歯並びが気になったときは、歯に矯正装置を装着して矯正治療を受けることで歯の位置を動かし、歯並びを整えられます。
しかし、矯正装置を装着していることや歯を動かしていることが原因となって、さまざまなトラブルが発生するケースもあるため、注意が必要です。
矯正期間中に起こりやすいトラブルについて、解説します。
矯正期間中に起こりやすい主なトラブル
歯並びを整えるために矯正治療を行った場合、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。
具体的にどのようなトラブルが起こるのでしょうか?
まず挙げられるのは、矯正期間が想定よりも長期化したなどの理由により、かかるコストが当初の予定を上回るトラブルです。
歯科矯正は治療を始める前に矯正期間や目指すべき歯並びについて計画を立てて治療を進めていきますが、矯正期間が長期化するケースがあります。
長期化した場合、回数制の料金システムを採用しているクリニックであれば、注意が必要です。
通院回数によって費用が追加されていくため、矯正期間が長期化すると予定よりかかる金額が高くなってしまいます。
しかし、総額があらかじめ決まっているトータルフィーであれば、追加料金が発生することはなく、矯正期間が延びても料金は変わりません。
そうならないためにも、スケジュール通りに矯正治療を進めていく必要があります。
医師と綿密にコミュニケーションを取りながら、治療を受けましょう。
次に挙げられるのが、見た目のトラブルです。
歯並びを整える際、歯が並ぶスペースを確保するために抜歯が必要になるケースもありますが、できるだけ抜歯を避ける治療方法を検討します。
スペースの確保に向けて拡大装置を使用するという方法はその1つですが、歯を無理に動かした場合、歯茎や顎に負担がかかって歯根が露出することがあるのです。
歯根が露出すると、見た目だけでなく歯の健康にも悪影響を与えるかもしれません。
矯正期間中はズレによるトラブルにも注意が必要です。
歯並び自体は整っていても、口内の正中にズレが生じていると、全体のバランスが崩れることもあるでしょう。
美しい顔立ちの条件の1つに、鼻の下にある人中と前歯の中心が一致していることがあります。
正中がズレていると、見た目のみならず噛み合わせが悪化する原因になります。
顎の位置もズレてしまい、顔が歪むかもしれません。
また、健康に悪影響を与える可能性があります。
歯並びのズレが、頭痛や肩こりなど体全体の不調を引き起こすことがあるのです。
矯正治療を受けている途中で、前歯が押し出されて出っ歯や開咬など歯列の乱れが新たに生じる恐れもあります。
その場合、頭痛や肩こりに悩むようになったり、悪化したりするかもしれません。
食事の際にトラブルが生じることも考えられます。
歯並びが乱れると口を閉じるのが難しくなり、食べ物をしっかりと噛み切れないなどの問題が発生することがあるからです。
強く噛むと奥歯に負荷がかかるため、健康を損なう可能性があります。
矯正治療後に、元通りの歯並びになってしまうトラブルにも注意が必要です。
歯列矯正によって整えた歯並びが、治療後に元の場所へと戻ろうとする「後戻り」という現象を防ぐべく、矯正治療後は保定装置を使用しなければなりません。
保定装置の使用方法や使用期間をきちんと守らなければ、歯が動きやすくなってしまうでしょう。
矯正装置を外した後もケアを継続し、せっかく整えた歯並びをなるべく長くキープする必要があります。
矯正期間中に、顎関節症を発症するトラブルがあるかもしれません。
顎関節症は、口を動かすとき違和感を覚える、音などが生じるなどの症状が起こるといった症状が特徴です。
主な原因として、噛み合わせのズレや日常生活の悪習慣、ストレスなどが挙げられます。
矯正治療の途中で歯にかかる負担が大きくなり、一時的に顎関節症の症状が出ることがあるため、気を付けましょう。
治療中に顎関節症の症状が見られるようであれば、なるべく早く歯科医院に行き、担当医と相談してください。
虫歯や歯周病も、矯正期間中に発生しやすいトラブルです。
特にワイヤー矯正を受ける場合には、注意しましょう。
装置の形状から食べかすが挟まりやすいため、きちんと除去しなければ虫歯や歯周病のリスクが高まります。
ちなみに、矯正専門クリニックの多くは虫歯治療を行っていないため、別途一般の歯科医院に通院して治療を受けなければなりません。
虫歯の進行度合いによって矯正装置を一時的に取り外す必要もあり、その場合には矯正期間が延びる可能性があるでしょう。
矯正治療でトラブルが起こる原因は?

矯正治療中にトラブルが起こる原因として、どのようなものがあるのかを解説します。
矯正治療は、事前にしっかりと検査を受けてシミュレーションを行い、治療計画をしっかりと立てる必要があります。
理想的な歯並びにするためには重要なことで、事前の検査が不十分だと計画が不適切なものになる恐れがあり、理想通りに仕上がらないかもしれません。
また、矯正治療を終えた後のイメージを事前に把握しておくことも大切です。
あらかじめイメージを知っておくことで、治療中に不安を抱いたり誤解したりすることも少なくなるでしょう。
既述したとおり、保定のミスも矯正治療後に起こりやすいトラブルです。
矯正治療後に歯の位置を安定させるには、リテーナーを用いて保定する必要があります。
リテーナーの使用期間・方法をきちんと守らなければ歯が後戻りし、矯正治療のやり直しが必要になるケースもあるでしょう。
保定期間は矯正治療の期間と同じだけ必要です。
矯正期間を延ばさないためにも、期間を守ってリテーナーを装着しましょう。
3つ目の原因となるのは矯正装置の装着時間不足で、マウスピース型の矯正装置で起こる問題です。
マウスピース型の矯正装置は自分で取り外しできる長所があります。
ただし、外した後に装着し忘れたなどのうっかりミスがあると、治療が計画通りに進まなくなるかもしれません。
マウスピース矯正は基本的に1日20時間以上装着が推奨されるため、自己管理が求められます。
トラブルが起こったときはどうしたらいい?
矯正期間中にトラブルが起こった場合に、どう対処するべきなのかを解説します。
まずは、できるだけ早く歯科医院に行き、トラブルを悪化させないことが重要です。
そのうえで、不安があったり改善されなかったりした場合には、他の歯科医をセカンドオピニオンとして受診しましょう。
セカンドオピニオンによって、担当医とは別の視点からアドバイスを受けられるかもしれません。
その場合には、どのような治療法が適切か比較・検討できます。
もしも、担当医の治療が不適切だと判断した場合には、再治療や治療費の返金などの相談が必要となるでしょう。
自由診療である歯科矯正は治療費が返却されないケースも少なくないため、治療の中止について記載があるか、契約内容を事前に確認しておくことをおすすめします。
矯正装置にトラブルが起こった場合は、自己診断を避けて歯科医師にしっかり相談することが大切です。
装置が損傷しないよう、歯ぎしりや食いしばりなどの癖はきちんと治す必要があります。
マウスピースを外すときは専用のケースにしまい、正しい方法で保管しましょう。
まとめ
矯正期間中にトラブルが起こると、治療期間が伸びることがあります。
トラブルが起こる原因には、検査や保定などのミスが挙げられます。
また、マウスピース矯正の場合は、装着時間の不足が原因になることもあるでしょう。
トラブルが起こった場合は迅速に対処しなければなりません。
必要であればセカンドオピニオンなども受けて、最適な治療法を受けることが重要です。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。


