口内をチェックしたとき、歯茎にいつの間にか白いコブのようなものができていると、不安になるのではないでしょうか?
この白いコブは骨隆起かもしれません。
「骨隆起」といわれても、聞いたことがなく、何かわからないという人も少なくないでしょう。
今回は、歯茎にできる白いコブである骨隆起について、詳細を解説します。
白いコブはいったい何?
口内を見たとき、知らないうちに歯茎に白いコブができていることがあります。
「何か病気にかかったのかもしれない」と思うかもしれませんが、過度に心配する必要はありません。
この歯茎にできた白いコブは骨隆起である可能性が高いでしょう。
骨隆起はさほど珍しいものではなく、よく起こる現象です。
しかし、いったいなぜできるのか知らない人は多いでしょう。
骨隆起は口内にある骨の一部だけが特に大きく成長した状態です。
したがって、中に特に何かが入り込んで、コブのように盛り上がったというわけではありません。
盛り上がってはいるものの硬く滑らかであり、成長はごくゆっくりで痛みを伴うことはほとんどないでしょう。
口内のどの部分にでも起こることがありますが、病気ではなく、正常な変化の1つとされています。
ただし、あまりにコブが大きくなると、日常生活に何らかの支障をきたすことがあるかもしれません。
骨隆起は発生する場所によって3つの種類に分けられます。
上顎が丸く盛り上がっている状態の骨隆起は口蓋隆起です。
下顎の歯茎の内側が盛り上がった骨隆起は下顎隆起といい、歯茎のどこでも盛り上がっているものは歯槽隆起と呼ばれています。
日本人の中では5人に1人に表れる症状とされているため、特別珍しいものではありません。
特に女性は男性の2倍の割合で表れるといわれています。
年齢別にみると、若いほど表れるケースは少なく30代から見られることが多くなります。
40代以降になると、特に目立ちやすくなるのです。
ほとんどの場合、骨はゆっくりと成長して盛り上がっていきます。
膨らみが小さいうちは、なかなか気づかないでしょう。
気づくのはある程度大きくなってからで、その際も痛みや異物感など、口内に何らかの違和感を覚えるわけではありません。
大抵の場合、たまたま鏡で口の中を見たり、口内を舌や指で触ったりしたときに、隆起していることに気づくようです。
そのため、ほとんどの人は「気がついたら、できていた」というように、突然できたような印象を受けるでしょう。
中には気づかずに、歯科検診を受けたときに歯科医師から指摘されて初めて知ったという人もいます。
また、口内炎の患部を確かめたときに、盛り上がっていることに気がついたというケースもあります。
骨隆起が起こったとしても、ほとんどの場合は治療の必要はありません。
ただし、大きさや場所によっては支障をきたすこともあり、その場合は対策を講じることになるでしょう。
どうしても気になる場合や邪魔になる場合には、除去する必要があります。
何が原因で発生する?

口内の骨が盛り上がるのは、いくつかの原因がありますが、特に遺伝的な要素が強いといわれています。
もしも家族の中に骨が盛り上がっている人がいれば、遺伝が原因である可能性が高いでしょう。
発生率は人種や民族の違いでも異なり、特にアジア系は他の人種よりも発生しやすいといわれているのです。
噛む力が強すぎることが、骨隆起の原因になることもあります。
刺激を受けた骨が圧力に負けないよう厚みを増し、結果として盛り上がってしまうことがあるのです。
特に原因として多いのが、歯ぎしりや食いしばりなどです。
他にも噛み合わせが悪く、一部にだけ強い力がかかって骨が盛り上がることもあります。
歯並びが悪い場合や歯を失ったまま放置している場合、入れ歯や被せ物が合っていない場合、硬いものをよく食べている場合などは、特に注意してください。
加齢によって骨が盛り上がったり大きくなったりした結果、骨隆起が発生することもあります。
通常は加齢による自然な現象として考えられているため、問題視されません。
しかし、体質や生活習慣の違いによって進行速度が変化します。
気になる場合には、早い段階で歯科医師に相談しましょう。
骨の盛り上がりの成長を遅らせる、症状を軽減させるなどの対策ができるかもしれません。
日常生活にはどのような影響がある?
骨隆起が起こった場合、小さければ大きな支障はないでしょう。
しかし、大きくなってくると日常生活に支障が生じることがあります。
骨が隆起することで粘膜が薄くなり、刺激に弱くなるため、食事の際に痛みを感じやすくなるかもしれません。
また、強い力で硬いものを噛んだとき、違和感を覚えるようになるケースもあります。
盛り上がった部分が邪魔になって舌を動かしづらくなると、発音が不明瞭になり、コミュニケーションがとりづらくなることもあるでしょう。
盛り上がった部分があると、入れ歯の装着や調整にも影響を及ぼし、設計が難しくなります。
盛り上がった部分を避けるように設計しなくてはならないため、義歯が安定しなくなったり、装着した時に違和感を覚えたりしやすくなるのです。
また、入れ歯とぶつかると、圧迫されて痛みが生じたり粘膜に炎症が起こったりします。
そのため、入れ歯の調整が難しくなり、中には使用をやめてしまう人もいるのです。
入れ歯が使えないと食べられるものが限られてしまうため、十分な栄養が取れなくなる可能性があります。
また、骨隆起によって発音しづらくなるケースもあります。
コミュニケーションが取りにくくなってしまうため、生活するうえで不便に感じるようになるでしょう。
盛り上がった部分が大きいと、見た目や機能面にも影響を及ぼします。
常に口内に異物感があることを不快に感じたり、見た目が気になって人前で大きく口を開けることに抵抗を覚えたりするようになるでしょう。
気になって、骨隆起に舌で触れることが癖になってしまうケースもあります。
骨隆起の存在を負担に感じるようになり、心の健康に悪影響を及ぼすかもしれません。
その結果、生活の質が低下する恐れがあるため、不安があるときはなるべく早く歯科医院で相談しましょう。
ほとんどの場合、骨隆起が起こっても痛みはなく、成長はごく緩やかです。
したがって、すぐに処置しなければいけないということはないでしょう。
しかし、時間が経つにつれてだんだんと大きくなっていき、痛みが生じて治まらない、入れ歯が合わなくなるなどの症状があるようなら、外科処置が必要になるかもしれません。
骨隆起ができたときは、歯科医院で定期検診を受けて、経過観察しましょう。
もし日常生活に影響し始めた場合には、早めに相談してください。
放置していればいずれ治る、というものではないため、大きくなり始めたらすぐにでも歯科医院を受診しましょう。
まとめ
歯茎に白いコブのようなものができた場合には、骨隆起という、骨の異常成長が疑われます。
小さければあまり影響はありませんが、大きい場合には注意が必要です。
また、小さい場合にも放置せずに歯科医師に相談しましょう。
なぜなら、時間が経つにつれて大きくなることがあるからです。
成長に伴って痛みが生じるようになったり舌を動かす妨げになったりすることもあります。
そのため、骨隆起ができていることに気づいた場合には、まず歯科医院を受診して定期的に観察を続け、日常生活に影響するようなら外科処置を検討しましょう。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
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