矯正歯科

【東京都品川区五反田で矯正治療】奥歯の部分矯正が難しい理由はコレです!!

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歯並びを整える矯正治療には、全体の歯並びを整える全体矯正と一部の歯並びだけを整える部分矯正があることをご存じでしょうか?
部分矯正の方が、治療期間が短くなるため希望する方は多いのですが、実は矯正したい場所が奥歯の場合は難しいため、できないかもしれません。
なぜ奥歯の部分矯正は難しいのか、その理由を解説します。

奥歯の部分矯正はなぜ難しいのか

歯並びを整える矯正治療は、大きく分けて2種類あります。
それは、全体の歯を動かす全体矯正と一部の歯だけを動かす部分矯正です。
動かす範囲が狭い部分矯正の方が治療期間は短いため、「できれば部分矯正で歯並びを整えたい」という人もいるでしょう。

しかし、部分矯正は基本的に前歯を対象とした矯正治療です。
奥歯の矯正治療も不可能ではないのですが、難易度が高いうえに、部分矯正では根本的な解決につながらないケースもあります。

奥歯の部分矯正が難しい理由が、大臼歯のサイズや歯根の数、形状です。

大臼歯の大きさは約1cmですが、手前に動かすためには固定源が必要となるため、アンカースクリューというミニインプラントを使用しなくてはなりません。
ミニインプラントはインプラント矯正の一種ですが、基本的にはワイヤー矯正のオプション治療として考えられています。

また、奥歯の矯正治療が必要な場合、噛み合わせにもトラブルが起こっていることが多いため、部分的な歯の移動だけでは解消できません。

前歯と奥歯の歯根の違いも部分移動を難しくさせています。
前歯の歯根は1本しかないため、動かすのは難しくありません。
しかし、奥歯には歯根が3~4本あります。
さらに、まっすぐ生えておらず湾曲しているため、強い力をかけなければ動かせず、痛みも伴うことから時間がかかるのです。

部分矯正には、治療にかかる期間や費用を圧縮できることがメリットです。
しかし、奥歯に部分矯正を行っても、そのメリットを享受できない可能性があります。

なぜなら、奥歯は前歯よりも噛むときにかかる大きな負担がかかるからです。
単に歯列を整えるだけでは済まず、噛み合わせも整えつつ歯並びを治す必要があるため、部分矯正では治療が不十分になるのです。
無理に部分矯正を行っても、結局ほかの治療が必要になり、治療期間の短縮や費用削減にはつながらないでしょう。

奥歯が正しい位置や向きで生えていない場合は、部分矯正ではなく全体矯正によって奥歯を正しい位置に動かして噛み合わせも調整しましょう。
ただし、奥歯が1本だけズレていて歯の位置がわずかに内側へとずれているケースや、向きが少しだけズレているケースであれば、部分矯正で対応できるかもしれません。

奥歯にできる部分矯正

五反田駅前歯医者 
前述した以外にも、奥歯に対する部分矯正が可能なケースがあります。

前歯の場合、矯正治療の主な目的となるのは見た目を改善することですが、奥歯の場合は歯を助けることを目的として行うケースが多いでしょう。
そのため、奥歯を部分矯正によって治療する主な目的には、被せ物や義歯、ブリッジなどの人工歯を装着する補綴物治療の前処置とすることがあるのです。

例えば、奥歯に補綴物治療をしたいのに傾いてできない場合、部分矯正で傾きを修正してから治療します。
補綴物治療の準備として行われる部分矯正のことを補綴前処置といい、重要な役割があるのです。

また、永久歯が生えるときに隣の歯に引っかかってしまい、まっすぐ生えてこないケースが稀にあり、部分矯正によって歯の角度を正しくすることで永久歯がまっすぐ生えるようになります。
このようなケースで、奥歯の部分矯正をすることがあるのです。
放置すると、時間が経つにつれて虫歯ができやすくなってしまうため、早期に治療することが肝要です。
治療せずにいると、最悪の場合は奥歯を抜く必要が出てくるでしょう。

奥歯に対して行う部分矯正としてまず挙げられるのは、エクストルージョン(挺出)という方法です。
虫歯が悪化して歯冠部分がなくなったときに、歯根だけでも残すために行われます。
治療の際に、ワイヤーとエラスティックというゴムを使用して、歯根を歯茎の上に引き上げて被せ物を装着するという方法です。

さらに、イントルージョン(圧下)という方法もあります。
イントルージョンは本来の位置よりも歯が伸びたり隣の歯に合わせて高さを下げたりしたい場合に行う方法です。
かつては実現が難しいといわれていましたが、矯正用ミニインプラントを使用することで可能となりました。

アップライト(整直)という処置も、奥歯に行う部分矯正の1つです。
歯が生えている角度を修正する際の処置であり、上下の歯が食べ物を噛むときに、噛む力と歯の生えている方向が揃っている状態にします。
なぜなら、噛む力と歯の生えている角度にズレがあると、力に弱くなり、歯ブラシでのセルフケアも難しくなるからです。

本来の噛み合わせ方向と上下の奥歯にズレが生じ、上の歯が外側に、下の歯が内側に傾いている状態を鋏状咬合といいます。
鋏状咬合は文字通り鋏のような噛み合わせになるため、不安定で、食べ物が噛みにくくなります。
それだけでなく、歯ブラシできれいに汚れを落とすのが難しく、虫歯や歯周病になるリスクが高まるのも問題です。

奥歯の部分矯正は、鋏状咬合を解消できます。
歯にボタンを接着してエラスティックと組み合わせたり、3Dリンガルアーチを使用したりして治すのです。

奥歯の部分矯正を行う場合に使用する装置には、ワイヤーやチューブ、ブラケット、エラスティック、コイルスプリング、3Dセクショナルモジュールなどがあります。
また、インプラントアンカーとも呼ばれる矯正用ミニインプラント(TAD)などもあり、治療計画に合わせて選択し、設計されて治療することになります。

奥歯の部分矯正で注意すべきリスク

奥歯の部分矯正を受ける場合に注意しなくてはならない点として、まずは虫歯や歯周病のリスクが挙げられます。
歯に矯正装置を装着しているときは、歯の形状が複雑になり、食べ物が引っ掛かってしまうことがあるのです。
長い間食べ物が歯に付着した状態になると、虫歯や歯周病になるリスクが高まるため、セルフケアを普段よりも丁寧に行わなければなりません。
矯正治療に必要な装置は、治療後に取り外すことを前提として装着します。
そのため、場合によっては矯正装置が破損したり脱落したりすることもあるでしょう。

矯正装置が破損したり脱落したりすると口内に不快感が生じるため、なるべく早く歯科医院に行き、修理や補修を受けてください。

ちなみに、奥歯の部分矯正の1つに挙げたエクストルージョンを行うのは、失活歯という神経を除去した歯です。
失活歯は、歯根が割れる歯根破折の可能性が伴い、もしも発生した場合には抜歯するしか治療手段がなくなります。

他にも口内の状況などによっては部分矯正が向いていないケースもあります。
歯科医師によく相談したうえで、可能な場合に部分矯正を受けましょう。

まとめ

部分矯正は主に前歯を対象としているため、奥歯に行うのは難しいことが多いでしょう。
奥歯は歯根の本数が多いうえに、湾曲していることがよくあるため、部分矯正による治療は難易度が高いのです。
ただし、限定的とはいえ、奥歯に行えるケースもあります。
エクストルージョンやイントルージョン、アップライト、鋏状咬合の解消などの治療が奥歯の矯正治療として可能で、特に矯正用ミニインプラントは重要な役割を持っています。
奥歯の部分矯正は虫歯や歯周病のリスクが高く、矯正装置が破損する可能性もあるため注意が必要です。
東京品川区五反田周辺で矯正治療をご検討の際には、是非、当院にご相談下さい。
一人一人に合った治療方法をご提案させて頂きます。