一般的に、歯を白くしたい場合はホワイトニングの施術を受けることになるのですが、神経を取った失活歯にはほとんど効果がないのです。
変色している失活歯をきれいにするには、歯に直接漂白剤を注入して内部から白くする施術が必要となるでしょう。
具体的にどのような施術なのか、解説します。
ウォーキングブリーチとは?
ウォーキングブリーチは、治療のために神経を除去していたり、破損していたりしている歯を白くするためにお勧めの施術です。
黒く変色した失活歯のみに適用されるホワイトニングであり、一般的なホワイトニングとは施術内容が大きく異なります。
名称のルーツには、歯根を治療した歯を白くするため、内部に漂白剤を詰めて歩きながら白くしていくという方法だったというものです。
神経をとっている歯の内部に専用の漂白のための薬剤を詰めて、一定間隔で交換して効果を持続させつつ歯を白くしていきます。
着色汚れが表面に付着する通常の歯の変色とは異なり、失活歯のケースでは歯の内部に原因があるため、原因を直接的に除去して歯を白くするという考え方を元にして治療を行うのです。
歯の表面にホワイトニング剤を作用させるホワイトニングよりも高い効果があり、仕上がりも自然な見た目になるというメリットがあります。
この施術は、失活歯を削らずに変色したところだけをもとのように戻したいという方にお勧めです。
歯が変色したことで歯茎も黒ずんでしまうことがあるのですが、ウォーキングブリーチであれば改善することもできます。
ただし、効果が十分に発揮できるかどうかは歯の状態によっても異なるため、しっかりとカウンセリングを受けてから治療を始めてください。
メリットとデメリット
神経を除去して通常はホワイトニングの効果を得られない歯を白くできるこの施術は、失活歯がある多くの患者様が受けています。
外部から白くするのではなく内部から作用するという方法であり、多くのメリットがあるため、具体的にどのようなメリットがあるのかを知っておきましょう。
具体的な施術内容としては、歯の内部に専用の薬剤を注入して封じることで歯を白くしていくというものです。
歯の表面を溶かしたり、あるいは削ったりして歯を白くするのではなく、白くしたい歯をピンポイントで漂白することができるというメリットがあります。
ただし、歯の裏側に穴を開けて薬剤を注入することになるため、まったく傷つけずにはできないのです。
一度薬剤を歯の中に注入した後は薬剤が自動的に効果を発揮して歯を白くしていくので、自分で何かをしなくてはならないということもありません。
治療を始めた後は一定間隔で歯科医院へと通院し、薬剤を新しいものに交換して歯を徐々に白くしていくのです。
保険が適用されない自由診療となるため歯科医院によって詳細な費用は異なるのですが、1回の治療で約5,000円〜20,000円の範囲で治療を受けることができます。
また、通常のホワイトニングの場合は前歯全体や歯列全体が対象となるのですが、ウォーキングブリーチの場合は1本ずつ白くできるのです。
歯を白くするための費用がホワイトニングよりも安いというのは、大きなメリットといえます。
さらに、ホワイトニング用の薬剤を歯に注入する施術となるため、長期間ホワイトニングをしている状態になるのです。
約2〜3回施術を受けた時点で歯の白さを実感できるため、少ない通院回数で満足のいく結果を得られます。
短期間で神経を除去している失活歯を効果的に白くすることができるのですが、気をつけたほうがいい点もいくつかあるのです。
施術は、歯の内部の治療が完全に終わって歯の根に何もトラブルが起こっていない正常な状態で行われます。
しかし、根管の治療が不十分の場合は歯の根に問題が生じてしまうことがあるため、再度治療を行う必要があるでしょう。
歯の根に問題がない状態でウォーキングブリーチを行った場合でも、薬剤を詰めてから時間が経ちすぎると歯に悪い影響を与えることがあります。
薬剤からは悪影響を及ぼすガスが発生してしまうため、さまざまな副作用を引き起こす可能性があるのです。
施術を受けている途中で歯に問題が起こり、割れたり歯根に異常が発生したりした場合は、続けることができなくなります。
また、施術を受けてから数年たった後で、歯根や施術を受けた歯の周囲の歯が溶けてしまうこともあるでしょう。
歯の状態によっては、歯根や歯を支えている歯槽骨にも悪い影響を与えてしまう可能性があるため、再び根幹治療が必要になってしまうかもしれません。
神経のない失活歯に行って歯を白くするという施術のため、歯に痛みを感じることはないでしょう。
ただし、歯に詰めた薬剤からガスが生じてしまい、歯根や骨に圧力がかかった場合は痛みが生じることがあります。
痛みを予防するためには、漂白のため歯に詰めている薬剤を一定期間ごとに交換した方が良いでしょう。
発生するガスによる痛みの他にも、神経を失ったことで歯に起こる病変として痛みが起こっている可能性もあります。
歯が痛みだしたときは、痛みの程度や原因を明確にしたうえで施術を継続するかどうか判断する必要があるでしょう。
具体的な施術の方法
根管治療を終えた神経を取った歯を対象にして行うウォーキングブリーチは、以下のような流れで施術を進めていきます。
まず、根管治療の抜髄を行って神経を除去したら薬を隙間なく詰め、しばらく時間がたってから歯の裏側や詰め物、根管治療で歯の内部に入れた薬剤を取り除くのです。
次に、歯の変色を予防するために神経の取り残しや汚れをきれいに除去して、歯の根っこに詰めた薬の上に歯を白くするための薬剤を入れて仮詰を行います。
1〜2週間ごとに内部の薬剤を入れ替え、希望した白さになったら薬剤を取り除くことになるでしょう。
きれいに洗い流して再び仮詰をして、施術を終えてから2〜3週間後に歯の裏側などに薬剤を注入するために開けた穴を埋めたら施術は完了となります。
特に交換する過程のときは1〜2週間ごとに通院し、約2〜3ヶ月は通院する必要があるでしょう。
特に問題がなければ施術も短期間で終わるのですが、歯に痛みがある場合は施術期間が長くなってしまいます。
神経がない歯は通常のホワイトニングでは白くできませんが、内部に薬剤を詰めて漂白するという方法であれば白くすることができるのです。
また、歯の変色によって歯茎が黒ずんでいる場合には、歯茎の色も明るくなる効果も期待できる施術となります。
歯の表面を削らずに歯を白くすることが可能で費用も比較的安価なので、失活歯を白くしたい方にお勧めの施術方法です。
失活歯だけではなく、歯茎が黒ずんでいる場合も改善することができるため、笑顔にも自信が持てるようになります。
まとめ
ウォーキングブリーチは、歯の神経を取り除いた失活歯が変色したときに白くできる施術で、歯の内部から漂白していくことができるのです。
比較的安価に施術が受けられ、歯茎の色も明るくなる効果があるのですが、歯の根に問題がある場合などはトラブルが起こる可能性もあります。
通常のホワイトニングでは対応できない歯にも対応でき、治療にかかる期間も短くて済むため、お勧めの施術です。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。