歯列矯正の治療には、長い期間がかかります。
年単位でかかり、治療中は装置をつけていなくてはならないため、なるべくならその期間を短縮して装置を早く外したいと考える人も多いでしょう。
どうすれば、治療期間を短くしたり矯正の効果を高めたりすることができるのか、解説します。
矯正治療はなぜ時間がかかるのか
歯並びを整える歯列矯正は、長い時間をかけて治療を行います。
場合によっては数年かかることもあるため、なぜ時間がかかるのか不思議に思う人もいるかもしれません。
矯正治療に時間がかかるのは、歯をゆっくり動かす必要があるからです。
矯正治療をする際は、歯に矯正装置を装着して歯を動かします。
実は、歯が動くときに骨が破壊され、再生しているのです。
歯は、ぐらついていない限りは歯槽骨とくっついている状態にあるため、歯を動かそうとすると歯槽骨が邪魔になります。
歯が動く際は、歯槽骨を破壊しながら移動しているのです。
歯が正しい位置へと動いたら、破壊された歯槽骨は再生して歯の周囲を固めます。
破壊された歯槽骨は吸収され、移動した先で新たに骨ができあがっていきます。
動く速度は、1カ月に1mmほどと非常にゆっくりです。
かける力を強くすれば、早く終わるのではないかと考える人もいるでしょう。
しかし、歯を動かす際は、一緒に歯槽骨も再生しなくてはいけません。
あまり強い力で動かすと歯槽骨の再生が追い付かないため、歯がぐらついてしまいます。
以上のことから、矯正治療は、安全性を考慮したうえで、時間をかけて行わなければなりません。
急いで動かそうとすると、歯肉退縮で歯茎が下がってしまったり、歯が抜けてしまったりする可能性があります。
矯正治療には、時間がかかって当たり前です。
時間を気にするよりも、安全かつ確実な方法で行いましょう。
もし、治療にかかる時間を短くしたい場合には、安全に期間を短くできる方法を選んでください。
矯正治療の期間を早める方法
歯列矯正の治療期間を短くしたい場合には、いくつかの方法があります。
ただし、歯科医院によっては対応できない方法もあるため、事前に確認しましょう。
矯正治療の期間を短くするための方法について、解説します。
治療期間を短縮できる方法として挙げられるのが、部分矯正です。
部分矯正とは、必要な箇所だけを矯正する治療方法です。
問題があるのは前歯だけで、奥歯のかみ合わせは特に問題がないという状態や、奥歯の1本だけが倒れてしまっている状態、一部に隙間がある状態などの場合、部分矯正を選択することで治療期間を短くできます。
部分矯正の場合、ワイヤーブラケットの矯正装置を装着する方法や、マウスピースを矯正装置として歯列矯正を行う方法などがあります。
矯正する範囲によって治療期間は異なりますが、目安としては半年から、長くて1年ほどかかるでしょう。
また、治療期間を短くできる方法の一つが、抜歯です。
不正咬合の場合、その原因の多くは顎が小さいことで歯が生えそろうスペースが足りないことにあります。
その状態で歯列矯正を行うには、全体的に歯列を大きく移動させなければなりません。
ただし、治療期間も長くなってしまいます。
抜歯は、上述のようなケースにおいて、治療期間の短縮効果が見込まれる方法です。
抜歯によりスペースを確保できれば、前後ではなく横に移動するスペースができます。
その分、歯を移動させる範囲が小さくなり、治療期間を短くすることが可能です。
セルフライゲーションブラケットも、治療期間を短くできる方法の一つに挙げられます。
従来のワイヤーブラケットがブラケットにワイヤーを固定して歯を動かすというものであるのに対し、セルフライゲーションブラケットは、ブラケットにワイヤーを固定せずに動かすことが可能です。
セルフライゲーションブラケットは、歯にかかる力が従来の方法の数百分の1になります。
わずかな力を断続的にかけることで、歯の組織を圧迫せずに歯を効果的に動かすことが可能であり、治療完了までの期間を2割ほど早めることが可能です。
痛みも少なくて済むことから、近年注目されている方法です。
ブラケットの装着期間を短くする方法として、矯正治療の方法をブラケット矯正やマウスピース矯正のどれかに限るのではなく、状況を見て併用していく方法があります。
ハイブリッド矯正といい、最初にブラケット矯正を行い、仕上げをマウスピース矯正で行うという方法です。
ただし、ハイブリッド矯正は、全体的な矯正治療の期間を短くすることはできません。
短縮できるのは、ブラケットの装着期間だけです。
ブラケットが苦手、邪魔に感じるという人に、おすすめの方法といえるでしょう。
まとめ
歯列矯正は、治療を終えるまで数年かかることも珍しくありません。
治療にあたり矯正装置を装着しますが、装着した状態では落ち着かないのでなるべく早く治療を終えたいという人は少なくないでしょう。
そのためには、治療期間が短くなる方法を選んだうえで、治療期間が延長しないよう気を付けて治療を受ける必要があります。
できるだけ治療期間が短くなるよう、歯科医師の指導を守りましょう。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。