インプラント

歯の移植が失敗してしまうのはどのような時か解説します

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事故や虫歯で歯を失った時、多くの人はインプラントやブリッジなどで失った歯を補います。
ごく限られたケースでは、失われた歯の代わりに、自分の歯を移植する自家歯牙移植で治療が可能です。
ただし、自家歯牙移植は失敗してしまうこともあるのです。
失敗する理由について、解説します。

歯根膜がないと移植は失敗する

自家歯牙移植を成功させるために最も重要なのが、歯根膜です。
歯根膜は、歯とそれを支える骨の間にある薄い膜で、厚さはわずか0.3ミリメートルほどしかありません。

歯と骨は、歯根膜があるため強固に結びついているため、なくなると外れやすくなってしまいます。
歯根膜がないのに歯の移植をしても、移植先で固定されず不安定な状態になります。

歯根膜は、センサーの役割を持っています。
触覚や痛覚があり、噛んだ時に歯に伝わる硬さや感触、刺激などは歯根膜によって脳に伝わるのです。

歯根膜の感覚は非常に鋭敏で、ごくわずかな感触しかない髪の毛などもすぐに分かります。
食べ物の食感が楽しめるのも、歯根膜があるからです。
繊細に感知できるため、食べ物の固さに応じて噛む力を加減できます。

また、歯根膜にはクッションの役割もあり、歯は歯槽骨の中で歯根膜に包まれているため、何かを噛んで歯に圧力がかかった時はわずかに動き、弱い揺れを発生させます。
歯に強すぎる力がかからないように衝撃を和らげているのです。

インプラントには無い歯根膜があるというのが、自家歯牙移植の最大のメリットであり、成功のポイントでもあります。
歯周病などで歯根膜を欠損していると、移植ができないこともあるため注意しましょう。

歯根膜以外の移植失敗の原因

前述したように、歯根膜がなければ自家歯牙移植は成功しません。
だからといって、歯根膜があれば必ず成功するというわけでもないのです。
なぜなら、失敗する原因は他にもあるのです。

顎の骨が少ない場合、移植は失敗します。
歯茎の中にある歯槽骨には歯を支える役割がありますが、溶けて量が減ってしまうことがあります。

歯槽骨が減少する理由の1つとして、歯が抜けたまま放置しているケースが挙げられます。
歯が無くなった時に歯槽骨が吸収されてしまうため、移植時に十分な量が残っていないこともあるのです。

骨の量が足りないと、歯を移植しても支えられません。
そのため、すぐに抜けてしまうこともあり、移植しようとしても失敗に終わってしまうのです。

歯槽骨は、加齢によっても吸収されます。
歯がない状態で放置された場合、年齢が上がるにつれて、より早く吸収されてしまうのです。

プラークコントロールが上手くいかないことも、失敗する原因の一つです。
プラークは、ミュータンス菌をはじめとする虫歯の原因菌が放出する不溶性グルカンという物質によって形成されるもので、虫歯菌が増殖するための巣にもなります。

プラークがあると、他にも様々な細菌が増えてしまい、口内の細菌が多くなります。
細菌が多いと、炎症も起こりやすくなるのです。

炎症が起こっている状態で歯を移植すると、異物だと判断されてしまい、排除しようと動くこともあります。
特に、歯周病は歯肉などに炎症を起こす病気なので、気を付けなければなりません。

炎症が起こっていたりプラークコントロールができていなかったりする場合は、先に歯周病の治療を行い、プラークを落とすためにクリーニングを受けましょう。
自宅での歯磨きも、正しく行う必要があります。

歯を移植するときは、抜歯の前に神経を切り離します。
切り離した神経は、そのままにしておくと壊死し、歯根の先端部分に感染が生じてしまいます。
感染している歯は、移植の失敗の原因となってしまいます。
したがって、移植が終わってから3~4週間以内に歯根部分を治療し、神経を処置しなくてはいけません。

歯を移植した後は、安静にして移植した歯と顎の骨が結合するのを待つ必要があります。
食事や会話をする際も、なるべく移植した歯が動かないように、固定しておく必要があるのです。

固定されていないと、歯を支えている歯根膜が上手く再生されないため、骨に結合することもできなくなります。
結合されなかった場合は、移植が失敗してしまうのです。

移植後、固定しておかなくてはならない期間は人によって異なります。
目安は1カ月前後ですが、固定する期間は長すぎても短すぎても悪影響が出ます。
移植を失敗にしないためには、適切な期間固定している必要があるのです。

移植した歯は、歯根部分を移植先の歯茎と密着するように合わせることで、歯根膜などの歯を支える組織が再生しやすくなります。
隙間があると再生しづらくなってしまうため、移植が失敗する可能性が高くなってしまうのです。

まとめ

歯を失った時に、自分の不要な歯を移植して代わりとする自家歯牙移植は、条件に合う場合のみ可能な治療法なので、できる人はごく一部です。
また、必ず成功するわけではなく、失敗するケースもあることに注意しましょう。
歯を失ってからなるべく早く治療を受けると、成功する可能性は高くなります。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます