歯列矯正に使用する矯正装置として近年人気なのが、アライナー型の矯正装置です。
アライナーとはマウスピースのことです。
特に有名なのはインビザラインですが、アライナー矯正はインビザラインしかないというわけではなく、いくつかの種類があります。
アライナー矯正全般について解説します。
アライナー矯正の特徴
通常、歯列矯正の治療では金属ブラケットという金属板を歯に着けて、ワイヤーを通して固定し、歯を動かしていきます。
しかし、ブラケットやワイヤーは金属であることから口を開けた時にかなり目立つため、嫌がる人も少なくありません。
アライナー型矯正装置を使用するアライナー矯正は、近年人気がある矯正方法です。
口に透明のプラスチックでできたアライナーを装着して、歯を少しずつ正しい位置へと動かしていきます。
最大の特徴は、他の矯正装置とは違って取り外しが可能という点です。
ブラケットとワイヤーを使用するワイヤー矯正は取り外しができない装置を使用していて、口内を傷つけることもあります。
また、吹奏楽でトランペットなどの楽器を演奏する方の場合、歯の表面に着ける矯正装置であると邪魔になってしまいます。
歯の裏側に矯正装置を装着する裏側矯正は楽器に直接当たることはありませんが、舌が矯正装置に当たることが気になる人もいるでしょう。
その点、アライナー矯正装置は取り外しが可能なので、前述のようなことはありません。
食事の時や寝る前、歯磨きの時など、着けていると邪魔になる場合に自由に外すことが可能です。
外出して食事をするから邪魔になるという場合には、最初からつけないという選択肢もあります。
もちろん、外している時間は矯正治療が進まないため、できるだけ着けておくことが望ましいでしょう。
しかし、どうしても外さなくてはならない場合には、外すという選択肢も選べるため、自由度が高いことがメリットです。
インビザラインとの違い
アライナー矯正にはいくつかの種類がありますが、その中でも特に有名で他のアライナー矯正とは違うのが、インビザラインです。
インビザラインと、他のアライナー矯正の違いについて解説します。
まず、使用するのはどちらも透明なプラスチック製のアライナーです。
しかし、治療計画を立てる段階からすでに違いがあるのです。
インビザラインの場合は歯型を3D画像にしたデータを使用して、シミュレーションを行って最適な治療ができるよう計画を立てます。
他方、他のアライナー矯正は、多くの場合歯型模型を使って治療の計画を立てます。
たくさんあるアライナー矯正の一部には、データを使用して治療計画を立てているものもありますが、インビザラインほど精密ではないケースが多いです。
また、アライナーを作製するための型取りの回数も異なります。
インビザラインは治療前に一度取った型取りだけでいいのですが、それ以外のアライナー矯正では、多くの場合、装置を付け替えるたびに型取りをします。
歯列矯正ができる歯も異なり、インビザラインは抜歯を伴う全体の矯正治療でも問題なく対応可能です。
アライナーだけでは動かしづらい場合には、アタッチメントなどの補助器具を使用することもできます。
しかし、他のアライナー矯正の場合はなるべく抜歯をせずに矯正を行い、対応できる歯も前歯だけというケースが多いです。
対応できる歯列矯正が限定されるばかりか、治療を受けた後で後戻りすることも珍しくありません。
費用については、一般的なアライナー矯正の方がインビザラインよりも安いことが多いでしょう。
しかし、他のアライナー型矯正装置の場合は対応できる箇所が限られ、後戻りしやすいことを勘案すると、コストパフォーマンスが良いとはいえません。
治療期間をみると、バランスを考えながら全体の歯を動かしていくインビザラインの方が、時間はかかります。
他のアライナー矯正は、インビザラインよりも短期間で治療を終えることができるケースが多いです。
さらに、さまざまな角度からインビザラインと他のアライナー矯正とを比較すると、インビザラインの強みは信頼性の高さにあるといえます。
インビザラインは1997年に米国で開発された矯正装置で、世界中で、計で1700万人以上の実績があります。
インビザラインの特徴の一つが、インビザライン・システムに基づいて治療が行われることです。
つまり、インビザラインはどの歯科医院で治療を受けても治療内容は変わらず、均一の治療を受けることが可能です。
他のアライナー矯正の場合、日本国内だけというものも多く、実績が多い矯正装置もあれば、ほとんど使われていない装置もあります。
特徴もそれぞれ異なるため、すべて同一に考えることはできません。
かかりつけの歯科医院で、インビザラインと他のアライナー矯正を扱っている場合は、どちらがいいか相談してみてください。
矯正治療を受けるのがどの部分かという点も踏まえて、適切な方法を選びましょう。
まとめ
アライナー矯正にはいくつかの種類があり、中でもインビザラインは群を抜いてシェアが高く、実績も豊富です。
しかし、他のアライナー矯正よりもインビザラインを選んだ方がいい、とはいい切れません。
なぜなら、インビザラインより、他のアライナー矯正の方が優れている点もあるからです。
歯科医院によって、扱うアライナー矯正は異なります。
インビザラインと他の装置とを比べたうえで、検討してください。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。