口内炎ができると、食事のたびに痛みを感じ、嫌なものです。
治るまで気になってしまう人は少なくないでしょう。
実は、口内炎と虫歯には密接な関係があるのをご存じでしょうか?
今回は、口内炎と虫歯にはどのような関係があるのか、その関係性について解説します。
口内炎と虫歯の関係は?
口内炎にはいくつかの原因がありますが、虫歯と関係があるものといえば、ウイルス性口内炎かカタル性口内炎のどちらかでしょう。
ウイルス性口内炎はウイルスや細菌が増殖することでできる口内炎で、カタル性口内炎は物理的な刺激が原因となってできる口内炎のことをいいます。
ウイルス性口内炎には、ヘルペス性口内炎やカンジダ性口内炎などの種類があり、唾液などを通じて人に感染することがあるのです。
特に多いのがヘルペス性口内炎で、一度感染するとウイルスが体内に残るため、抵抗力が落ちたときは再発してしまいます。
なお、口内炎にはほかに、金属や食べ物のアレルギー、薬の副作用などが原因で起こるアレルギー性口内炎や、頬を噛んだりストレス、疲れなどが原因となったりするアフタ性口内炎などもあります。
口内炎ができた場合、通常は1~2週間で治ることが多いのですが、繰り返す場合には虫歯が関係している可能性があるため、注意が必要です。
虫歯になると、歯が溶かされてしまいます。
また、歯がもろくなって割れたりすることもありますが、その場合は気を付けなければなりません。
なぜなら、残った部分が尖った状態になることがあるからです。
尖った部分が頬の内側や歯茎、舌などの粘膜にぶつかって傷つけ、口内炎ができてしまうことがあります。
傷口ができると虫歯の原因菌などの細菌が侵入して感染し、傷が治るのを妨げてしまうと、口内炎が繰り返しできる原因になることがあるのです。
1本でも虫歯ができると虫歯の原因菌が増殖しやすくなります。
原因菌が口内全体に広がることで、虫歯が増えやすくなってしまうでしょう。
虫歯の治療や失った歯を治療する際は、詰め物や被せ物、歯の代わりとなる差し歯や入れ歯などを歯に装着することがあります。
このときにきちんと合ったものを使用していなければ、口内を傷つけて口内炎の原因になることがあるのです。
また、歯の治療の途中で歯医者に行くのをやめて中断している人や、治療を終えてから長い間歯医者に行っていないという人は注意しなくてはいけません。
歯が移動したり、詰め物や被せ物、差し歯、入れ歯などが合わなくなったり削れたりして、口内炎が発生しやすい状態になっている可能性があるのです。
口内で細菌が増える原因

虫歯になると口内で細菌が増殖し、口内炎ができたり長引いたりする原因になります。
虫歯以外でも細菌が増えてしまうことがあるため、注意が必要です。
例えば、治療を受けてからかなりの時間が経過し、ズレが生じてきた被せ物や詰め物、義歯なども、細菌が増殖する原因となります。
ズレた詰め物、被せ物は、食事の際に頬の内側や舌を傷つけることがあり、口内炎ができる原因になるのです。
差し歯の場合も、歯茎との間に隙間ができているようであれば、できるだけ早く歯科医院で治療してください。
細菌が増えるのは歯垢が溜まることが主な原因です。
義歯や被せ物などのズレは歯垢の蓄積を促すことになり、これを放置しているとますます増えてしまいます。
虫歯が悪化していくだけでなく、口内の粘膜もダメージを受けて、口内炎が悪化しやすくなるでしょう。
喫煙も口内炎の原因になるため、注意が必要です。
ニコチンが原因でできる口内炎をニコチン性口内炎といい、粘膜に白い斑点ができてしまいます。
喫煙は口内炎のみならず、肺ガンや口腔ガン、舌ガンなどの原因になることもあります。
口内に違和感を覚えたら、口内炎ではなくガンだったということもあるため、なるべく禁煙しましょう。
口内炎を予防する方法
口内炎を予防するためにも、しっかりと歯を磨きましょう。
特に、歯の表面にねばついた黄色い歯垢が付着している状態は避ける必要があります。
歯垢は、虫歯や口内炎の原因となる細菌を増殖させる原因となるため、歯茎が何回も腫れてしまうようなら磨き残しがあるかもしれません。
磨き残しがあるとだんだんと歯垢が増えていきます。
それだけでなく、口内で雑菌が増殖する原因となり、口内炎を引き起こす可能性があるのです。
すみずみまできちんと磨くためにも、狭いところまで入り込むことができるよう、なるべくヘッドが小さい歯ブラシを選びましょう。
特に、歯の根元など、磨きにくく歯垢が溜まりやすい場所などを注意して磨くと、歯垢が溜まるのを防ぐことができます。
虫歯によって、口内炎ができたり悪化したりすることがあるのは、ここまで書いたとおりですが、反対に口内炎が歯にダメージを与えることもあります。
口内炎ができていると、歯磨きの際に痛んだりしみたりすることがあるでしょう。
歯磨きがおろそかになるだけでなく、うがいもしづらくなってしまうため、口内の汚れを落とすのが難しくなります。
その結果、口内環境が悪化して歯垢が増えると、細菌が増殖してしまいます。
増えた細菌が歯にダメージを与えて、口内環境がさらに悪化するのです。
口内炎が遠因となり、虫歯になったり悪化させたりする可能性があります。
口内炎によって磨くのが難しい箇所がある場合は、その部分の歯をガーゼなどで優しくぬぐうようにして汚れを落とし、うがい薬などを使用して口内を殺菌するといいでしょう。
無意識に頬の内側を噛んでしまう場合は、傷ができて口内炎の原因になることがあります。
頬などの粘膜を噛んで傷ついた場合には、清潔に保つように注意して過ごすのが、最も重要で効果が高い予防方法です。
頬の内側を頻繁に噛んでしまう場合には、かみ合わせなどに問題があるかもしれません。
かみ合わせを改善したり義歯を調整したりすることで噛む頻度が少なくなることもあるため、しょっちゅうかんでしまうという場合には、歯科医に相談しましょう。
歯を治療したり口内を清潔に保ったりするだけでなく、体の内側からのケアも口内炎予防には有効です。
栄養バランスをしっかり考えて食事することで、口内を健康に保つことができ口内炎も予防できます。
歯と歯茎はもとより、口内の粘膜も健康であるためには、カルシウムなどが豊富な乳製品が役立つでしょう。
カルシウムによって歯質を強化することができるうえに、ビタミンB群によって口内炎の予防にもなります。
口を通じて他の場所まで栄養や病原菌が行き渡るため、口内の健康を保つことは全身の健康を保つことにもつながるのです。
口内のケアを毎日続けることが大切ですが、丁寧に行わなければなりません。
たとえば、歯磨きであれば、時間をかけてすみずみまできれいにすることが重要です。
口内を清潔に保ちつつ、体内に病原菌が侵入するのを防ぐためにも、外出から帰ったらうがいをすることを習慣づけてください。
虫歯や口内炎を防ぐべく栄養バランスのいい食事を続け、丁寧な歯のケアを続けていれば、虫歯や口内炎を予防できるでしょう。
まとめ
虫歯になると、歯が溶けたり割れたりしやすくなり、歯が変形します。
尖った形状に変形すると、口内の粘膜にあたって傷つけてしまい、口内炎の原因になることがあるため、虫歯にならないことはもちろん、なった場合には早めに治療してください。
また、毎日の歯のお手入れも重要です。
歯垢が溜まると細菌が増殖しやすくなり、口内炎の傷口に侵入し、傷の治りを遅くしてしまうことがあります。
口内炎や虫歯を予防するには、口内を清潔に保つことが重要です。
そのためにも、歯磨きなどのケアを丁寧に行い、継続してください。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。


