歯並びは自分だけの問題だと思っている人も多いのですが、実は第一印象にも大きく関わってくるため、軽視できません。
習慣によって歯並びが悪くなることもありますが、実は両親や祖父母からの遺伝によって歯並びが悪くなることもあることをご存じでしょうか？
遺伝しやすい歯並びはどのようなものか、解説します。
遺伝しやすい歯並びとは？
歯並びは、顎骨の形や歯の本数、大きさなどの要素が影響して決まりますが、歯並びを決める要素が遺伝することもあるのです。
例えば、顎が小さいという点と歯が大きいという点が遺伝した場合、歯が並ぶスペースが不足し、歯並びは悪くなります。
また、生まれつき永久歯の本数が足りない人や過剰な歯がある人、左右の本数が異なっている人も歯並びが悪くなるでしょう。
歯並びの悪さは遺伝することがありますが、特に遺伝しやすい歯並びがあります。
遺伝しやすい歯並びとしてまず挙げられるのは、下の前歯が上よりも前に出ている受け口や反対咬合、下顎前突です。
原因は遺伝だけとは限りませんが、顎骨が下顎だけ大きかったり上顎の骨が小さかったりすることが原因であれば、遺伝の可能性が高くなります。
八重歯があったり、歯が重なり合ったりデコボコしていたりするのは、叢生と呼ばれる歯並びです。
叢生の原因として、歯と顎の骨のサイズが合わず、歯の生えるスペースが足りなくなるケースがよくみられます。
顎の骨や歯の大きさが原因で叢生になっている場合は、遺伝による骨格や歯の大きさが原因となっていることも多いでしょう。
奥歯を噛み合わせたとき、前歯が極端に前方に突き出されている状態を上顎前突といい、一般的には出っ歯と呼ばれています。
歯だけでなく上顎全体が前に出ていることもありますが、骨格が原因となったり、前歯だけが大きいことが原因になったりするのです。
歯並びを悪くする癖
歯並びが悪化する原因が遺伝だけであれば、両親や祖父母の歯並びに問題がなければ、子や孫の歯並びにも問題は発生しないはずです。
しかし、両親や祖父母の歯並びに何も問題がないにもかかわらず、子や孫の歯並びが悪いケースもあります。
この場合、原因となるのは遺伝ではなく癖や生活習慣です。
特に、成長途中の子どもは歯や顎の骨が大人よりも柔らかいため、癖や生活習慣によって歯並びが乱れる可能性が高まります。
歯に圧力がかかる癖があると、歯が動いたり顎骨が歪んでしまったりすることがあるため、注意しましょう。
毎日のように力を加えていると、歯並びが変わる原因になってしまいます。
治した方がいい癖としてまず挙げられるのは、指しゃぶりです。
また、爪を噛む癖も治すことをおすすめします。
これらの癖を長く続けると、出っ歯や開咬、噛み合わせのズレなどが発生するでしょう。
3歳くらいまでなら指しゃぶりの癖を無理に直す必要はありません。
指しゃぶりは顎骨に影響を与えることがなく、乳歯の時点で仮に歯並びが悪くても、軽度の場合は顎の成長で改善されることもあります。
しかし、遅くても５歳ころまでにはやめさせましょう。
５歳を過ぎても指しゃぶりの癖が直らない場合には、顎の成長によって歯並びが自然に整うことに期待しづらくなります。
そのため、必要なら矯正治療を始めましょう。
舌は、上顎にある「スポット」という場所に先端が触れているのが正しい状態です。
舌が下がっていると、出っ歯や受け口、開咬などの原因になってしまいます。
無意識のうちに舌で前歯を押し出していると出っ歯になりやすいため、注意しなければなりません。
歯科医院の中には、舌の動きや位置の改善トレーニングを行っているところもあるため、通院することをおすすめします。
考えごとをしているときや、ぼんやりとしているときに頬杖をつく人もいますが、注意が必要です。
なぜなら、頬杖は歯や顎に頭の重さがかかるため、下顎が下がりやすくなるからです。
歯が内側に倒れてしまうこともあるため、改善したほうがよいでしょう。
特に、片手で頬杖をついている場合には歯並びがズレて、骨格や顔面が歪むケースもあります。
姿勢の悪さが歯並びの悪さにつながることもあるため、注意が必要です。
特に猫背は頭部が前に飛び出した状態になるため、腹式呼吸がしづらくなるでしょう。
胸式呼吸になって空気を取り込みにくくなると、無意識のうちに口呼吸になりやすいため口の周囲の筋肉を鍛えにくくなります。
歯並びは、舌と唇の力のバランスによって決まるため、口呼吸をしていると歯並びが悪化しやすいのです。
寝るときの姿勢も歯並びに影響を与えます。
うつぶせや横向きで寝ると歯並びの悪化を招くため、注意してください。
特に子どもの場合、うつぶせだと下顎が下がりやすく横幅が狭くなってしまいます。
横向きに寝ている場合には、片方にばかり負荷がかかり左右のバランスが崩れやすいのです。
また、歯の本数が左右で異なってしまうこともあります。
病院で推奨されている場合を除き、就寝時は大人も子どもも仰向けになるよう、注意してください。
近年では食事も柔らかいものを食べるケースが多くなったため、咀嚼回数が少なくなり、顎を鍛えにくくなっているでしょう。
顎が鍛えられないと顎の成長も遅れてしまいます。
特に近年は、子どもの顎が小さいままというケースが増えています。
顎が小さい状態で歯が生え変わると、歯の並ぶスペースが足りなくなって叢生になることが多いのです。
まとめ
歯並びが悪くなるのはいくつかの原因がありますが、特に注目されているのが遺伝です。
両親や祖父母の中で歯並びが悪い人がいる場合には、子どもや孫の歯並びも悪くなることがあります。
必ずしも遺伝するわけではないものの、顎や歯の大きさなど骨格的な情報は遺伝することが多いため、注意が必要です。
遺伝以外には、指しゃぶりや頬杖、うつぶせ寝や横向き寝、食事内容などが歯並びを悪くする原因になることもあります。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。