくり出す仕組みを持っていますが、人間やモルモット、サルなどに限っては、自身でビタミンCを合成できないため、食事などで摂取しなければなりません。

歯周病にかかった歯茎は、コラーゲン線維が壊れている状態です。

ビタミンCはコラーゲンの合成を促進するため、歯茎を健康に保つ上で必要不可欠な栄養素であるといえます。

なお、ビタミンCが多く含まれる食品は次のとおりです。

・ピーマン

・ブロッコリー

・レモン

・芽キャベツ

・ゆず

・キウイ など

ビタミンB群

ビタミンB群は、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種の総称です。

ビタミンB複合体とも呼ばれ、生体内では主に酵素を助ける補酵素として働きます。

特に歯周病予防に効果的なのが、ビタミンB6、B12、葉酸の3つです。

ビタミンB群は水溶性ビタミンのため、体内で使用しなかったものは尿などから排出します。

身体に貯めておけないため、毎日摂取しなければいけません。

歯周病予防に効果的なビタミンB6、B12、葉酸の3つは、血中ホモシステイン値を低下させ、良質なコラーゲンを保ち、骨や歯茎の健康を維持する効果があります。

以下の食品を摂取すれば、体内に採り入れることが可能です。

・ビタミンB6:カツオ、マグロ、肉類 など

・ビタミンB12:魚介類、レバー など

・葉酸:ホウレンソウなどの緑黄色野菜、小麦、マッシュルーム など

カルシウム

カルシウムは歯の主要な構成要素のため、歯周病など歯に関する疾患を予防するのに効果的です。

カルシウムは人体にもっとも多く存在するミネラルであり、その重量は体重の1~2%を占めています。

リンやマグネシウムとともに、丈夫な身体の土台となるもので、血液が固まるのを助ける効果や、ストレスを軽減する効果などもあります。

なお、カルシウムが持つ唾液の緩衝能、再石灰化促進作用は、虫歯予防にも有効です。

主に以下の食品から摂取できます。

・チーズ

・牛乳

・しらす干し

・モロヘイヤ

・大豆製品 など

マグネシウム

マグネシウムは、体内でおよそ300種類以上もの酵素の働きを助けるミネラルの一種であり、骨や歯の発育・強化に役立ちます。

そのため、歯周病予防にも有効です。

マグネシウムは体内で行われるほとんどすべての生合成、代謝の働きに関与するもので、人間の体内にはおよそ25g存在します。

通常の食事をしている場合、マグネシウムが不足することはほぼありません。

ただし、睡眠不足や運動不足が続いているとき、ストレスが多いときなどには、体内のマグネシウムが消費されるため、必要量が多くなります。

前述したとおり、マグネシウムは、カルシウムなどと同様に骨や歯の発育、強化を行ってくれます。

そのため、カルシウムとあわせて摂取することで、歯周病の予防効果を高められるのです。

マグネシウムは主に以下のような食品に含まれているため、意識して摂取しましょう。

・大豆製品

・玄米

・アーモンド

・ゴマ

・ひじき など

ビタミンD

ビタミンDは、脂溶性のビタミンであり、丈夫な身体づくりには欠かせない栄養素であり、歯周組織の強化に役立ちます。

ビタミンDには、植物性食品に含まれるビタミンD2、動物性食品に含まれるビタミンD3があります。

これらの総称がビタミンDです。

体内に採り入れられたビタミンDは、小腸から脂質と一緒に吸収され、肝臓と腎臓の酵素の働きにより、活性型ビタミンDに変換されます。

この状態になってビタミンDは初めて働き、つくられたものが肝臓に貯えられるのです。

また、活性型ビタミンDは、カルシウムの吸収に必要なタンパク質の合成を促し、小腸でのカルシウムとリンの吸収を高め、さらに血液中のカルシウムが骨や歯に沈着するのを助けます。

そのため、歯周病に負けない強い歯周組織をつくるには必要な栄養素だといえるでしょう。

ビタミンDは主に以下の食品に多く含まれています。

・サケ

・サンマ

・ブリ

・マアジ

・しいたけ など

 

ビタミンK

ビタミンKは、脂溶性ビタミンの一種で、出血を止める働きがあることから、止血のビタミンとも呼ばれています。

歯茎の炎症で腫れや出血が伴う歯周病に役立つビタミンの一種です。

天然に存在するビタミンKは、大きく分けてビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン)の2種類があり、体内での働きはどちらもほぼ同じです。

ビタミンKが欠乏すると、ケガや内出血の際に血液凝固に時間がかかったり、鼻血が出やすくなったりすることがあります。

歯周病の初期には、歯茎の炎症で腫れや出血が見られます。

ビタミンKは血液凝固因子の合成に働き、出血を止めてくれるため、症状の改善に有効です。

ビタミンKは、主に以下の食品から摂取できます。

・ブロッコリー

・モロヘイヤ

・小松菜

・ホウレンソウ

・納豆 など

アミノ酸

アミノ酸は、内臓や筋肉などに存在するタンパク質を構成する成分であり、コラーゲンを構成するための原料となるため、歯周病予防に効果的です。

タンパク質が身体に占める割合は体重の約20%で、アミノ酸にはエネルギーを生み出し、健康を維持する働きがあるため、身体づくりには必要不可欠な栄養素といえるでしょう。

自然界には、500種類以上のアミノ酸が存在しますが、その中で人間に必要なタンパク質を構成しているのは20種類のみです。

そのうち、人間の体内で構成できない9種類のアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、これらは食事から補う必要があります。

アミノ酸の中でも、プロリン、リジン、グリシンは、コラーゲンの構成原料として重要であるため、歯周病予防のために摂取しておきたい成分です。

以下の食品から摂取可能です。

・プロリン:豚肉、ゼリー、湯葉 など

・リジン:牛乳、チーズ、鶏肉 など

・グリシン:牛スジ、鶏軟骨、エビ など

硫黄化合物

硫黄化合物は、名前の通りイオウを含む化合物の総称です。

具体的には、α-リポ酸、MSM(メチルスルフォニルメタン)、メチオニン、システインなどが該当し、強い抗酸化作用や殺菌作用、がん予防やスタミナ回復などの作用があるため、歯周病予防にも効果を発揮します。

また、抗酸化作用や殺菌作用だけでなく、水銀など体内の有害重金属の排泄(デトックス)促進にも、これらの硫黄化合物が役立ちます。

硫黄化合物が多く含まれる食品は以下の通りです。

・α-リポ酸:牛・豚の肝臓、心臓、腎臓、ホウレンソウ など

・MSM:牛乳、お茶、コーヒー など

・メチオニン:しらす、大豆製品、豚肉 など

・システイン:肉類、鶏卵、ニンニク など

まとめ

ブラッシングや歯科クリニックでの定期検診は重要ですが、それだけ行っていても、歯周病の徹底的な予防はできません。

食事をはじめとする生活習慣の改善を行い、歯周病になりにくい身体づくりも並行して行うことが重要です。

本文で紹介した栄養素を含む食品を普段の食事で意識的に摂取し、食生活から歯周病予防に取り組みましょう。

東京都品川区五反田周辺で歯周病治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。

一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。