食事中の姿勢が悪いと子供の歯並びが悪くなってしまうことがあります。
食事は口と直接関わるタイミングなので、歯並びに与える影響も決して小さくはありません。
そのため、食事中の姿勢には注意が必要です。
子供の歯並びに悪影響を与える姿勢と、注意するべき点を解説します。
食事中の姿勢の影響
食事中に子供が宙に浮いた足をぶらつかせながら食べているのを見たことがある、という人もいるのではないでしょうか?
子供の足が宙に浮いてしまうのは、椅子の高さが原因です。
子供の年齢にもよりますが、まだ小さい場合には、大人と同じ椅子に座らせると足が床まで届きません。
足が空中にある状態になるため、無意識に動かしてしまうのです。
床に足がつかないと、食べ物を噛むことに集中できません。
それだけでなく、顎に本来の力が入りにくくなるため、よく噛んで食べるのが難しくなってしまいます。
食べ物をしっかりと咀嚼しないまま飲み込んでしまうと、胃腸に負担がかかってしまうでしょう。
しかし、もっと問題なのは、顎を動かすのが不十分なせいで、顎が正常に発達しなくなるという点です。
顎が未発達だと、顎が小さくなってしまいます。
顎が小さいと歯が並ぶスペースが足りなくなり、歯が重なり合って生えてくる可能性があるのです。
最近は小顔が美人の条件に挙げられています。
そのため、特に女の子の場合は、顎が小さいほうがいいと思うかもしれません。
しかし、顎が小さいままだと歯並びが悪くなってしまい、虫歯や口臭の原因になります。
それだけでなく、歯並びの悪い口元が恥ずかしいと思うようになり、コンプレックスに感じるようになるかもしれません。
また、食事中に子供の背中が曲がっていないかどうかもチェックしてください。
食器に顔を近づけて食べる「犬食い」に近い状態で食べると、頭が前に出るため、背筋が曲がってしまいます。
茶碗などの食器をきちんと持ち、正しい姿勢で食べるように習慣づけましょう。
食事中、子供の姿勢が左右に曲がっていることに気づいた場合は、注意が必要です。
なぜなら、噛む時のバランスが悪くなってしまうからです。
体の重心がどちらかに傾いたり、背中が左右に曲がっていたりすると、噛むときのバランスが崩れ、左右の歯で均等に噛むことができません。
一方の歯を多用して噛むことになるため、顎の発達が左右アンバランスになってしまうでしょう。
顎のバランスが崩れると、噛み合わせが悪化してしまいます。
食事中に注意する点は?
子供が食事をしている際に注意したい点としてまず挙げられるのが、足元です。
足が床につかずブラブラしている場合には、足がしっかりと床につくようにしなければなりません。
先述したとおり、小さい子供を大人用の椅子に座らせると、足が床につかず足が宙に浮いたままの状態になります。
地面に足が付かない場合は、子供用の椅子を用意するか足を置く台を用意し、足が宙に浮かないようにしましょう。
また、子供が成長すると子ども用の椅子が合わなくなるかもしれません。
椅子が小さくなっていないか、座面が小さくなって窮屈そうにしていないかを定期的にチェックして、必要に応じてサイズの合う椅子と交換してください。
食事中はテレビにも注意が必要です。
テレビを観ながら食事をする場合には、子供の正面にテレビがなければ、無理な姿勢をとることになってしまいます。
子供はどうしてもテレビに意識が向きがちで、何か楽しそうな内容や気になる内容であれば、ついテレビがある方を向いてしまうでしょう。
テレビが横にある場合は、常に左右のどちらかに頭を向けた状態で食事をすることになり、無理な体勢をとり続けることになります。
無理な体勢は、首や肩、背中などに負担がかかりやすく、姿勢の悪化につながるため注意が必要です。
テレビが子供の正面ではなく後ろにある場合は、テレビを見るために何度も振り向くことになってしまいます。
実は、振り向くたびに背筋が少しずつ曲がっていってしまうのです。
子供が食事中に頻繁に横を向いたり、後ろを振り返ったりしないよう、テレビの位置を変えたりテレビを消したりするなどの工夫をしてください。
子供がテレビに夢中になりすぎて、食事がおざなりになるようなら、食事中はテレビをつけないというルールを決めましょう。
また、食事の際のテーブルにも注意してください。
テーブルが高すぎて食べにくい、テーブルに近すぎるなどの場合、子供は楽に食事できません。
子供からテーブルまでの距離は適切か、高さは食べやすい高さになっているかを確認しましょう。
机の上に無理せずひじを乗せることができる程度の高さを目安にしてください。
もしも座高が足りない場合には、クッションなどを敷いて、高さが出るように調整してあげましょう。
また、テーブルに体が密着しないようにすることも大切です。
こぶし1個分程度の隙間を開けて座るよう、子供に正しい座り方を教えましょう。
なお、子供は大人のことをよく見ていて、動きを真似しようとします。
大人が食事中にテレビの方ばかり気にしていたり、姿勢が曲がったりしていると、子供もそれを真似します。
子供が大人を真似した結果、食事をする際の姿勢が悪くなり、成長にも影響が出るようでは問題です。
子供の見本になるよう心がけてください。
まとめ
子供の食事中の姿勢や態度は、歯並びに大きく影響を与えることとなります。
例えば、食事中に足を動かすことが多いと、顎に力が入りにくくなり噛む力も不十分となるため、しっかり噛むことができず顎が発達しにくくなってしまいます。
また、テレビなどが点いているとついテレビの方を見てしまうため、テレビを消すか子供から見えやすい位置にするよう工夫してください。
何より、大人が正しい見本となるよう、気をつけましょう。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
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