インプラント治療を受けたとき、施術のすぐ後はしっかりと固定されて安定しています。
しかし、時間の経過とともにぐらついてくることがあるかもしれません。
ぐらつきがあるとき、何も対策せずに放置したまま使用し続けていると、デメリットが生じることがあるため、注意が必要です。
放置して使い続けるデメリットを解説します。
インプラントのぐらつきの原因は?
インプラントは、治療した時にはしっかりと固定されて安定した状態となっていますが、使用しているうちにぐらついてしまうことがあります。
ぐらつく原因としてまず考えられるのがアバットメントです。
固定しているねじが緩んでしまったために、ぐらついてしまうことがあります。
インプラントは、人工歯根であるインプラント体と歯冠の代わりとなる上部構造、2つをつなぐアバットメントの3つで構成されています。
アバットメントとインプラント体はねじによって連結されていますが、強い負荷がかかるとねじが緩んでぐらつくことがあるのです。
また、うまく結合できないケースも、ぐらつきの原因になります。
インプラント体を埋入した後は顎の骨と結合して固定されますが、それまでに数カ月かかるのです。
結合がうまくいかず、インプラント体が固定されない場合はぐらつくことがあります。
インプラント体を埋入する際の手術で、顎の骨がダメージを受けたり埋入する位置がズレてしまったりすると、うまく結合しないでしょう。
また、顎の骨の量が少ない場合も、ぐらつきの原因になります。
位置が正しくても結合するまでに時間がかかることが原因です。
インプラント体を埋入した後に、大きな負荷がかかると、骨と結合しづらくなってしまうことがあるでしょう。
さらに、インプラント体は強い負荷がかかったときに破損することがあり、それが原因でぐらつくこともあります。
このように、インプラントがぐらつく原因にはさまざまなものがありますが、実は、最も多い原因はほかにあります。
それは、インプラント周囲炎です。
インプラントのぐらつきは、インプラント周囲炎の発症によって生じるケースが最も多いのです。
インプラント周囲炎とは、埋入した周囲の組織が炎症を起こす病気のことで、歯周病菌が原因になります。
初期段階は、歯茎が腫れたり赤くなったりするのが主な症状です。
そのまま悪化すると顎の骨が溶け、インプラントを支えることができなくなるのです。
ぐらついたまま放置するデメリットは?
インプラントがぐらついているとき、特に対処せず放置したまま使用していると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
特に大きなデメリットとして挙げられるのはインプラントが抜け落ちてしまうことです。
仮に抜け落ちなくても、ぐらついてしっかり噛めなくなってしまい不便です。
インプラント周囲炎が原因でぐらついている場合には、他の歯に影響が出ることもあります。
ぐらつきを放置した結果、歯周病になることもあるため、早めの対処を心がけましょう。
ぐらついていても、仕事などによってすぐに歯医者に行けない場合もあります。
その場合はいくつかの点に注意しなくてはいけません。
まずは、ぐらついたインプラントをむやみに触らない、ということが挙げられます。
気になって、指や舌でつい触ってしまう人もいるでしょう。
しかし、触るとぐらつきが悪化し、炎症が起こりやすくなるのです。
アバットメントのねじが原因の場合、「自分で締めればいい」と考えたり、接着剤で固定しようとしたりする人もいます。
しかし、専門的な知識がないのにいじると、インプラントが壊れてしまうかもしれません。
とくに接着剤を使用した場合は、対処不可能になる可能性もあります。
ぐらついている状態でさらに負担をかけると、インプラントが破損したり外れたりする恐れもあります。
そのため、なるべく負担をかけないように注意してください。
もしインプラントが外れた場合は、パーツを保管しておいてください。
状態によっては再利用できるケースもあり、その場合は治療費用を抑えられるでしょう。
ぐらついたときの対処方法と予防方法
インプラントがぐらついたときは、どのタイミングでぐらつくようになったか、いつ気付いたかをメモしておき、インプラント治療を受けた歯科医院を受診しましょう。
実際に治療を行った歯科医師にメモを見せて説明することで、再発防止に向けた対策を講じてもらえるかもしれません。
インプラントがぐらついているときは、まずねじをチェックし、緩んでいたら締め直すことで改善されるかどうか確認するでしょう。
ねじの緩みだけが原因であれば、締め直すことで改善されます。
しかし、それでもぐらつきがある場合には、他の原因を探らなければなりません。
インプラント周囲炎が原因となっているのであれば、インプラント体を一度外して溜まった歯垢や汚れなどを除去し、治療を行います。
炎症が治って顎の骨が溶かされずに残っているようなら、再びインプラント体を埋め直すことができるかもしれません。
インプラント体を埋入した時にトラブルがある、顎の骨が壊死する、あるいは骨の量に問題があるといった場合には、一度インプラントを抜いて再手術を行います。
ただし、すぐ再手術ができるわけではなく、抜いてから1~2カ月ほど待つことになるでしょう。
なお、予防によって、インプラントがぐらつく可能性を低減することができます。
まずは口内を丁寧にケアすることが大切です。
きちんとケアをしておくことで、インプラント周囲炎になるリスクを抑えることができます。
毎日丁寧に歯磨きし、歯や歯茎の状態によっては洗口液や歯間ブラシなども使用してください。
このようにして、汚れを残さないことが大切です。
中でも、歯茎との境目には汚れが溜まりやすい傾向がありますが、見えにくい場所であることから、なかなか気付きません。
インプラントの近くに汚れが溜まるとインプラント周囲炎になるリスクが高まります。
そのため、インプラントの周囲は特に丁寧に磨く必要がありますが、あまり力を入れると負担がかかるため、注意が必要です。
さらに、歯科医院での定期的なメンテナンスも重要です。
なぜなら、どんなに念入りにケアしても、自分でケアをするだけでは汚れが残ってしまうからです。
そのため、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けてください。
ちなみに、歯科医院からは、年に2~4回のペースでメンテナンスを受けるように指示されるでしょう。
メンテナンスでは、インプラントの状態とインプラント周囲炎になっていないか、チェックを行います。
また、汚れがあればクリーニングも行うため、インプラント周囲炎などのトラブルが起こらないよう、適切な予防措置をとってもらえて安心です。
同時に、インプラントのぐらつきの有無もチェックするため、自覚がない人でもぐらつきに気づくことができ、適切に対処してもらえるでしょう。
定期的にメンテナンスを受けていれば、インプラント周囲炎になっても早期に発見が可能です。
見つけたときに迅速かつ適切にケアしてもらえるため、悪化を防ぐことができます。
インプラントを長く使用するためにも、ぐらつきはできるだけ阻止したいものです。
そのためにも、どこの歯科医院でインプラント治療を受けるべきか慎重に判断することが重要です。
なぜなら、インプラント治療を行っている歯科医院によって技術に差があるからです。
高い技術を持つ歯科医院で治療を受けると、ぐらつくことが少なくなります。
歯科医院選びの際は、インプラント治療の年間実績や必要な検査機器がそろっているかをチェックしましょう。
格安インプラントなどの広告につられないよう、選んでください。
まとめ
インプラントにぐらつきがある場合に原因としてまず考えられるのは、インプラントのパーツの緩みやインプラント周囲炎です。
ほかの原因として、インプラントに強い負荷をかかるケースも挙げられます。
支えとなる顎の骨がダメージを受けて支えられなくなり、歯がぐらついてしまいます。
まだ歯のぐらつきがない人も、ぐらついてきたときの対処方法や予防法を覚えておきましょう。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。